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生徒を子ども扱いしない。一人の対等な人間として意識する。

 これは教育の現場で働いている人にとって、非常に大切なコンセプトだと思います。人は誰でも、一人の対等な人間として扱われたいです。それが人と人との関係の基本です。
 子ども扱いするということは、自分よりも弱いもの下のもの従うものと見ていると同じです。相手を尊重しているとは思えません。

 生徒を、一人の人間として尊重し、対等に扱うこと。言葉にすると、そんなこと当たり前のことだと思われるかもしれませんが、実際に、学校でそれができている教員は、少ない気がします。
 そもそも、教員自身が、生徒に対して対等な一人の人間として接しているか、ということに対して、無自覚だと思います。だから、教員自身が生徒を子ども扱いしている、対等に扱っていないということに気付いていません。そのようなことを考えたこともないという教員もいます。
 教育を行う上で、生徒に一人の対等な人間として接しているかは、信頼関係の根幹にかかわる大切なことです。子どもは教員の本質を見抜きます。どんなに取り繕うとしても、ごまかすことはできません。だから自分の考えや行動を、意識的に変えていく必要があります。

 では生徒を一人の対等な人間として扱うためには、具体的にどのような言葉、どのような態度、どのような行動をしていけば伝わるのでしょうか?

①同僚に接するのと同じように、生徒に接する。

学校長と教諭=教員と生徒の関係。
教員と生徒の関係は、そこに一定の縦関係があります。指示や指導をするもの、従うものという関係があります。しかしそれは職務上や役割においての関係です。あくまで役割上の縦関係であり、そこに人間的な優劣は一切関係がなく、人間として対等です。それは、職場での上司と部下の関係と似ています。つまり校長と教諭の関係は、教員と生徒に当てはめてみることができます。業務上の縦関係があり、指示や指導はされますが、そこに人間的な上下関係はない。だから、まずは、校長先生が、配下の教諭に接するように意識して、子どもと接してみるといいと思います。 

②生徒の方が自分より優れている部分があると認める。

  教員よりも、優れた生徒はたくさんいます。そしてどんな生徒でも、教員よりも何らかの優れた面を持っています。それを生徒に伝えていくと良いと思います。

③敬意を明確に表す。

・子ども一人一人に対して、挨拶を丁寧に本気で行う。
  挨拶は、相手を尊重する最も基本的なものです。これを丁寧に行う。
・「ありがとう」という言葉を毎回言い続ける。
  対等な関係とは、「ありがとう」と言いあえる関係です。教員は、生徒の行動に対して、常に「ありがとう」を伝えた方が良いです。教員の話を、生徒が静かに聞いてくれただけで、「ありがとう」です。ありがとうが言えれば、ただそれだけで、対等な関係と言えます。
・指示の目的や意図を丁寧に説明する
  指示は、相手の納得があって初めて受け入れてもらえます。相手に納得してもらうために、教員は丁寧に説明する必要があります。
・言葉遣いが大切。
  言葉の礼儀こそが、すべての始まり。
・丁寧に謝る。
  生徒に対して、きちんとごめんなさいを言う。私は授業に少しでも遅れることがあると、クラス全体に対して「大変申し訳ございませんでした。」と丁寧な言葉で真剣に謝ってから授業を始めます。ただそれだけで、相手を大切にしていることが伝わります。
・本音を言う。
  教員としての建前を言うのではなく、本気で自分が思っていることを、真剣に伝えると、その本音は相手から理解されることが多い。

私自身は、どちらかというと、規律を重んじる、厳しめの中学校教員です。しかしそれでも上記のような行動を丁寧に行うことで、生徒を子ども扱いしないように、自覚的に取り組んでいます。

  

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