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太陽の位置で方角がわかる 8首「うたとポルスカ」
「うたとポルスカ」のウェブページに、8首掲載されています。 https://utatopolska.com/entry/tanka-taiyounoichi/ 建物の中にいても道を歩いていても、方角を聞かれれば…
2023年の掲載|「ひらめくのは」「通話」他
今年はこまめにnote更新できなかったな……、と思いつつ開いたら、こまめにどころかひとつも更新していませんでした。ちょっと自分で笑った。
ということで、2023年のまとめです。
短歌「ひらめくのは」25首
「うたとポルスカ」ウェブ(2023年4月4日)に掲載。
25首は個人最多記録(これまで20首だった)で、自分の中では挑戦だった。仕上がってうれしかった。ウェブ記事なのでぜひ読んでほしい。
宝
【全文】評論「空間を捉える——森岡貞香の中庭と部屋」
「短歌研究」2022年12月号「'22年結社誌・同人誌論文——歌人アンケートによる今年度の収穫」にて、「空間を捉える——森岡貞香の中庭と部屋」が1位をいただきました。再録誌面では抄録だったため、こちらに全文掲載しておきます。
初出:「短歌人」2022年2月号 *初出時に書いた記事はこちら
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「空間を捉える——森岡貞香の中庭と部屋」
森岡貞香の歌を読んでいると、歌の中に現れる部屋や階段、
花の時間 10首(歌誌「かばん」2022年11月号)
歌誌「かばん」2022年11月号のゲストルームに、「花の時間」10首を掲載いただきました。
ゲストルームは、かばんの非会員の作品が掲載されるコーナーですが、ゲストルームという名前いいですよね。招待されて人の家に行く感じを頭の中でずっと思っていました。お招きにあずかりうれしかったです。
ミックスナッツがまんべんなく減るようにという淡い意識 包まれている
/他9首
繰り返しているように 7首(「文學界」2022年5月号)
「文學界」2022年5月号に、「繰り返しているように」7首掲載されました。
作っているうちに弱いこと、細かいことをやりたいという気分になり、まわりとくらべればきっと地味で読まれないかもしれないと覚悟していたのですが、実作者の方々から思いがけずすぐに反応をいただき、手応えというか、とても励まされました。ありがとうございました。
実作者でない友人も読んでくれたのだけど、よくわからないという反応が多かっ
「空間を捉える——森岡貞香の中庭と部屋」(「短歌人」2022年2月号掲載)
「短歌人」2022年2月号に、「空間を捉える——森岡貞香の中庭と部屋」を掲載していただきました。森岡貞香の“中庭”や“部屋”の歌を中心に取り上げ、読み手側に空間を立ち上げるために歌で何が行われているのかを検討できれば、という文章になりました。
引用した歌はこちらです。
母の住む離れの庭に日の差して母屋より同じき中庭の見ゆ 『百乳文』
このゆふべ芙蓉の萎るる花踏みて母はふたたび母屋に來たりし
冷気 15首 「半券」003号
短歌の同人誌「半券」に、15首連作「冷気」と、エッセイを寄せています。
自動車の内側に居てもたれると冷たいドアのあたりの匂い
金属の板に細かな傷があり反射している昼夜の光
/相田奈緒
エッセイは、「私の好きな飲みもの」というテーマで、祖父がよく歌っていた曲『一杯の珈琲から』(1939, コロムビアレコード)について書きました。
同人誌におまねきいただいたのは初めてでうれしかった。うれしい気
太陽の位置で方角がわかる 8首「うたとポルスカ」
「うたとポルスカ」のウェブページに、8首掲載されています。
https://utatopolska.com/entry/tanka-taiyounoichi/
建物の中にいても道を歩いていても、方角を聞かれればだいたいは答えられる、つもりだったのだけれど、このところ力が弱まってきたような気もする。碁盤の目の札幌に住んだ年数を、東京住まいの年数がとうに超えたからかもしれない。私の力ではなく、都市に
「短歌人」2020年8月号 20代・30代会員競詠
外の雨に耳から先に目が覚めて近く遠くぶつかるつぶ
UFOをみたのは冬で十二歳アパートの外階段のした
タバスコの緑のびんが食堂に緑のかげを作る 毎日
金色の心の人と話し合う逆算はしすぎるとあぶない
話してるあなたと私たのしそう壁が鏡になっている店
三十六歳ベストとベターが渾然となってきて生活も変わる
重力に逆らいながらタピオカがいくつもいくつも梅雨を通った
何が返ってくるとしたって
珠と珠 「短歌人」2020年1月号
珠と珠 相田奈緒
空腹の体のままで文庫本にぎっていたら温まる紙
昼前のポンポンダリアはなびらの丸まるなかに影はたまって
バラの木で土地区切られて何年も経って私が通りがかった
唇にクリームを塗る 乾くから 公園のジャグリングサークル
風船を膨らませるとゴムのあじ張り詰めている目と鼻の先
青空に色とりどりの風船の飛んで行くのを見たことがない
コーヒーと
くちかず 「短歌人」2019年7月号
くちかず 相田奈緒
風の中にいる、いた、風の外に出る 噴水の飛沫は日に当たる
風が吹く力に撓む木の枝の戻る力に葉は光りだす
膝までを日なたに入れて立っている信号待ちの間にも風
もし馬を飼ったらとても大切にするだろう毎日梳いてやる
根雪にはならない首都に雪予報 ここにしか住んだこと無い人ら
悪い言葉はふせられていてわからない私は想像力を使った
簡単に会えない人の事
階段 「短歌人」2019年1月号
階段 相田奈緒
七つ上のフロアについている明かり、消える 交差点から見えた
もしかして滅びるのかなポケットの一つもない服なんか着ていて
口にしていい感情かわからない冬ユリオプスデージー揺れる
泣きたくはなくて登っている夜の階段にすれ違う小型犬
タンタンと一緒に冒険してる犬みたいな犬がしっぽをたてて
たしか雪にまつわる名前だったはず 階段はおわって夜の道
雪の森
関心 「短歌人」2018年8月号
関心
考えの差し出し方のうつくしいあなたの真似で五月を抜ける
どんな曲、と訊くとあなたは原曲のキーとテンポで歌ってくれた
一日がまた暗くなる暗くなりおわってからの時間の長さ
くちなしにまじってたばこのにおいするもう夜になるまだ少しいる
おとなしいこどもだった 台所の窓から風が来ている夜の
明け方の夢ひとつだけ覚えてる巨大な船がつぎからつぎに
二年前寄せられていた関心は二年をかけて薄らいでいた