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「惑星のメモリア」(短編小説)
遠くはなれた銀河の果てに、「F0168-エレ」という惑星がありました。
ここは、過去と未来が繋がりあう星。
空間に満ちる豊富なエネルギーと、それを動力にした巨大なコンピューター。
張り巡らされたネットワークには、毎日、宇宙からたくさんのアクセスがあります。
今日もまた、過去への手がかりを求めて、誰かがやって来たみたいです。
[……]
【こんにちは。初めていらっしゃる方ですね】
[…
「水玉の午後」(ショートストーリー)
雨が降っていました。
うす暗い部屋の中、ぼんやりとした白い光が浮かんでいます。
その光に溶け込むように、一人の若い女性の姿がありました。
彼女の名前は、あかり。
『周囲を照らす明かりのように、温かくて優しい子に育つように』と、両親が付けてくれた名前です。
あかりは、机の上に置かれたパソコンのモニターをじっと見つめていました。
その表情は、どことなく沈んで見えます。
画面に映し出され