不動産オーナーのための保険スキル

損害保険協会認定・損害保険トータルプランナー、2級ファイナンシャル・プランニング技能士…

不動産オーナーのための保険スキル

損害保険協会認定・損害保険トータルプランナー、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。大手乗合保険代理店所属募集人31年目 ご相談、お問い合わせは https://twitter.com/hyperatom0509

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  • 火災・自然災害から資産を守る 大家さんのためのリスク対策講座

    これだけ知れば安心、有効活用したい火災保険 ・ここ数年、集中豪雨による河川の氾濫が日本列島を襲う事態が毎年発生している。思わぬ場所で自然災害が発生している昨今、火災保険をどう活用していくかが安定した不動産経営には非常に重要となっており、その活用方法を紹介します。

記事一覧

住宅向け火災保険の修理・復旧義務のその後

火災保険金請求制度を悪用した「不正住宅修理業者」対策として、2022年10月火災保険改定時より建物の保険金請求には修理・復旧義務が約款に明記された。 事故から2年から3…

住宅の火災・地震保険金請求時に冷や汗! 契約内容間違いのあれこれ

契約を慎重に行ったにもかかわらず、事故が発生し保険金請求する際に保険会社から契約内容間違いを指摘されることがあります。 そんな事例をいくつかご紹介します。 1. …

あらためて地震保険の再確認

2024年1月1日発生の能登半島地震により大きな被害が発生しました。 犠牲となられた方々に心よりお悔み申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。…

築50年超古民家の火災保険の事前引受申請が必要となる

2023年5月から大手損害保険会社の1社が築50年超建物火災保険の新規契約に際し、物件写真や過去のメンテナンス履歴、カーポートの形状等を保険会社に事前申請し許可を得…

入居者による建物付属エアコンや照明器具の持ち去り事件

賃貸物件オーナーから家賃滞納により強制執行された賃借人が、建物内部のエアコンや照明器具、ランドリーボックスを勝手に持ち去った事案の報告を受けました。 契約は建物…

住居清掃中の建物・家財の破損は補償されるか?

住居を清掃中に建物や家財を破損させてしまうことは珍しくありません。 エアコンや換気扇の清掃時に機器の取り外しやテレビを清掃中にテレビ台から落として壊れたケースの…

オーナー社長個人所有建物でオーナー法人企業が商売をしている場合の火災保険契約の盲点

中小企業オーナー個人所有の建物で自身が経営する法人が商売をしているケースが多々あります。 建物火災保険や設備什器・商品の火災保険は契約していても賃貸人(オーナー…

まだ間に合う 火災保険見直し!

2022年10月の火災保険大規模改定まであとわずか。 不動産賃貸業の方は火災保険の確認をオススメします。 特に築古、1棟物件は補償内容や保険料で大きな変更となり、コスト…

2022年10月火災保険改定

2022年10月に火災保険の大きな改定が予定されています。 大手損害保険会社4社からその概要がリリースされました。 詳細な保険料は7月末ごろまでは計算できませんが、不動…

自動車保険の上手な契約方法 ③車を追加購入した時には車両入替で保険料がお得に!

新しく購入された車を等級が高い(割引率が高い)契約に入れ替え、現在のご契約の車を新規契約として加入すると、2台分の合計保険料を安くすることができる場合があります…

自動車保険の上手な契約方法 ②セカンドカー割引

自分自身や同居の家族の自動車保険が11等級以上の場合、新たに車を購入し自動車保険に加入される場合はセカンドカー割引が利用できます。 通常新規に自動車保険に加入する…

地震保険の区分所有建物(分譲マンション)の専有部分(戸室)の損害認定方法

最近、全国で地震が頻発しており、「令和4年福島県沖地震」では多くの被害が確認されています。 区分所有、いわゆる分譲マンションでの地震被害の場合、地震保険金支払い…

自動車保険の上手な契約方法 ①ノンフリート多数割引

都心部の不動産オーナーは公共交通機関で移動する事が多いかと思いますが、地方在住オーナーは車が移動には手放せないと思います。 そこで自動車保険の上手な契約方法をシ…

改正個人情報保護法とサイバーリスク

2022年4月に改正個人情報保護法が施行されます。これにより不正アクセスによる情報漏洩時の報告や本人通知が義務化されるなど、サイバー攻撃に対してより厳格な対応が求め…

2022年10月地震保険料改定

地震保険の始期日(中途付帯日・自動継続日を含みます。)が2022年10月1日以降となるご契約より、保険料改定が実施されます。 全国平均では▲ 0 .7 %の引下げであり、全…

10年火災保険売り止め 2022年10月改定

最近、大手損害保険会社から2022年10月火災保険改定実施がリリースされた。 既にリリース済みの同時期の地震保険改定も含めて、不動産オーナーはコストアップ可能性大との…

住宅向け火災保険の修理・復旧義務のその後

住宅向け火災保険の修理・復旧義務のその後

火災保険金請求制度を悪用した「不正住宅修理業者」対策として、2022年10月火災保険改定時より建物の保険金請求には修理・復旧義務が約款に明記された。
事故から2年から3年の間での修理・復旧が保険金支払いの要件となった。
善良な契約者にとってなかなか面倒な規定であるが、実務上はどうなっているのか。

弊代理店扱いの保険金請求に関しては、改定以前と特に大きく変わった保険金支払い運用を受けたことはない。

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住宅の火災・地震保険金請求時に冷や汗! 契約内容間違いのあれこれ

住宅の火災・地震保険金請求時に冷や汗! 契約内容間違いのあれこれ

契約を慎重に行ったにもかかわらず、事故が発生し保険金請求する際に保険会社から契約内容間違いを指摘されることがあります。
そんな事例をいくつかご紹介します。

1. 所有者が違っていた
保険金は契約者ではなく所有者が請求し所有者に支払われます。
建物が本来は共有だが一人の所有とされていたり、年金生活者の親の所有だが保険契約者である現役世代の子供の所有とされていたりする等。

2.

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あらためて地震保険の再確認

あらためて地震保険の再確認

2024年1月1日発生の能登半島地震により大きな被害が発生しました。
犠牲となられた方々に心よりお悔み申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。被災地域のみなさまの安全確保、そして一日も早い復旧・復興を衷心よりお祈り申し上げます。

ここであらためて地震保険について解説します。

1. 「居住用の建物」のみ契約可能
居住している「建物」およびそこに収容されている「

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築50年超古民家の火災保険の事前引受申請が必要となる

築50年超古民家の火災保険の事前引受申請が必要となる

2023年5月から大手損害保険会社の1社が築50年超建物火災保険の新規契約に際し、物件写真や過去のメンテナンス履歴、カーポートの形状等を保険会社に事前申請し許可を得る事が必要となります。

保険金査定時にはグーグルマップストリートビューを保険会社は活用していましたが、おそらく今後は契約引受判断にも利用してくるでしょう。

従来のように保険代理店へ契約申込すれば、即日保険開始する事はできなくなります

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入居者による建物付属エアコンや照明器具の持ち去り事件

入居者による建物付属エアコンや照明器具の持ち去り事件

賃貸物件オーナーから家賃滞納により強制執行された賃借人が、建物内部のエアコンや照明器具、ランドリーボックスを勝手に持ち去った事案の報告を受けました。

契約は建物のみなので、まず家財となるランドリーボックスは補償対象外。

エアコンと照明器具は補償対象になるか否か?

保険約款で記されている「盗難」は建物外部から不法侵入しモノを窃取したケースを意味しています。

今回は入居者が持ち去っているため「

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住居清掃中の建物・家財の破損は補償されるか?

住居清掃中の建物・家財の破損は補償されるか?

住居を清掃中に建物や家財を破損させてしまうことは珍しくありません。

エアコンや換気扇の清掃時に機器の取り外しやテレビを清掃中にテレビ台から落として壊れたケースの保険金請求もよく目にします。

建物および家財に破汚損補償があるとこういった偶然な事故の場合は保険金支払いの対象となる事が多いです。

しかし、大手損害保険会社4社の中でも「清掃中」の事故は「免責」で「保険金はお支払いできません」と明確に

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オーナー社長個人所有建物でオーナー法人企業が商売をしている場合の火災保険契約の盲点

オーナー社長個人所有建物でオーナー法人企業が商売をしている場合の火災保険契約の盲点

中小企業オーナー個人所有の建物で自身が経営する法人が商売をしているケースが多々あります。

建物火災保険や設備什器・商品の火災保険は契約していても賃貸人(オーナー個人)と賃借人(オーナー法人企業)間の賠償保険契約を結んでいるケースは滅多に見ることはありません。

オーナー個人とオーナー経営法人企業は一心同体なので、相互間の賠償など不要だと考えられている事が多いようです。

しかしながら火災保険契約

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まだ間に合う 火災保険見直し!

まだ間に合う 火災保険見直し!

2022年10月の火災保険大規模改定まであとわずか。
不動産賃貸業の方は火災保険の確認をオススメします。
特に築古、1棟物件は補償内容や保険料で大きな変更となり、コスト負担も増大します。
私担当の不動産賃貸業者が契約者となっている火災保険契約約200件超の見直し提案を行い、約80%の火災保険契約を巻き直し(中途更改)する事となりほぼ手続きが完了しました。
以下はその見直し提案の一部です。
ご参考と

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2022年10月火災保険改定

2022年10月火災保険改定

2022年10月に火災保険の大きな改定が予定されています。
大手損害保険会社4社からその概要がリリースされました。
詳細な保険料は7月末ごろまでは計算できませんが、不動産賃貸オーナーはコストアップと補償内容削減からは避けて通れないようです。

<大手損害保険会社4社に共通する主な改定ポイント>
①全般的には保険料値上げ
過去10年間のほとんどの年度で保険会社の収支は赤字(保険料−保険金=赤字)とな

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自動車保険の上手な契約方法 ③車を追加購入した時には車両入替で保険料がお得に!

自動車保険の上手な契約方法 ③車を追加購入した時には車両入替で保険料がお得に!

新しく購入された車を等級が高い(割引率が高い)契約に入れ替え、現在のご契約の車を新規契約として加入すると、2台分の合計保険料を安くすることができる場合があります。

子供さんが新たに購入した車を新規にセカンドカー割引で契約すると割引率はさほど高くありません。

保険料イメージ例)
7等級 34%割引 年間保険料 200,000円

家族の車(等級が高い契約)の契約と入れ替えると
子供さんの車(新し

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自動車保険の上手な契約方法 ②セカンドカー割引

自動車保険の上手な契約方法 ②セカンドカー割引

自分自身や同居の家族の自動車保険が11等級以上の場合、新たに車を購入し自動車保険に加入される場合はセカンドカー割引が利用できます。

通常新規に自動車保険に加入する場合、6S等級で4%割増保険料になるところ、セカンドカー割引が適用できると7S等級の34%割引で契約できます。

保険料イメージ例)6S等級 保険料104,000円 → 7S等級 保険料66,000円

名称はセカンドカー割引できますが

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地震保険の区分所有建物(分譲マンション)の専有部分(戸室)の損害認定方法

地震保険の区分所有建物(分譲マンション)の専有部分(戸室)の損害認定方法

最近、全国で地震が頻発しており、「令和4年福島県沖地震」では多くの被害が確認されています。

区分所有、いわゆる分譲マンションでの地震被害の場合、地震保険金支払い査定ルールが戸建て建物とは以下の点で異なりますので注意が必要です。

区分所有建物の専有部分の損害認定は、建物全体(共用部分)の認定によります。ただし、専有部分について認定された損害区分が建物全体(共用部分)の損害区分より高い場合には、当

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自動車保険の上手な契約方法 ①ノンフリート多数割引

自動車保険の上手な契約方法 ①ノンフリート多数割引

都心部の不動産オーナーは公共交通機関で移動する事が多いかと思いますが、地方在住オーナーは車が移動には手放せないと思います。

そこで自動車保険の上手な契約方法をシリーズで記します。

保険料水準は代理店型やダイレクト型で異なりますが、これから記す方法はいずれにも共通する内容です。

・ノンフリート多数割引

車を2台以上持っている、または、これから2台目・3台目を持つ予定の方は、まとめて同じ保険会

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改正個人情報保護法とサイバーリスク

改正個人情報保護法とサイバーリスク

2022年4月に改正個人情報保護法が施行されます。これにより不正アクセスによる情報漏洩時の報告や本人通知が義務化されるなど、サイバー攻撃に対してより厳格な対応が求められるようになります。

不動産賃貸業においても多様な個人情報を取り扱います。個人事業レベルの大家だから自分には関係ないではすまなくなります。賃貸管理に使用するパソコンやインターネット環境からの情報漏洩はもとより、アナログ的管理をされて

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2022年10月地震保険料改定

2022年10月地震保険料改定

地震保険の始期日(中途付帯日・自動継続日を含みます。)が2022年10月1日以降となるご契約より、保険料改定が実施されます。

全国平均では▲ 0 .7 %の引下げであり、全国的に引下げとなる地域が多くなっています。ただし、都道府県、構造によって改定率は異なりますのでご注意ください。

契約内容によっては2022年10月以降も改定後保険料の適用を受けない場合もあります。

お問い合わせは ehok

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10年火災保険売り止め 2022年10月改定

10年火災保険売り止め 2022年10月改定

最近、大手損害保険会社から2022年10月火災保険改定実施がリリースされた。

既にリリース済みの同時期の地震保険改定も含めて、不動産オーナーはコストアップ可能性大との観点から情報を把握しておいた方が良いと思う。

火災保険改定の一番のポイントは最長保険期間の見直しである。

現在の最長10年から5年に保険期間が制限される。

この影響で長期一括払いによる保険料割引のメリット削減や更新手続き時の保

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