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『王妃の首飾り』-その3 マリー・アントワネットとロアン枢機卿、そしてジャンヌの熾烈な戦いの行方-

(Spoiler Alert!ネタバレ注意!)

みなさん、こんにちは!

まず初めに、前回の記事で、ベルばらのYouTubeリンクを記事の最後に貼っておくと書いておきながら、リンクを貼るのを失念していました!

今回は、忘れずに貼っておくので、もし宜しければご覧くださいね。

『王妃の首飾り』のご紹介は、今回で最終回としたいと思います。

ようやく⁉、今回から「ベルサイユのばら」で描かれている首飾り事件と同様の流れになっていきます。

その1の記事にも書きましたが、私は、物語のエンディングで、ジャンヌの立場がじわじわと悪くなっていく場面が、一番の見どころなのではないかと思っています。

ジャンヌが最後に味わう、不安、恐怖、戦慄が、痛いほど伝わって来て、読んでいる私まで、胸がざわざわして、何とも言えない気持ちになりました。

オスカルが、「ずるがしこくて、大胆で・・・そしてすばらしくたくましい!!」
とジャンヌのことを言っていましたが、果たしてこちらのジャンヌもそうなのか、早速みていきましょう!

前回、宝石商とロアン枢機卿のもとに、食い違った内容の手紙が届き、なにやら不穏な展開を見せていました。

ジャンヌは、王妃とロアン枢機卿が話をすれば、自分の悪巧みが露見してしまうので、王妃が横領に気づいたとしても訴えないように、そしてロアン枢機卿が詐欺だと気づいても、彼が身の破滅だと感じるようにしておく。

ジャンヌにとっては、ロアン枢機卿とマリー・アントワネットが会うことがなく、(でもロアン枢機卿は王妃に恋をしているから)ロアン枢機卿は王妃に会っているものと思わせなければいけない。

ここからは、ベルサイユのばらの首飾り事件と同様の展開になっていくのですが・・・

まず、王妃とそっくりなオリヴァという娘を、王妃に仕立て上げ、ベルサイユ宮殿の庭園で秘密裏に合わせることに。

偽者の王妃だと知らないロアン枢機卿は有頂天に。

しかし、その後、宝石商が王妃のもとを訪れ、王妃から残金を支払うという手紙をもらっているのに、まだ支払われていないことを、王妃に話す。

しかし、王妃は宝石商から首飾りを受け取ったという証明書があると言って、双方の話は嚙み合わない。

そして、王妃はロアン枢機卿を呼び、2人で話すが、こちらも話はかみ合わない。

ロアン枢機卿は、自分たちの密会のことを王妃に話すと、密会など身に覚えのない王妃は、自分を侮辱するのかと驚き、2人は言い合いになる。

ジャンヌは、行方をくらましていたと思われていたが、しばらくして堂々と王妃に会って、自ら釈明する。

「首飾りは、ロアン枢機卿に返した」と。

マリー・アントワネットは、”ロアン枢機卿が全ての糸を裏で引いていたのか”と思う。

ジャンヌは、バスティーユ牢獄に投獄されるが、”どうやらこちらの勝ちらしい”と、この時点では、自分の状況を楽観視していた。

その間、王妃は、偽者のオリヴァを見つけ、ようやく事態を飲み込む。

その後、オリヴァが裁判に出廷し、ロアン枢機卿は、やっと自分がジャンヌに騙されていたことに気づく。

当初、自分の立場を楽観視していたジャンヌだが、あらゆる計算が狂い始め、立場がどんどん悪くなっていく。

バスティーユからコンシェルジュリーに移されたジャンヌは、自分の判決を未だに知らされないことに不安を覚える。

今迄、彼女に良くしてくれていた牢獄のお世話係の人たちも、なぜかよそよそしい。

不安になって、ジャンヌがお世話係の1人に聞くと、「追放」されるのだと言う。

ジャンヌは、内心、「追放」だと逃げることが出来るので、一安心する。

しかし、もっと暗い地下牢へ連れていかれ、ジャンヌの不安は恐怖に変わる。

暗い部屋に通された後、ドアがぴたりと締まり、よく見ると、その部屋はどこかの広場と繋がっているようだった。

「追放」なら、こんな場所に連れてこられるはずはなく、牢番に問い詰めると、「烙印と終身刑」になったことを知る。

しかも、ロアン枢機卿は、不起訴で無罪になっていたことも、この時知る。

ジャンヌは、この広場で見せしめ(公開)で、烙印を押されることが分かると、牢番が何人も来て彼女を取り押さえないといけない程、暴れて逃げようとするので、なかなか刑が執行出来ない。

彼女の抵抗はすさまじく、恐怖で「助けて!」とわめくジャンヌだったが、最後に右乳房の上(背中ではない!!)に、焼き鏝を押され、気を失ってしまう。

ジャンヌの最後の描写は、もう彼女の恐怖が手に取るようにわかって、怖かった💦

やはりアレクサンドル・デュマの表現力は、素晴らしい。

因みに、ジャンヌが烙印を押された広場は、裁判所前の中庭だったようです。

ベルサイユのばらでは、烙印を押された後、ジャンヌは、サルペトリエール牢獄から脱獄しますが、現在、その牢獄があった場所は、病院になっていて、パリの13区に実在しているようです。
(昔から牢獄と病院の機能を備えていたようです)

あと、いろいろ調べていて分かったのですが、パリの警察博物館には、首飾り事件の資料が展示されているようですね。

サルペトリエールや警察博物館など、追々またYouTubeで取り上げるかもしれませんので、Youtubeもチャンネル登録して頂けると嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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