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ベストを尽くしたその先に

おはようございます。音楽家、チューバ奏者、指揮者、金管バンドディレクターの河野一之です。

近頃少しだけ涼しくなって嬉しい河野です。

以下お知らせが続きますが、めんどい方は目次から本題へお飛びください。


お知らせ

Brass in Recital 13th開催!

ついに今週末!13回目のBiRぜひみなさまお越しください!
『Brass in Recital 13th』
管楽器のソロとアンサンブルの演奏会

2023年9月16日(土)12:30開演
会場: リリア(埼玉県川口駅最寄り)

#埼玉県 #イベント #コンサート #入場無料 #川口駅 #川口市

『Brass in Recital 14th』

ソロ、アンサンブルのご参加者を募集中
開催日: 2024年1月20日(土)午前・午後
(出入り込み)

ソロ:15分 / ¥25,000
アンサンブル: 20分 / ¥35,000

ピアニスト:清水初海

会場: リリア(埼玉県川口駅最寄り)

金管楽器以外の演奏も大歓迎!

お問い合わせはこちら

以下チラシ

その他出演情報は河野企画各種SNSアカウントより

https://twitter.com/projectkouno

ベストを尽くしたその先に

先日大高ブリリアントブラス様、ブラスバンド体験会東海様、関係各位みなさまのおかげさまで素晴らしい週末を過ごす事ができました。

以下の二つのコンサートとイベントです。

少しこの内容をアウトプットするのは悩みましたが、自分と向き合うためあえてやってみようと思います。

今回このお話を頂戴しチューバに向き合い続けて数ヶ月、自分と向き合い続ける本気の日々を過ごしてきました。

・チューバや金管バンドは好きなもの
・指揮やMC、企画運営は得意なもの

という分析を自分自身でしており、それゆえチューバや金管バンドに関してはものすごい理想を持っています。でも(ネガティブな意味ではなく)決して得意なものではなかったようで、チューバも金管バンドもたくさんの練習が必要なのです。(得意だったらそんなにやらなくても勝手にできてしまうはず=才能があるので)

それゆえいつもチューバのお仕事をいただくとかなりのプレッシャーを感じたり緊張をしたりします。(繰り返しますが、ネガティブな意味ではありません。好きなので理想が高いというのが最も大きい理由です。)

上記した1番の理由の他にも、いくつかプレッシャーや緊張をする理由に過去のトラウマ的経験も多分にあると分析しており、例えば

・日本の音大4年間でチューバの同級生に1度もソロの点数で勝てず、最下位だった。
・自分の演奏に対し心無い事を言われた経験
・0-100思考だった名残で自分の演奏の良かったところよりももっとできたのではないかという点にフォーカスしてしまう
・過去の演奏で失敗した場面が思い起こされる(0-100思考の名残)

とこんな事もありました。しかし、その後チューバのトレーニングの他にも心理学の勉強をしたり、さまざまな人生経験を積むうちに少しづつ考え方も変わってきました。

聴いてくださる方々のために

たくさん勉強をし、練習をしていくうちにとてもシンプルで、でも最も大事なことに気づきました。

それが「聴いてくださる方々のために」ということです。

楽器を手にし、演奏をする瞬間から僕たちはプロアマ問わず演奏者です。誰もいない空間で生涯1人で演奏しているのであればどうでもいいですが、僕たちは演奏者になった瞬間から誰かにこの音楽を聴いていただくという役目を持ちます。またそれが楽しくて演奏をするのだと思います。

そうした中で、自分がどのぐらい吹けた、どのような出来だった、あの音を外してしまった、あそこができなかったなどという自分自身に向けた気持ちはどうでもいいわけです。

ここで大事なのは、お客様がどのように感じてくださったか、お楽しみいただけたのか、良い時間をお過ごしいただけたのか、こちらが意図するような体験をしていただけたのかというのが最も大事です。

今回先述したコンサートでソリストとして演奏をさせていただきました際、多くのお客様にお喜びいただき、実際に演奏後にホワイエ(受付のある空間)に出向くとたくさんの方々からお褒めの言葉を頂戴しました。また更にご集計されていたアンケートにもたくさんのポジティブなご感想も多く本当に嬉しい限りでした。

僕は音楽家で演奏家でもあるので音楽の探究に際限が無いのと同じでずっと上達することに飢えています。毎日毎日チューバの練習もしていますし、コンサートで演奏をし、どれだけお褒めの言葉を頂いても満足する事がありません。

ですが、その自分のストイックさや探究心からくるわがまま的思考をお客様に見せて良いかと言ったらそうではないのです。それは勝手に思っていればいいことで、聞きにきてくださるお客様は第一前提に僕の演奏やその空間を楽しみに来てくださっているという点です。

僕自身が思う完璧な演奏や素晴らしい演奏が最も大事なのでなく、お越しくださったお客様がその瞬間瞬間、音楽の刹那をお楽しみいただき、非現実的エンタメの空間を堪能していただく事が大事なのです。

そのために練習をするのです。僕が上手くなることは二の次、または究極的には必要なく、お客様が楽しんでくださるのであれば極論どんな演奏でもいいわけです。

ありがとう、お呼びしてよかった

今回1部が終わって楽屋に戻ると主催の方が「本当に素晴らしい演奏だった、今回河野さんをお呼びして本当によかった」と言ってくださりました。

この直前まで僕の脳内では音を外した箇所やもっとこうできたかもという自己中心的な自分の演奏に対する状況分析と「でも聴いてくださっていたお客様は楽しんでくださっていたように見えた、よかった」という二つの気持ちを持っていました。(これまでのメンタルトレーニングのおかげです。)

ですが、上記のことを言っていただけた瞬間全てが報われましたし、「ベストを尽くした結果がこれなのであれば、今日は大成功だ。あとはご褒美タイムだと思ってお客様はもとより僕自身もさらにもっと楽しんで演奏をさせていただこう」という気持ちで2部に臨みました。

まとめ

今回この話をアウトプットしようと思った時に悩みました。それはせっかく素晴らしいコンサートとして幕を閉じた舞台に水を差してしまうかもしれないと思ったのと、自分の気持ちがまとまりきっていない感じがしたからです。

ですが、書いていくうちにまとまり、このような形になりました。

そして、ここまで書いてわかった事があります。

日本の音大という音楽を専門に学ぶ場で僕なりに本気で四年間+英国の大学院で二年間学び、研究をさせていただきました。

そこではひたすら良い時も悪い時も自分と向き合い、自分の演奏を研ぎ澄ませていく時間を過ごします。なのでどの本番でも「もっとこう」「まだまだ」「全然ダメだ」「今日はまぁまぁだった、でも」のようにポジティブな部分は網目を通って流れ落ちてしまい、ネガティブだったり上達させたい部分といったような欲求ばかりが網目に残り、それを習慣化させていきました。

しかし、英国の大学院に行ってからポジティブなフィードバックの大切さ、そして研究発表会ではなく、音楽を人にお聞かせするという演じて奏でる部分のご指導や研究する時間をたくさんいただき徐々に考え方が変わってきました。(Performance Practiceという名前の授業で、舞台に上がるところから演奏し、はけるところまで全て見られ感想を言い合う内容です。)

そこからわかったのは、自分の演奏を上達させたり、研磨し、より研ぎ澄ませていくトレーニングと人にお聞かせするトレーニングは同時進行でなくてはならず、いつでも最も大事なのは

聴いていただいたお客様にどのような時間を過ごしてほしいか、どう感じてほしいか

ということです。そのために練習をするのです。

相当な河野マニアにお聞かせするのであれば河野が河野自身のためだけに演奏するような内容で良いですが、99.9999999%そんな機会はありません。全ては聴いてくださる方々のためにあるのです。

そういった事がポジティブに学べ、経験でき、また考えていた事の確証を得られた素晴らしい機会でした。

重ね重ねになりますが、関係各位誠にありがとうございました。またの再会を祈って、またスーパー練習してきます!

Thank you

Kazz


サポートして頂いた支援は全て金管楽器や金管バンドの奏法の研究、音楽を使ったエンターテイメントの発展に使用させていただきます。