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『ずかん・じどうしゃ』 憧れのかっこいい車たちの絵本

今年の春前に、絵本『ずかん・じどうしゃ』の絵が使われ槇原敬之さんのニューアルバム「Design & Reason」が発売になりました。絵本の出版元の福音館のツイートで知りなんとも嬉しい気持ち。勤めていた幼稚園の受け持っていた部屋では、本棚に欠かせない一冊でした。

物語ではなく乗り物図鑑。本当に眺めて楽しい嬉しい絵本です。
私たちの周りの自家用車や働く車、身近な車がとても精密に表現されて      います。道路で見かけるかっこいい車がこの本の中にはいっぱい。    小さな子どもにも夢中になるものがあって、特に男の子は乗り物が大好き です。こんな働く車たちに町の道路で会うと、見とれてしまう子どもたちがいました。

描かれている車はレトロな感じですが、このバスたちなんだかとってもいいですよね。初版が1977年の作品なので、今では描かれている車のかたちもだいぶ変わりましたがレトロな車たちの絵には魅力があふれています。
現在70刷以上なので、時代が変わっても子どもたちに長く愛されている絵本の一つです。車に詳しい男の子はもちろん、よくわからない女の子でも(大人の私も)これはこう呼ぶのか、こんな風になっていたのかとじっくり観るとなかなか面白い。

子どものすごいのは、大好きなものだと文字を読めなくても音であっという間に名前を覚えてしまう事。小さな博士です。大好きなものをながめるのって幸せなんですよね。
この本を開いて観始めると、入園したばかりの時期など涙のとまらない男の子も、いつの間にか「あっ、パトカーだ!シャベルカー!これはバスだよ。」と夢中になってきらきらしたいい表情、笑顔になります。
沢山助けてもらった。魔法の絵本。(小さな子どもの頃から男の子は、車や乗り物が好きですね。)

作者の山本忠敬(やまもとただよし)さんは、挿絵やアートデレクターとしての活動と共に乗り物の絵本作家として沢山の作品を出されています。
まっすぐな気持ちいい線が生きた図鑑絵本は、車を中心に電車など。
物語絵本では、渡辺茂男作のしょうぼうじどうしゃじぷたとらっくとらっくとらっく、小出正吾作ののろまなローラーなどで、美しいデザインが生きた表現をしています。
平成15年に亡くなられており、乗り物新時代 山本さんの描く現代の新幹線などの図鑑絵本を観てみたかったなぁと残念な気持ちです。


             ずかん・じどうしゃ   山本忠敬  作 絵
             福音館書店 1977年 こどものとも年少版発行
                     1981年 福音館幼児絵本発行



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