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読書まとめ『みんなの相撲大全』→悪魔と学ぶ、相撲の世界観

みんなの相撲大全』デーモン閣下 監修


一言で言うと

悪魔と学ぶ、相撲の世界観



概要

長女が相撲に興味を持っており、読んでみました。最近は「パンツだけ履いて戦い」が、お風呂前の日課になっています。

本書では、デーモン閣下が本来の悪魔の姿で解説をなさっています。内容は極めてマジメなんですが、ところどころで閣下が紙面に登場してきて独特のシュール感があります。長女曰く「白い人」。いや、悪魔だよ。巻末のプロフィールにもそう書いてある。

分厚い本ではないですが、二巻構成になっています。第一巻は土俵や力士、取組のシステム面、第二巻は歴史や名勝負などのストーリー面が中心。写真やイラストが豊富で、子どもにもわかりやすいです。

どちらも興味深く、自分が知らなかった奥深い世界に触れることができました。お風呂前の長女との取組でも、四股を踏んだり、手刀を切って懸賞金を受け取ったり、ディテールがやたら細かくなりました。

本稿では、本書からの学びを簡単に3つ共有します。雑学程度で。



① 取組相手は、前日の会議で決める

本場所の取組は総当たりではなく、一定のルールに基づいて日ごとに決定されます。場所が始まる2日前に、初日と2日目の取組が発表され、3日目以降は前日に発表されます。同じ部屋の力士や、兄弟・親戚とは対戦させません。基本的には実力が近い相手と組まれますが、場所中の戦績がいいと、後半で上位力士と当たることも。

こういうアナログな会議を見ると、システム化・AI導入を考えたくなってしまうのは職業病ですね。階級と直近の戦績をもとに各力士にポイントを振って、対戦できない力士を設定して、ポイントが近い力士を対戦させる。対戦結果によってポイントを変動させ、次の取組を決める、みたいな。



② 階級によって、細かい服装規定がある

髷や廻しだけでなく、足袋や外套、羽織など、土俵外の服装にも規定があるそうです。序の口・序二段のうちは、季節や場面を問わず、部屋名が入った浴衣(お仕着せ)を着用します。かつての職場の近くに相撲部屋があって、真冬でも浴衣で歩いているのを見たことがありますが、服装規定があったからだと理解しました。

力士だけでなく行司にも階級があり、軍配の房の色が決まっていたり、足袋を履けなかったりします。最上位の立行司は、結びの一番だけをさばきます。その下に三役格や幕内格などがあり、自分より上の階級の力士の取組はさばけないことになっているそうです。階級制度がカッチリした、独特の世界ですね。



③ モンゴル出身横綱は、2003年から

現在の相撲界ではモンゴル出身の力士が大活躍しているイメージですが、横綱昇進は2003年の朝青龍が皮切り。意外と最近(でも20年前)だなと感じました。朝青龍のあとに白鵬、日馬富士、鶴竜とモンゴル出身横綱が続きました。

世の中のグローバル化にともない、相撲もダイバーシティな方向に進んでいくのかもしれない、と思います。朝青龍以前でも、ハワイ出身の曙・武蔵丸が横綱になっています。琴欧州や把瑠都など、ヨーロッパ出身の力士も話題になりましたね。培われた伝統を守りつつ、ワールドワイドな「SUMO」として、これからどんな進化を遂げるのかが楽しみです。



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