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雑文

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主に読書感想文を載せています。ネタバレしない内容を心がけてますが、気にする人は避けてください。批評ではなく、感想文です。
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2018年12月の記事一覧

岩波書店編集部編 『翻訳家の仕事』



★★★★☆

 2006年に岩波新書から出た本書は、雑誌『図書』に掲載されていた「だから翻訳はおもしろい」という連載をまとめたものです。名だたる翻訳家総勢37名が翻訳について語っています。

 主な翻訳者は亀山郁夫、柴田元幸、高見浩、野崎歓などなど。今年、全米図書賞翻訳部門を受賞した多和田葉子や、村上春樹を英訳しているアルフレッド・バーンバウムもいます。

 翻訳というのはどういう行為なのか?

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J.D.サリンジャー 『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16、1924年』



★★★☆☆

 今年の6月に出たサリンジャーの短篇8篇、中篇1篇を収めた一冊。訳者は金原瑞人。

 もともと雑誌に発表されたものの単行本未収録だった作品を集めているので、執筆年にばらつきがありますが、『ハプワース-』を除くと、1940年代に発表されたものです。初期の作品ですね。
 最初の二篇は『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の元になっており、作品内にも出てくるエピソードが描かれています。

 

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