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私の貧血のお話

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夏休みの終わりに突然の激しい動悸が……救急車で搬送してもらい、重度の貧血と診断され入院した時のお話です。
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私の貧血のお話①

私の貧血のお話①

夏休みも終わりが見えてきた土曜夜の出来事だった。

その日の午後は、次男とキックボクシングジムへ。

2分間の縄跳び×2セットから始まり、腹筋やバーピージャンプなどの筋トレ各種、ストレッチ、最後はトレーナーとのミット打ち。
週末の子どもとの楽しみである一時間半。

ジムを終えて帰宅。
お風呂の後は、暑さに耐え切れず缶ビール1缶。
台所で飲みながら餃子を大量に焼いた。

夜ごはんの焼きたて餃子に、家

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私の貧血のお話②

私の貧血のお話②

①の続きになります。

駐車中の救急車に着くと、車内のベッドに横になるように言われた。靴のまま。

「靴、脱がないでいいのですか?」
「はい、そのままで」

血圧、脈拍、体温、そして心電図をとる器械が身体に着けられた。

行動、飲食したもの、飲んだ薬、身体に起きたことを時系列で伝える。

渡した「お薬手帳」から現在飲んでいる薬のことや、今まで飲んだ薬のこと、アレルギー有無などの確認。

「あの、本

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私の貧血のお話③

私の貧血のお話③

②の続きなります。

救急車のストレッチャーから病院内救急の診察台へ。

「自分で移れますか?」

「はい、出来ます」

「ゆっくりでいいですからね」

身体を横たえると直ぐに、指先や胸には幾つかの器械が取り付けられた。
全く無駄のない、流れるような動き。

左腕には点滴。

「病院に行きましょう」と言ってくれた救急隊の方が、病院の先生と話しているのが見える。

ここまで運んで来てくださった救急隊

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私の貧血のお話④

私の貧血のお話④

③の続きになります。

「健康診断は受けていらっしゃいますか?」
先生に聞かれた。

毎年受けてはいる。

それは夫の会社の扶養家族用のもので、生活習慣病を見つけるための内容だった。
一般的な健康診断ではないと思う。

採血し血液検査もあるのだが、そこの項目は血液全般(血算)ではなくてと……先生に話した。

確か中性脂肪、コレステロールだとか、肝機能のもの、γナントカだとか、そういうものだけです、

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私の貧血のお話⑤

私の貧血のお話⑤

④の続きになります。

「小球性貧血」というのが、入院時の診断名だった。

noteのお友達ゆうゆうさんが書かれた記事がとても分かりやすいので、ぜひこちらを読んでいただきたい。

貧血があると、動悸や息切れ、めまい、立ちくらみなどの自覚症状があると思う。

私にもこれらはあった。(加齢や更年期だからと思っていた)

・動悸がする。(ドキドキドキドキ程度でおさまっていく、ドキッと一回だけ)

・階段

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私の貧血のお話⑥

私の貧血のお話⑥

⑤の続きになります。

病院では、口頭での説明を受け、渡された書類を読み、同意書にサインをした。

家族の検査、治療、入院のたびにそうだったことを思い出した。

ベッドサイドの机に重なっていく用紙を見ると、今度は私にその番が来たと思い知らされる。

輸血は病室で、私はベッドで寝たままで行われた。

循環器内科の先生ふたり(そのうちひとりは昨日から診てくれている先生)と看護師さん。

みんな、若いな

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私の貧血のお話⑦

私の貧血のお話⑦

⑥の続きになります。

婦人科の初診で、問診票をきっちりと埋めるのには時間がかかる。
書かなきゃいけないことがたくさんあるからだ。

どの診療科でもそうだと思うが、婦人科の場合、現状や直近の経過だけではなく、過去が必要になったりする。

日にちや数字が必要だから、その場で思い出すだけでは書けないこともある。

救急車に乗る時に、日記のように使っている手帳を持ってきていたので、それを見ながら問診票を

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私の貧血のお話⑧

私の貧血のお話⑧

⑦の続きになります。

入院中は、毎日採血をした。

輸血と朝晩の鉄剤の服用の効果が出て、ヘモグロビンの数値は順調に回復してきた。

いちばん最初に救急で診ていただいた先生は、毎日顔を見せにきてくれた。

「どうですか?動悸がするとかめまいとかはないですか?」
「数値、良くなってきてますよ」
「場合によってはもう一回輸血した方がいいかなぁと思ってましたが、この経過なら、しなくていいです」

先生、

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私の貧血のお話⑨(最終話)

私の貧血のお話⑨(最終話)

⑧の続きなります。

たった4日間の入院で
(病院の救急に着いた日はカウントせず。日付けが変わってから入院)
こんなに弱ってしまうとは……。

心底トホホな気持ちだった。

外科的な処置や手術をした訳ではなく、ほとんどがベッドで安静にしていただけなのに。
しかも上げ膳据え膳。

たっぷり休養できたはずなのに、家のスピードとリズムについていけない。

「お母さん、輸血して治ったんだよねー!」
「もう

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