評:ハーシュ、不協和のバランス
3種類の和音がある——ドミソ(トニック)、ファラド(サブドミナント)、ソシレ(ドミナント)。このたった3つの協和音の組み合わせで、いろんな曲を作ることができる。また逆に、ある学者は、どんな楽曲も分解すれば究極的にはこの3つの和音に行き着くと唱えた(シェンカー理論という音楽分析の有名な手法である)。ピタゴラスのギリシャ時代からラモー、バッハのバロック時代へ、そして現代に至るまで長い時間をかけて見いだされ、受け継がれてきた3つの協和音とその連結の仕方(機能和声≒コード進行)は、