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【連載】難病SLE患者が大腸憩室炎をこじらせた闘病記(7)喜びの帰宅。でも、大変な事が待っていました。

話は2年前。9月中旬に入院、10月21日に手術して、11月4日に退院できました。やっとの思いで、退院して家に辿り着きましたが、大きな手術をして、私のお腹には小腸にイレオストミーという人工肛門(ストマ)がついていました。

https://note.com/asumosmilecocoro/n/n81705c5b3fcc?magazine_key=m18191d7ab30a


体もゲッソリ。
小学生以来の30kg台まで体重が落ちてしまっていました。

この闘病で、体は変わってしまったけど、

「もう、家に帰ることができないのではないか……」と、

何度も何度も感じていたことを思えば
生きて家に帰れた喜びは、ものすごーく大きかったです。家の暖かさにどれだけ癒やされたか。

退院→喜びの帰宅。でも、大変な事が待っていました。

久々の家に帰るにも、病院から車で揺られて1時間ぐらい。家に辿り着いたら、ぐったりです。すぐにパジャマに着替えて、ベッドに横になりました。

あったかい~

ふわふわ~

幸せ~

家のベッドの心地よさはたまりません。

しかーしっ!

一度、横たわると起き上がれない・・・
病院のベッドは電動リクライニング+手すり付きでしょ。我が家のベッドは、電動じゃない普通のタイプ。手すりもない。
お腹をバッサリとメスで切っているし、腹筋はどこかへいっちゃった。
まったく、お腹に力が入らない体を持ち上げるのは大変でした。

退院後の一番の悩み

大変な事は続きます。

前回の連載(6)で退院後に、大変な事が・・・と、予告していましたが、イレオストミーという人工肛門についているパウチを、自宅では相談できるナースもいないから、自分一人で、なんとかしないといけない。2~3日に一度はパウチ交換が必要でした。
それが、
私が退院を急いだために(なぜ、退院を急いだのか?は連載の前の方を読んで頂きたいです)、人工肛門がまだ落ち着いて無くて、手術後、腫れていた人工肛門(の部分の小腸)が、日にちがたつにつれて、ジワジワと腫れがひいてきて、サイズが変わってきてしまったのです。

すると、パウチが外れ気味になったり、

つけにくかったり、

あぁ、もう大変。

冬だし、寒いし、お腹を出したまま、なれないパウチ交換に悪戦苦闘で大変でした。

パウチがうまくついていないと、お腹の皮膚がただれてしまうのです。

真っ赤になってきてヒリヒリ痛いし、その傷口から感染しないか心配だし、排液が漏れたら大変だから、寝てても心配で安眠できないし、

あぁ・・・。ふぅ。

手術する前に

「小腸の人工肛門は、管理が難しいからねぇ・・・」と、

何人かの医師たちから予告されていたことを思い出していました。

小腸から出る排液は、水っぽいんです。
だから管理が難しい。とのこと。

「あぁ、やっぱり難しい。こんな状態で、ずっと生活でけへん(涙)

これから、どうなるんやろう・・・、

お腹の皮膚が化膿してグズグズになって大変なことになるんちゃう・・・。

私は抗生物質あまり使われへんのに(<薬アレルギーなのです)、どうしよう・・・、あぁ」

と、お先真っ暗で、
毎日、24時間ストマの事で頭がいっぱいになりそうなぐらい不安を抱えながら、どうにかこうにか1日、1日を過ごしていく感じでした。そして、
ようやく退院後2週間がたち、

「ストマ(人工肛門)外来」という専門外来の予約の日が、やっとやってきました!

私の通院している病院には、幸い「ストマ外来」があり、専門ナースが外来で相談にのってくれるのです。

それで、困りすぎた私は、2週間も待てなくて、その専門ナースに電話で状況を伝えて相談してたのですけど(退院時に困ったら電話して!と言われていたので)、

電話ではあまり改善できず、外来の日を心待ちにしていたのです。

外来診察では、専門ナースが診察室でパウチ交換をしてくれてストマの状態をチェックしてくれました。

少し赤くなって皮膚がただれてしまっていたのですが、専門ナースは、「これぐらいは全然平気!うまくできてるよ〜」って余裕の表情を見せて、安心させてくれて

そして、

ナース「やっぱり退院が早かったのよねぇ。ちょっと心配してたのよ」と。

本来なら、ストマの腫れがひいてサイズが落ち着いてから

違うタイプのパウチに替えて、

そして退院!

そうすると、そんなに苦労しなくて良かったらしい・・・

その説明を聞いて、専門ナースにとっては想定内の状態だったことがわかり、

私「ま、一日でも早く家に帰りたかったから、この2週間めっちゃ大変やったけど、でも、解決できるなら、まぁいいや!」

と、不安が飛んでくれました。

それで、お試しで「新しいタイプのパウチ」に、専門ナースが付け替えてくれて帰宅。

すると、いままでの苦労がなんだったのか・・・というほど、
ぴったりしっくりきて、その後は、私自身でのパウチ交換もどんどん上達し、準備から片付けまで入れると小一時間ぐらいかかってたのが、10分ぐらいでできるようになって、なんの問題もなくなりました。

パウチが自分の体の状態にあったものを使わないと、ものすごく苦労する。と、学びました。

退院後の苦労は、この問題が一番大きいものでした。


食事について。

手術するまでは、激しい腹痛で、ほとんど食事が摂れない状態でしたが、

人工肛門にしてもらったことで、ゴハンが美味しく食べられるようになりました。とはいえ、少しだけ「食事制限」がありました。

なんの制限かと言うと、意外に思われるかもしれませんが、

「食物繊維の多い物はあまり食べないこと」

・海藻類
・キノコ類
・その他野菜とか

野菜類は、なんでも皮を剥き、繊維を断ちきるように小さく刻んで調理するようにいわれ、気をつけていました。

普通の体の時は、「食物繊維は摂った方がいいよ!」と、よく聞くでしょ。便秘解消や、ダイエット、美肌とかにいいと。

「食物繊維は、努めて食べなあかんっ!」と、ずーっと思っていたのに

手術してからは、「食べるな」と言われ、かなり変な気分でした。

あとは、

・餅
・さつま揚げ、ちくわ等の練り物
・豆、コーンなど形をそのまま食べるもの

ぐらいだったと思います。カレーとか刺激物もOKでした。

人工肛門になって良かったことは、どんどん食べても太らない!(<良いのか、悪いのか・・・。栄養摂れてないんちゃうん?)

私は、25歳というお年頃からSLE(全身性エリテマトーデス)という難病が発症し、それから大量のステロイドを飲んで、副作用でガンガン太る(むくむ)、、、という体になってしまい

若い女性なのに、おしゃれもできず、
鏡を見るのもツライ生活に耐えていたので、いつも食べ過ぎないように気をつけていたのですよね。

だから、

人工肛門になってから、食べたいだけ食べても太らないのは、精神的には、とっても気持ちが軽くなり、ストレス解消になりました。

小腸に人工肛門がついているので、食べたものが、大腸を通過しないので、太らないみたい。太りやすい人は、便秘解消できたらそれだけでもけっこう減量になるのではないかな!と思いました。
お試しあれ~。


退院後わずか4日で救急搬送・・・


さて、話が戻りますが、11月4日に退院したのに、
実は、11月8日朝6時。
私は深夜から猛烈な痛みに襲われて、朝まで我慢したものの、耐えきれず
救急車を呼んで、4日前まで入院していた病院へ搬送されたのでした。

まさか、手術したところ大腸が、どうにかなったのか・・・
また再手術とかなったらどうしよう・・・

とか、不安がよぎりましたが、
痛くてたまらないけど、救急搬送されながら、なんとなく「今回は、家に帰れそう」な気分が沸いていました。ぼんやりした、根拠のない、自分の中でのふんわりした思いでしたが。

救急についたけど、朝6時はまだ当直医しかいなかった。救急専門医ではなくて、内科の若い先生でした。
私は痛みにもだえながら診察してもらいましたが、血液検査では、肝臓あたりの値が少し揺らいでいるぐらいで目立った異常がない。

激痛を抑えるために痛み止めの点滴を打ってもらい、しばらくすると痛みが治まってきました。

腹部エコーで、胆石があることが確認されるが(元々、私自身では胆石あることを知っていたので驚かず)

胆石が詰まっている様子はない(胆嚢炎までにはなってない)

ということで、

当直医は「痛みも落ち着いてきたようだし、様子見ましょう」と。

原因はハッキリしないけど、私は、痛みを抑えてもらったことだし、早く家に帰りたいし(入院は、もうこりごりだったので)

救急搬送された時の「パジャマ+スリッパ姿」でタクシーに乗りこみ、再び家に帰りました。

それからも激しい痛みは、何度も繰り返し、その都度、痛み止めのカロナールなど飲んで、ごまかしていました。退院後、すぐに外科、内科、と外来診察があったので、その都度、複数の医師たちに、その激痛について何度も伝えていたのですが結局、原因不明のままでした。

その痛みは緩くなったり、激しくなったり、痛みの発生する間隔があいたりしながらも、なんと、2022年の夏まで9ヵ月間ぐらい続くのです・・・涙。

今でも原因はハッキリしませんが、「アレ」が大きく関わっているのではないかな・・・と、思うこともあります。

2022年夏にERCP(内視鏡手術)をしてもらい、その術後が落ち着いてからは現在はその痛みは感じなくなっています。

さて、大腸憩室炎の手術後に「大変だったこと」が、

いっぱいありましたが、

人間の体はすごい!エライ!

いろいろありながらも、乗り越えていってます。


なお、私のイレオストミー(人工肛門)は、私がSLEの治療のために、長年のステロイドユーザーだったため、手術した大腸がひっつかない恐れがあったためにつけたもので、持病がなかったりステロイドを使っていない患者さんは、人工肛門にならないですむと思います。

それに、大腸憩室炎で手術するほど悪化することも少ないようです。

でも、私みたいにこんなにひどくこじらせるケースもあるし、ステロイドユーザーは、憩室炎も悪化しやすいようなので、憩室炎の疑いを持ったら、早めに病院行って、検査してもらって治療した方が、こんな目にあわずに治ってくれると思います。

あまり我慢しないでくださいね。

そして、私の場合も、大腸を休ませて手術した腸がしっかりとくっついた頃にイレオストミーを閉鎖する予定でした。大腸憩室炎の手術の一環として、このイレオストミーは、一時的な処置だったのです。

だから、次はイレオストミーを取り去る手術が待っていました。
そのお話はまた今度に。


長いお話になりましたが、読んで頂きありがとうございました。
大腸憩室炎は珍しくない病気のようですが、私のようにこじらせて手術しか手立てがないような状態になってしまう事は珍しいようなので、私の経験をお知らせすることで、いま同じような状況で、心細い思いをしている方のお役に立つこともあるかもしれないと思い詳しく書きました。

また、大腸ガンなどで人工肛門になる方も少なくないそうです。ストマ、イレオストミーについて不安を持たれている方にも、不安を少しでも和らげるような情報がありましたら幸いです。


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ほぼ実話の小説です
『救命率2%未満』山中まる著>


そして、
この小説の元になった闘病の一部はブログ記事に投稿しています
今日は「救急の日」*【高度救命救急センターに運ばれる直前の話】



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