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大好きだったあの人

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大好きだった元カレとの思い出を綴った記録デス。 どうしても忘れられない切ない恋の物語をどうしても残したくて。
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記事一覧

大好きだったあの人①

TVだったかな?
昨日、どこかでボン・ジョビのリヴィン・オン・ア・プレイヤーを聞いたので、今朝は久々Bon Jovi聴いてる。

リヴィン・オン・ア・プレイヤーは、イントロが特に好き。
シンセからのベース、そっからのドラム、コーラスの
「ウワウワウウウワ」(ってアタシには聞こえる)がめっちゃカッコいい。

ボン・ジョビは伯母が
「ane、カッコ良いから聴いてみな」
ってダビングカセットくれた影響で

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大好きだったあの人②

彼との距離が縮まるキッカケはママの代打でいった外営業。

ある日お店に来ていた彼がママに
「お客様から今週末日曜日のクリスマスディナーショーのチケットを急遽頂いてネ。
ちょっと無下にできる方じゃないからどうしても行かないとなの。
ママ、一緒に行ってくれない?」
と切り出した。

ママはその日、別のお客様とのゴルフ接待が入っていて行けない、と言う。
彼は
「うーん…困ったナ…別のお店のママちゃんに頼

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大好きだったあの人③

「いえ、アタシは昔からオールディーズが好きで、ソウルやブルースは良く聞くし、ジャズも好きなので、そこまでつまらなくはないですよ。さっきから少しだけだけど知ってる曲も歌われてますし」

そう、アタシは伯母の家で古いレコードをよく聞いていた。
オールディーズはホント大好きだった。

「以外だね、音楽好きなの?」

「そこまで詳しくはありませんが、伯母の影響で古いレコードを聴くのが好きなんですよ。
残念

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大好きだったあの人④

入ったお店はとても明るいお店だったのが今でも強烈にイメージとして残ってる。

春の日差しのような暖かい明るさ。
白木のテーブルセットや白い障子で仕切られた個室が明るさを増していたのかもしれない。

何を食べたか何を飲んだかは覚えてないケド。

「オールディーズが好きって言ってたね。
どんな曲を聴くの?」

「パティ・ペイジの『テネシーワルツ』が好きで聴くようになったんです。
ニール・セダカの『すて

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大好きだったあの人⑤

どこで待ち合わせしたか、とかは全く覚えてない。

でも、彼と防波堤から見た海は今でも覚えてる。
冬だったからめっちゃ寒かったコトも。

海を見ながら彼は
「しまったなぁ、釣りの道具持ってくれば良かったナ」と言った。

「釣り、お好きなの?」

「好きですよ。aneは?」

「うーん、アタシ釣り堀しか行ったコトないんデスよね〜。
ソレも、釣り堀なのに一匹も釣れなかったし。
エサだけ食べられちゃって」

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大好きだったあの人⑥

ドキドキしながらお邪魔した彼の部屋。

単身赴任になのにファミリー向け賃貸マンションだった。
大手の子会社支社長様ともなると、借上社宅もこういうVIP待遇になるのか?なんて思った。

そしてコレまた単身者に似つかわしくないデッカい画面のテレビ。
そしてその両脇に外付けのスピーカーが2台。

さすがAV機器メーカー勤務。
単身赴任と言えど、ココは譲れないのだな。

ドキドキしてるアタシは少し居心地悪

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大好きだったあの人⑦

2人は周りのみんなと変わらない恋人同士だったと思う。

お休みの日は一緒に出かけ、食事をして、2人ともお酒が大好きだったので一緒にお酒を飲む。

会えない日はメールをしたり。

そして恋人同士の愛を確認し合って。

そこら辺にいるカレカノと一緒。

少しみんなと違うのは、2人の年齢差がちょっとだけ大きいコト。

それ以外は何も変わらない2人。

お料理が得意だった彼は珍しいスパイスにも詳しくて。

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大好きだったあの人⑧

アレは、彼と付き合い始めて2ヶ月が過ぎた頃だったと思う。

アタシの出勤日の度に来店するお客様が、アタシと2人きりでアフターに行きたいと言い始めた。

ママはアタシのアフターには必ず自分か、レギュラーチーフをしていたアタシの高校時代からの友達を同行させていた。

「惚れさせ」コンセプトのアタシを、お客様と2人きりにさせるのは、ママとしても心配だったのだと思う。

でもそのお客様はあまりにもしつこ過

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大好きだったあの人⑨

彼には離婚経験がある。

夫婦関係はお子さんが小さい頃から破綻していたと言ってた。

お子さんの為に仮面夫婦を続けていた、と。

お子さんが中学生だったか高校生だったかの時に、奥さんの不貞が露呈する。

「仮面夫婦って言ってもそこはルールがあるでしょう?
他のオトコに体を委ねるようなオンナを自分の女房に置いておくコトはできなかったんだよ」

ソレが彼が離婚した理由だった、と。

そのハナシを聞いて

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大好きだったあの人⑩

アフターの夜の後の出勤日、ママはアタシにアフターどうだった?と聞いてきた。

アタシはカクテルをご馳走になって家の近くまで送っていただいた、と答えた。

「違う違う、しつこく口説かれなかったかって聞いてんの!」
とママは言った。

アタシは大丈夫でした、とウソをついた。

「あ〜、良かった〜。
あの人、aneにマジ惚れっぽいでしょう〜?
だからサ〜」
とママは言った。

ママも2人きりでアフターに

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大好きだったあの人vol.11

アタシはアフターの夜のコトを正確に覚えていない。

お客様に思わせぶりなコトでも言ったのだろうか。

ママと接客していても、会話には集中できなかった。

あの夜にあったことを必死で思い出そうとしていた。

お客様はアタシとの交際がスタートしたつもりのようだ。

アタシは一体、なんて言ったんだろう?
何を聞いたんだろう?

でも考えても考えても思い出すコトは出来なかった。

閉店の時間になり、チェッ

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大好きだったあの人vol.12

カクテルバーに入ると上機嫌のお客様がいた。

「aneちゃん!お仕事お疲れ様!
何飲む?僕はジントニックだけど、一緒でいい?」

「ハイ」

お客様はアタシに耳打ちする。
「今日はもう酔わないでネ」

アタシは苦笑しながら
「ハイ、気をつけます」と言った。

「うん、でも酔ったaneちゃんも可愛かったケドな」
と言いながら、アタシの肩に手を回しグッと引き寄せる。
「コレを飲んだらお店を出ようね」と

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大好きだったあの人vol.13

彼と会うのは楽しかったが、彼を愛おしいと思えば思うほど、アタシは彼に嘘をついているコトが苦しかった。

「アタシは彼を裏切っている。
アタシは彼を騙して、別のオトコと関係を持っている」

彼がアタシを大事にしてくれればくれるほど辛かった。

アタシは醜い人間だ

アタシは腐った人間だ

こんなに大事にしてくれる人を騙して、他のオトコに身を委ねてる。

人間のクズだ

自分のコトを汚れきった最低な人

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大好きだったあの人vol.14

彼が帰った後、アタシは父の部屋で正座させられた。

父は我が子を叱る時は必ず自分の目の前に子どもたちを正座させた。

「ane、これはどういう事や」

父の声は怒りに震えていた。
かなり怒ってるナ、とわかった。

「これ?とは?」

「あのオトコは一体何者や?」

「あの方は○○の方で、○○の子会社の支社長。
東京から出向して来てる」

「ほんでアイツはなんぼやねん」

「なんぼ?」

「年や、何

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