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複雑性PTSDに気づくまで(3) 休職延長→妻の一言→意識変化→複雑性PTSDを知る

前回は、適応障害と診断されて休職したものの、体調は悪化するばかりで回復の兆しすら見えず、休職期間の延長を会社に申請したことを書きました。

その続きです。


休職期間をさらに延長

3ヶ月間の休職期日を迎えても回復の兆しすら見えず、さらに3ヶ月間の休職を申請しました。
結論から言えば、休職を延長しても回復できませんでした。
悪夢は相変わらず続き、何種類もの薬を試しても、症状を軽減させることはできませんでした。

6ヶ月間、9ヶ月間と休み続けても、体調が良くなりませんでした。
このまま復帰できないのではないか…不安は大きくなっていました。
私には妻と子どもがいます。家族のためにも早く復帰して稼がないといけない…焦りが募りました。

私の認識を変えた妻の一言

そんな私に、妻がこう言ったのです。
「会社なんてやめていいよ。とにかく体を治さないと。」

最初は素直に受け入れられませんでした。
「会社をやめるなんてとんでもない」というのが本音でした。
その後も妻は、事あるごとに「体が大事」と言うようになりました。
毎日のように聞いているうちに、考えが少しずつ変わっていきました。
とにかく仕事のことは完全に頭から消して、体を治すことに専念しなければいけないと思うようになったのです。

私の意識は、「復帰するために回復する」ことから、「自分のために回復する」ことに変わりました。
意識の変化によって、自分の症状そのものに向き合えるようになりました。
「このくらい回復すれば仕事ができるだろう」ではなくて、「先週よりも今週の方が悪夢が少なかった」と、自分の体の変化が分かるようになりました。

意識の変化と連動するにように、自分の症状の原因について、考えるようになりました。

精神疾患についての勉強

「適応障害と診断されているが、もしかして会社のストレス以外に原因があるのではないか」
そう考えた私は、他の精神疾患についても調べて、勉強しました。

書店の専門書のコーナーや図書館に通いつつ、Google Scholarなどで専門誌の記事を検索し、関係がありそうなものを読みました。
うつ、双極性障害、境界性パーソナリティー障害…部分的に私の症状に似ている疾患は多くありましたが、完全に当てはまるものは見つかりませんでした。

PTSD…仕事での出来事がトラウマになっている可能性は?
仕事上の嫌な出来事を思い出して感情が乱されることはありましたが、特定の出来事だけをフラッシュバックしているわけではないので、該当しないと思いました。

PTSDの本では、補足として複雑性PTSDという精神疾患が紹介されていました。
はじめて聞く疾患名でした。
「PTSDの原因は一回性の出来事なのに対して、複雑性PTSDの原因は度重なるトラウマ体験で、特に子どもの頃の不適切な養育を受けた人がなりやすい」というような簡単な説明が書かれていました。

複雑性PTSDだと確信する

もしかしたら…
私は小学生の頃に母親から虐待とネグレクト、そして両親の離婚後はきょうだいの世話をせざるを得ない状況で散々な毎日を過ごしました。もちろん、過去の辛い出来事を思い出さない日は一日もありませんでしたが、それがどうして精神疾患と結びつくのかは、その本の解説では理解できませんでした。

さらに詳しく知るために、複雑性PTSDの専門書と論文をいくつか読みました。
そこに書かれていた症状は、私の症状と完全に一致していたのです。
私の症状は、複雑性PTSDだと確信しました。


次回は、複雑性PTSDの症状を交えながら、この話の続きを書きたいと思います。
今回も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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