'95 till Infinity 044
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【 第1章: 2nd Summer of Love of Our Own 036 】
俺たちは本当に何もわかっちゃいなかった。
俺たちは本当に何も知らなかった。
俺たちはそれが後にデファイニングモーメントと呼ぶようになるものだってことも知らなかったし、自分たちがほんの数ヵ月後には他の全てを捨ててでもそれを追い求めるようになることも知らなかった。
世界の外れの、小汚い、何も知らない、スケーターキッズ。
それが俺たちだった。
そして、何もわかっちゃいない16のガキだった俺たちはこの世の中に永遠なんてものが存在しなけりゃ、トーニの『一回だけ』が一回なんかじゃ済まないことも、俺たちが全ての拠りどころとしていた『友達』というものが何よりも脆弱で頼りない、10人の人間がいれば10通りの、同じ人間でも状況によって100万通りの定義が生まれてしまう極めて都合のいいものだということも知らなかった。
それが俺たちが初めてレイブに行った16の夜だった。
そして、この数時間後には俺たちは2度目のデファイニングモーメントを経験することになる。そして、それは、ケミカルジェネレーションの出来の悪い末っ子である俺たちに相応しくMDMAによってもたらされた。
本当に、本当に、月並みでこっ恥ずかしい話なのだけれど。
…第一章 完
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