マガジンのカバー画像

れぽーと

52
イベントレポートを集めてます
運営しているクリエイター

記事一覧

ゆうきまさみ展に行ってきた

ゆうきまさみ展に行ってきた

 鳥山明を発掘し、その功績をもって伝説と称される編集者、鳥嶋和彦は、小学生などによく聞かれるという。
「漫画家になるにはどうすればいいですか?」
 あまりに聞かれるので答えは決めてあるそう。
「三つあります。国語を勉強してください、友達をたくさん作ってください、体力をつけてください。以上です」
 漫画は物語であり、それを理解し表現する国語力が肝要。その登場人物を偏らせないよう、いろんな人間が世にい

もっとみる
㊙展に行ってきた

㊙展に行ってきた

 この展示を眺めていて考えたことがある。デザインに「失敗」というものはあるのだろうか。

 東京赤坂、21_21 DESIGN SIGHTで開催中の㊙展に行ってきた。日本デザインコミッティーに所属する、世代もジャンルも様々なデザイナーたちのスケッチや模型を集め、そのデザインの思想や経緯に迫ろうというものだ。

 名だたるデザイナーたちが刻んだ仕事と、その完成に至るまでに積み重ねられたスケッチやノー

もっとみる
JAPAN Studio “Fun” Meeting 2019 に行ってきた

JAPAN Studio “Fun” Meeting 2019 に行ってきた

 11月16日。品川で行われたソニーインタラクティブエンターテインメント(SIE)のファンイベント『JAPAN Studio “Fun” Meeting 2019』に行ってきた。
 2017年に行われた『Jスタとあそぼう:REAL』から始まった、SIEとファンの交流イベントも、今年で3回目。毎度濃ゆいファンと濃ゆいスタッフの交流が楽しいイベントである。

 開会は17時なのだが、オープンは14時か

もっとみる
UBIDAY2019に行ってきた

UBIDAY2019に行ってきた

 10月6日。ベルサール秋葉原で行われた『UBIDAY2019』に行ってきた。
 世界中にスタジオを持ち、E3で単独カンファレンスを開催するなど、業界の一角を形成するゲームメーカー『UBISOFT』の日本法人が主催するイベント。
 ゲームの試遊を並べるのみならず、グッズ販売やステージイベント、コスプレにキッチンカーまで出し、学園祭のような趣で行われている。
 今年のテーマとして掲げられたのは『LE

もっとみる

TGS2019に行ってきた 〜または私は如何にして心配するのを止めて神奈川工科大を愛するようになったか

 枕も省いて結論から書いてしまおう。今年のTGSの感想は、去年の総評に同じである。

 失望しているのではない。そうそう毎年急激な変化は訪れるものではないし、
ハードウェアも成熟し、PS5の下位互換も確実視されている今、方向は変わらねど進化は確実に続いている。そして去年も今年も、TGSの主役は小島秀夫だった。
 5年ぶりの参加になった前回ほどのカルチャーショックは受けなかったが、という意味で、感想

もっとみる
山中研究室プロトタイプ展2019『ぞわぞわ』に行ってきた

山中研究室プロトタイプ展2019『ぞわぞわ』に行ってきた

 1895年12月。フランスはパリ、カプシーヌ通りに面するグラン・カフェの地下にある『サロン・ナンディアン』にて行われたあるイベントに、35名の人々が集まった。入場料は1フラン(約20円)
 灯りが落とされた部屋のスクリーンに、工場の入り口の風景が現れるや、人々は度肝を抜かれた。これは絵画か?いや写真のように精彩だ。だがこれは動いている。まるで生きているように。
 次々と映し出される映像に、人々は

もっとみる
D2Dayに行ってきた

D2Dayに行ってきた

 2月10日。ベルサール渋谷ファーストで行われたイベント『D2Day』に行ってきた。

 UBIの看板、トム・クランシーシリーズを冠する最新作『The DIVISION 2』のプライベートベータを、リアルイベントで体験しようという、ちょっと変わったイベントである。
(ベータの雑感はこちら)
 ベータ自体は、DIVISION2を予約または登録すれば家庭でプレイできる。わざわざ出向く必要はない。が、そ

もっとみる
UBIDAY2018に行ってきた

UBIDAY2018に行ってきた

10月14日。秋葉原で行われたUBIソフトの単独イベント『UBIDAY2018』に行ってきた。

 今年で7回目を数える本イベントは、UBIの期待作の試遊のみならず、グッズ販売やコスプレイベント、キッチンカーによるフード販売など、UBIの学園祭といった趣きである。
 昨年は会場の都合もあり、渋谷ヒカリエに場所を移したが、今年は付き合いも長いベルサール秋葉原に戻ってこられた。

 毎年思うのだが、と

もっとみる
TGS2018にいってきた・スクールパビリオン編

TGS2018にいってきた・スクールパビリオン編

前回のTGSから考えていたことがある。幸い都内在住で(今は引っ越したが)イベントや試遊会に通えなくない身である私は、何時間も並んで試遊するより、こういう場でしか見られないものを見に行った方が、得るものが多いのではないだろうか、と。
 その実前回は、大手メーカーのソフトやハードばかりではなく、それを取り巻く開発技術や、未来のクリエイターを目指す人々の力作を覗くことができて楽しかった。
 学生たちの

もっとみる
TGS2018に行ってきた・総評

TGS2018に行ってきた・総評

 数えたら5年ぶりだった。前回TGSに行ってから、ひと昔の半分が経っていたらしい。
 無論その間、ゲームがら離れていたわけではないので、その動静はおよそ理解しているつもりではいた。だ、こうして象徴的な出来事に立ち会うと、やはりその実態を垣間見るような心持ちがする。
 2013年は、PS4とXboxONEが翌年に控え、その珠玉のロンチタイトルを競っていた頃だ。絢爛なブースを誇示し、据え置き機ここにあ

もっとみる
Treasure Huntingに行ってきた

Treasure Huntingに行ってきた

 山中先生がはじめてこのキャンパスにやってきた時、そこに溢れる先端技術たちを見て思ったそうである。
「ここは、宝の山だ」

 4月1日からの三日間、東京大学生産技術研究所山中研究室で発表展『Tresure Hunting』が開催された。

 山中研究室は、東大でデザインを研究するという異色の教室。主に同じ研究所内の他の研究室で行われている、世界でも屈指の先端技術研究の、アウトプットの手段等を担いつ

もっとみる
It's a SONY展に行ってきた

It's a SONY展に行ってきた

 本展の最前列。ソニーの礎にまつわる品々を集めた一角に、創業者の1人である井深大が書いた設立趣意書に並んで、見慣れないものが飾られている。金色に輝くモルモットの像だ。
 1958年。当時中堅企業でったソニーは、トランジスタの分野では名実ともにトップにあった。が、その後大企業である東芝にあっさり首位を受け渡し、生産高で二倍半の大差をつけられてしまう。
 その様を評論家の大宅壮一は「儲かると分かれば必

もっとみる