Annaの日記 ハイリスク妊婦の末路⑥
2日目(41週と5日目)、朝食を済ませると看護師さんからまずシャワーを浴びるように言われた。
このままお産になると、シャワーにしばらく入れないからとの事で一気に緊張が高まった。
いつもよりしっかり体を洗い、身ぎれいにして入院時に渡された「お産セット」(出産着や産褥パットが入ったセット)を持って診察室に来るように言われた。
次、この部屋に戻る時は隣に赤ちゃんがいるんだ・・・
大きな窓に見える天気のいい景色は私に大きな力をくれた。
「昨日の経過が悪かったから、今日も昨日と同じバルーンをしますね。」
「え・・・」
またバルーンをいれて、ものの5分で、大きなお産セットを抱えたまま部屋に帰された。
8:45・・・もうする事がない。今日促進剤でもう、産む気満々だったため
無駄にシャンプーの匂いのする髪の毛に腹が立ってしまった。
昼の診察も夕方の診察も結局昨日と同じ結果になり2日目も何もなく終わってしまった。
虚しかった・・・
3日目(41週6日目)
また昨日と同じ、朝食べてシャワーに入り、お産バッグをもって診察室に向かった。
「もう、バルーンでは効果がないから、今日から促進剤に入る。
でも、これも人により効果が違って、午前中は何も違和感なく終わると思います」
正直、開いてもないのにそれでいいのか?とのんき先生の話がもう信じられなくなってきていてたが、前に進めたような気がした。
「陣痛室」と言われる、分娩室の隣にある部屋に入った。
促進剤の点滴を打ち、お腹にはずっと赤ちゃんの心拍を測る機械をつけて一日過ごす事になった。昨日と同じすることがない。
点滴と機械をつけているので、昨日よりも動けなく、とても窮屈だった。
もう結末がわかっているドラマの2周目を見ている時に、とんでもない「音」が聞こえてきた。
隣の分娩室からの声だった。
エクソシスト化したその発狂を超えたような声、ドラマで聞く
「いったーーーい!!」と甲高い声ではなく、この世のものとは思えない
叫び声が延々と聞こえてきて一気に恐怖となった。
「頼む・・・もうこの促進剤が効かなくて帝王切開になってくれ・・・」
・・と本気で思ってしまうほどのすごい声だった。
この気持ちを察してくれたのか、夕方まで徐々に点滴の量を増やしたが
案の定、効果が出ずこの日の治療は終了となった。
部屋に戻った途端、涙がどっと出た。
不安、効果が出ない虚しさ、夫も犬もいないヒトリの部屋・・・
なぜ陣痛が始まらないのか、あと二日で嫌でも帝王切開で生まれるのに、もう焦る必要もないのに、自分の不甲斐なさで涙が止まらなかった。
出たくないのか、出られないのか
苦しい思いをしていないか・・・
あと2日・・・あと2日・・・
〜続く〜
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