そんな予想外な人生こそきっと
学ぶということは、自分の中に自信を付けさせる。心理学の勉強がはじまり、色々な角度から知識を得始めたところだが、自分の中に欲しかった、「この言葉の根拠が欲しい」ということがすらすらと紐解かれていく爽快さ。
常日頃から抱く人間の行動への疑問が科学的に証明されていくというのはなんて気持ちがいいのだろう。改めて、学べるということに感謝の気持ちが沸き起こる。
まだまだ学びは始まったところだ。しかしこの短期間で既に一つの疑問の答えが出たり、わからなかったものが明確になったりと面白い。
「面白い」には色々な種類があると、以前に誰かが言っていた。
腹を抱えて笑うのも面白いだ。そして、知的好奇心を高める、知識を得ることも、同じ「面白い」という分類になる。
私のような奇特な人間の考えを日々観察することも、もしかしたら面白いと感じている人がいるのかもしれない。
色々な「面白い」がある中で、私は確かに学ぶことに面白さを感じている。この面白さはもしかすると、若い頃には感じられなかったかもしれない。
今だから、今の私になっているからこそ、面白く感じ、有益な時間に感謝をする。勇気を出した挑戦は、想像以上に得るものが多かった。まだ数日学んだだけなのに、入ってくる情報は私の脳がまるで整頓されていくようだ。
色々な選択肢があって、それが学生時代に思い浮かぶかと言えば…あの頃の私では思い浮かばなかったのではないか。
あの頃、この歳になってまた学びを始めると想像がついただろうか。きっと、つかなかったに違いない。学生時代の私は、この歳の私がどう過ごしていると想像しただろうか。こんな生活があるなんて、こんな希望があるなんて、想像すらできなかったのではないだろうか。
何も不安はない、若さゆえの自信というものを社会に出てどんどんとへし折られ、人間関係についても見直し、色々な地獄を見ての「今」だ。絶望しか見えなかった数年前からの私も、この今の私は夢物語のように思えたことだろう。
小さな声で「助けて」と言った。
その声が届き、今がある。多くの問題が山積みで大きな大きな壁になっていたが、まず目の前にあるものとひとつずつ、ひとつずつ向き合いはじめた。そして、長い長い時間をかけ、それらは解決に向かい、私は次の問題にとりかかっていく。
天国から地獄に転落し、そしてまた這い上がってここまできた。突然怖い記憶が蘇り、泣き叫ぶことも、まだある。しかし壁を這い上がり傷だらけ血だらけの指先には、今は綺麗な花のネイルが施されている。
人生は、奇想天外だ。
だけど目指す先は「幸せ」それだけだ。そのために色々な変革があり、受け止め、成長し、学んでいく。そうすると今までの自分が驚くような毎日へとどんどんと変化していく。
そんな予想外な人生こそきっと、「面白い」のだろう。
山口葵
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