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創造的思考力を鍛える - 価値創造人材育成プログラムに通ったリフレクションノート後編

イノベーション、ビジネスデザイン、サービスデザイン 、UXデザイン、アートなどの領域で第一線でご活躍されている先生方が、市ヶ谷の武蔵野美術大学造形構想学部クリエイティブイノベーション学科で、社会人向けの履修プログラムを開講。
前半のアートの講義のリフレクションは下記にまとめています。

今回は、後半の創造的思考力の実践演習として、チームで取り組んだワークについて紹介します。

  1. 課題を設定する

    1. チームで取り組むべき身近な課題の探索と発見を目的とした講義およびワークショップ

  2. 視座を創造する

    1. パーパスに関する講義およびワークショップ
      自分たちがなぜそのテーマに取り組むのか、理由を言語化し、またメンター(デザイナー/アーティスト)へのオリエンテーション資料を作成

  3. コンセプトを開発(メンター参加)

    1. コンセプト開発についての講義およびワークショップ
      用意したプレゼンテーションを用いて共同ワークのメンターが参画し、メンターとともにコンセプトを開発

  4. 現実への展開をする

    1. プレゼンテーションについての講義
      開発したコンセプトをベースに最終プレゼンテーションに向けた準備を行う。

  5. プレゼンテーション

という流れで進んでいきます。


課題を設定する

チームメンバーそれぞれ、身近な課題を持ち寄り、どんなテーマをやっていきたいかを対話をしていきます。前段のアート回での「観察力」や「批判力」が活きていきます。

👉創造的な良い「問い」とは
対話が弾み、自然と未来のビジョンが描けるもの。
対話:心理的安全性が担保された状態で新たな意味づけを行うための話し合い
議論:合意形成や意思決定のための話し合い

小さな問題から大きな問題、当たり前すぎて気づかなかったけどあるあるな問題。たくさん出てきた中から、「未知だけどやりがいがある領域!」と選んだのが

  • 身近な(ご近所との)”いざというときに”助け合いの関係

  • オンラインでの繋がりばかりでリアルで万が一のことがあったら?

  • 「文化」や社会システムとして社会全体で子育てするには?

  • ソフトでもハードでもNeighbarhood Design

といったソーシャルなテーマが選ばれました。


パーパスの設定

問題を設定し、どんな社会を作りたいかが見えてきたら、今度はパーパス(社会的存在意義)を設定していきます。社会にどんな良いインパクトを与えられるか?三人称視点を包含し、大きな船をイメージして作っていきます。
SNSでなんて投稿するか?周りからはどんな反響があるか? を皆で出し合い、認識を擦り合わせたり、イメージを固めていきます。

Our Purpose:”振り返れば善意がある社会”を作る


コンセプトを開発する

👉良いコンセプトとは
・パーパスとソリューションを包括している
・気持ちが昂る(⾯⽩い、チャレンジングである)
・既成概念への「問い」になっている
・共通認識を⽣み出し、打ち⼿の指針となる

実現したい社会は共通して見えてきたが、どう具体化させていくかが抽象的で、あらゆる方向へ発散していった。(だけどとても有意義)

匿名性を持たせるためにアバターの概念が必要だったり
助け合いを循環させるための仕組みを考えたり
社会インフラには挨拶はコミュニケーションとして欠かせない話があったり
マンションが物理的にどうあったら助け合いが自然発生するかと話し合ったり
直接ではなく、中間に「管理人」を挟むと有効に働くのではないかという話も上がった
ウェットにならない「気軽な助け」はどの程度かという度合いを話す場もあった

徐々に芯に近づいていくコンセプト…


現実への展開をする

コンセプトが見えてきて、そしてアイデアのイメージもついてきた。今度はそれを具体化していきます。
ここからは、本業の領域なのでメインで具体化をしていきました。
現実にはまだ出てきたことのないソリューションなので、バリュープロポジションから作っていきます。
パーパス、コンセプト、ナラティブなストーリーから、ユーザーにとっての価値を可視化していきます。

コアとなるバリューは、ユーザーの本質的要求を叶えているか?を考える

アクティビティシナリオとインタラクションシナリオも同時進行で考え、最低限それを叶えるUIを設計していきます。

今回のキーとなるインターフェースは、アプリではなく「ポスト」です。 マンションという枠の中で、助け合いを相互扶助できる媒体としてポストが採用されました。(実際のイメージはロッカー)

完成したプロトタイプはこちら

プレゼンテーション資料


全体を通して

惜しくも優勝は取れませんでしたが…頂いた講評やご意見の中でも、

  • 本当に新しい創造的なことに挑む時や、必要性が心から実感できるものでこそ、人のエネルギー放出される。そうなれるアイデアや議論が背景にあったのが本当に良かった。

  • 導入も同意、アプリもすごいなー、と思ってずっと聞いていきましたが、よくできすぎているが故に、聞く前は都会的つながりでいいです派だったのが、終盤こんなに相手を知らないままでもいいのかな・・・と思い始めました。実は使った結果、「つながりうっとうしい」が「やっぱり顔と名前知りたくなる」に変わるサービスなのかなとも思いました。

  • 受け手は受け手になり続ける可能性がある。循環するようなシステム(仕組み)があると良さそう

  • 孤独死などの問題もあるので、最終的にはその問題も解決できるように詰めて行った方が良い

など範囲の広いテーマだからこそ自分たちだけでは拾いきれなかった意見をたくさんいただきました。

引き続き、切磋琢磨したメンバーとは交流をしていきますので
この取り組みが気になった方は、お気軽にご連絡くださいませ 😌


今回講義の中で出た、引用書籍や文献をNotionで公開します。気になった方はご覧くださいませ。

長文、お読みいいただきありがとうございました。
今日の話が、何かの行動の変化に繋がったら幸いです。

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