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読書まとめ『天才性を引き出す子育て』→子どもは、自立に向かう小さな天才

『モンテッソーリ教育×レッジョ・エミリア教育式 0~6才のための 天才性を引き出す子育て』いしい おうこ


一言でいうと

子どもは、自立に向かう小さな天才


概要

娘(2歳半)がイヤイヤ期をこじらせ始めたので、育児本を読んでみました。モンテッソーリ教育とレッジョ・エミリア教育をベースにした、著者の独自の子育て法が紹介されています。ベースになったふたつの教育思想を体系立てて解説しているわけではなく、よく言えば「いいとこどり」な本です。

本書を通して最重要だと思ったことは、「子どもは誰でも天才だ」と信じることです。すべての子どもには天才性が備わっているといいます。子育てとは、手助け・声かけ・環境作りを通して子どもの天才性を引き出すことだと認識しました。

イヤイヤ期は「自立したい思いのあらわれ」と表現されていました。生まれたばかりの子どもは、自分自身と親とが同じ存在だと考えているそうです。成長するにつれて自分自身と親とが別の存在であることに気づき、親から自立しようと行動する、これがイヤイヤ期と呼ばれるもの。子どもの自立を促したいのであれば、やりたいことをなるべくやらせてあげるのがよい、と納得できます。

なるべくやらせてあげるとはいえ、ケガしたり寝不足になったり保育園に遅刻したりするリスクは無視できません。子どものやりたいことに共感した上で、○○をしたあとは△△する、などの約束をして折り合いをつける必要はありますね。

なお、本書では「お父さん」の存在は極めて希薄です。育児にフルコミットできる専業主婦(夫)を想定読者にしていると感じました。

特に学びになったことを3点紹介します。見出し文を作ってまとめてみると、マネジメントやリーダーシップ、あるいはアドラー心理学の本だったっけ?という内容ですね。子育てに限らず、対人関係全般において重要な考え方だと感じました。


① ほめるのではなく、相手に共感する

子どもに「親は自分のことをわかってくれている」と思わせるような声かけが重要です。子どもがおもしろがっていることに共感してあげましょう。そのためには、子どもが何に興味を持っているかを観察することが必要。子どもの興味のサインが特に現れるのは、手の動きだそうです。

具体的な声かけのコツは3点。子どもががんばってる箇所を見つける、事実をそのまま伝える、親の気持ちを伝える、です。私が実践してみた例だと、子どもが描いた絵を見せてきた時に、「いっぱい描いたね、ワンワン描いたんだ、ワンワンに会いたくなっちゃったよ」で返したら娘はご機嫌でした。

やりがちだけど逆効果なのが、子どもがやったことに対して、すごい・えらいとほめてしまうこと。子どもが2歳ごろになるとできることが急激に増え、自分へのジャッジが厳しくなるそうです。子ども自身がうまくできていないと思っているのに、すごい・えらいと言われると、「自分のことをわかっていない」と感じてしまいます。


②叱るのではなく、事実と気持ちを伝える

叱るときは、子どもと目線を合わせて、事実と自分の気持ちを淡々と伝えます。大声で威圧的に怒鳴るよりも、無関心を装って淡々と叱る方が効果があるそうです。叱るのは1分間まで、事実と気持ちを子どもに伝えて理解してもらったら、その後は引きずらずにいつもどおりに戻ります。

モンテッソーリは、子どものことを「やり方を知らない小さな人である」と表現しました。おもちゃをぶん投げるのも、服を汚すのも、周りがやり方を教えてないから。この考え方を持っていれば、子どもの自由奔放な行動に対しても、やり方を教えていないからしょうがない、と落ち着いていられそうです。


③ 完璧な親ではなく、共に学ぶ仲間になる

親がなんでも完璧にこなせる先生になるのではなく、子どもと一緒に学ぶパートナーの関係になることがベストです。親が完璧にやってしまうと、子どもは自分とのギャップを強く感じてしまい、挑戦しなくなります。本書では、ちょっとドジなところもある親=サザエさんを目指そう、と提唱されています。私も、まずは親がちゃんとできるようにならなきゃ、と思ってしまうことが多いので、子どもと一緒に成長することを意識したいです。

自ら学ぶ子どもに育てたいのであれば、自ら学ぶ姿を親が見せることが近道です。例えば、図鑑をリビングに置いておき、子どもと一緒に調べるなど。今どきはネット検索で何でも調べられますが、子どもが自発的に調べるためには、やはり本が有効。我が家では、私の中学生時代の食品成分表が現役で活躍しています。


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いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。