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ドイツの原子力発電所廃止について。

こんにちは。
「書く」と決めたら書きたいことが溢れて止まりません。
いろいろと回想をつらつらと。

今日は2023年4月15日。
今日から、ドイツのすべての原子力発電所が止まります。
個人的にずっと楽しみに待っていた、嬉しい嬉しい日です。

私は2019年の8月にドイツへ引っ越して来ました。
大学院に入学したのですが、ドイツを滞在先に決めた理由の一つが
2022年までに原子力発電を完全に廃止
するという方針でした。

先進国でこんな国があるんだ!と調べれば調べるほど
一度も行ったこともない国で、言葉さえ分からないのに魅力を感じました。

(もちろん、ぴったりのタイミングの
英語の全日制のシュタイナー教員養成の大学院が、
ドイツにしかなかったことも大きな理由です。)

3.11のときは、大学生でした。
原発の事故により、本当にいろいろなことを考えさせられました。

当時思ったことは、私は将来、安心できる場所で子どもを産んで育てたい。
空気と水の綺麗な、安心する場所で、
もう少しのんびりとした教育を。

これから子どもを産み育てることができたら、
20代前半のこの私の身体はまだ私だけのものではない。
そうなったら、日本ではないかもしれないけれど、
教育とエネルギー、(私にとって)環境の納得できるような、
そんな土地を探そう。

自分が大好きな土地にいて大好きなことをしていたら
きっと自分に似たような考えのパートナーにも出会えるだろう
と思いました。

日本での小学校教諭時代は本当にやりがいがあり、
毎日目まぐるしくも楽しい日々で充実していましたが、
過労でアトピーぜんそくになってしまい、
皮膚も全身ストレスでただれてしまいました。
毎日寝ている間も皮膚をかきむしって、朝は枕も血だらけでした。
目の不調も続き、(ものもらいが1ヶ月に1回はできる。)
こんな汚い肌、戻るのかな・・・?と思うくらいのただれ方。
ステロイド剤を処方されて毎日塗ったり吸ったりしていました。

そんな中で働くため、学ぶために選んだ国がブータン。
水と空気が綺麗で、野菜や米はすべてオーガニック。

エネルギーは原子力ではないブータンでの美術教諭の2年間の経験では
ブータンに着いて1週間後にはなんと皮膚も綺麗になり!
体調はとてもよくなりました。
水と空気と、豊かな時間はすごい・・・!と鮮明に感じました。

ブータンは素晴らしい国ですが、
私の物差しでは、大きなトピックである「教育」に納得をすることができませんでした。

”素敵な場所だけど、ここじゃないんだなぁ〜。
でも、空気と水は自分に合うな。まだ探し続けよう。”と
思ったことをよく覚えています。

完璧な国なんて、場所なんて、ありません。
でも、自分が納得できるか。
人生で何を優先して、自分のエネルギーを使っていきたいか。
それを軸に住む場所を考えるのも一つの生き方だと思います。


さて、ロシアによるウクライナ侵攻の影響により、
ドイツでは今もロシアからのエネルギー(ガス)の輸入が止まっています。
エネルギーをかなりガスに頼っていたのでかなり電気料金が上がっています。そんなこともあり、原子力発電所の停止が2022年末ではなく、今日まで延期されていました。(もっと延びてしまうのではと思っていました。。)

これからもたくさん課題はあるでしょう。
報道ではネガティヴに書かれることもきっと多いでしょう。
でも政府は、これから2030年までに8割を「再生エネルギー」にしていきたいという方針を出していて、私はこの政府の方針にとても賛成・安心できます。

ドイツは素晴らしい!というのではなく、
安心して、信じられる。自分にも選ぶ権利がある。
というのを、一人の人間としてうれしく思います。


ヨーロッパは陸続きで国と国とが近く
それぞれ方針も全く違います。

私はフランスにほど近い南ドイツに住んでいますが、
フランスは全土に原子力発電所だらけで、
数もエネルギー量も日本の比ではなく、
エネルギーの7割以上を原子力に頼っています。
きっと、それに頼る必要のある理由もある。
何が安心で安心か。

現在旅をしている地のアイスランドでは、とても厳しい気候の中、
土地の自然をうまく生かして地熱発電と水力発電で
自国のエネルギーをしっかりとまかなっています。
他国からのエネルギー輸入に頼ることがないので
エネルギー料金は安く、どれだけの田舎でもインフラもは整い、
だからこそ厳しい自然の中で生活する国民にも「安心」があるように思いました。


100%絶対や安心、素晴らしいものなんて
世界を探してもどこにもありません。
だからこそ、いつも真実を知るように
目の前で起きていることを見つめられるように、
腐らず、怒らず、楽観視もせず、冷静に、
でも希望を持ち続けて
生きていたいと思っています。

今日も読んでくださりありがとうございます*

Ai.



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