ゆるひす

不定期更新で詩や小説を書いてます。「分け入っても分け入っても青い山」辺りに在住のしがな…

ゆるひす

不定期更新で詩や小説を書いてます。「分け入っても分け入っても青い山」辺りに在住のしがない物書き。

マガジン

  • 掌編小説、随筆

    掌編小説と随筆をまとめています。

  • おさむの詩

  • 世界を渡る羽

    春真っ只中。しがない物書きの青年が一年ぶりに立ち寄った村では祝祭の準備が行われていた。そこにある一人の若い女ジプシーが訪れ、村人に占いをしてあげると言い出した。未完の作品である『死の天使の光輪』の続編・短編小説。不定期で更新中。

  • 短編小説『予祝』

    津々浦聖(きよし)は米農家産まれで農業の跡継ぎであった。ベーシック・インカムが始まった世の中で、彼は父からは「自由に生きろ」と言われる。四十代にもなった身の彼は、これからどう生きるのか、どう生きたいのかを考え出す。

  • 天祝屋 ゆるひす

    天界や天使をモチーフとした作品を取り揃えております。

最近の記事

  • 固定された記事

僕にとって書くことが仕事であり、書くことが生きがいである。僕に必要なのは、上質な原稿用紙とデザインにこだわった万年筆、リラックスした時に訪れる閃きである。それらの心地良さだけがあれば人からの評価は必要なくなってしまう。そして、個性が才能に勝る条件はここにあると僕は思う。

    • 瞑想中の閃きメモ

       この記事は瞑想中に起こった閃きをメモする場所です。閃きが起こったらどんどん追記していきます。  今日の瞑想中、「人の脳は主語を認識しない」という言葉が出てきたので、試しに「私は在る」「私は神である」を「今ここに在る」「今ここに神である」と変えて、何度も唱えてみた。瞑想中は分からなかったけど、瞑想後はとても心地よかった。2024/04/14  瞑想中、「今を思い出せ」という言葉が出てきたけど、「今を思い出せって、今は現在なんだから思い出すことじゃなくないか?」と思った。で

      • 魔術に全てを捧げた学生時代の話

         どうも、ゆるひすです。  ここで話すこととはタイトルに書いてある通りです。魔術の勉強のために時間と金(お年玉)を費やした私の学生時代(小~高校生)を振り返っていきたいと思います。ちと長いからサラサラと飛ばして読むのがいいかもね! 【小学生時代】  まず私と魔術の出会いから。  それは小学三年生の頃の話。テイルズオブシンフォニア(TOS)というゲームの中に登場するキャラクター達が魔法を使うのを見て「これはどういう仕組みで魔法が発動しているのか?」という疑問が浮かんできまし

        • 僕と君との

           道歩き 我の先ゆく 花駆ける  故人の歌を詠う 東風哉  桜の季節になると必ず、西行の歌を思い出す。  仏には桜の花をたてまつれ  わがのちの世をひととぶらはば  昔の僕と比べて、今の僕は生きる楽しさを取り戻した気がする。それでも死ぬる権利はまだ僕にあって、いつでも死ねる機会はあるのだが。生きる楽しさを取り戻したと言えど、まだまだあの世の魅力に取り憑かれて、歌を詠む。  散る花は 川を流れて往く   我は東風に全てを委ね 身を投ぐ ──あの日、あの時、僕が見たもの

        • 固定された記事

        僕にとって書くことが仕事であり、書くことが生きがいである。僕に必要なのは、上質な原稿用紙とデザインにこだわった万年筆、リラックスした時に訪れる閃きである。それらの心地良さだけがあれば人からの評価は必要なくなってしまう。そして、個性が才能に勝る条件はここにあると僕は思う。

        マガジン

        • 掌編小説、随筆
          51本
        • おさむの詩
          18本
        • 世界を渡る羽
          3本
        • 短編小説『予祝』
          2本
        • 天祝屋 ゆるひす
          3本
        • 隠遁記 ~人生の一片~
          0本

        記事

          才能について語る。 「自分という存在が才能である」という考え方は非常に良い回答だと思う。 一般的に才能とは他より抜きん出ている能力のことを指す。しかしそれを、自分の全てを才能として見ることによって、自分には才能がないと考えている人たちの“救済”になりうると考える。

          才能について語る。 「自分という存在が才能である」という考え方は非常に良い回答だと思う。 一般的に才能とは他より抜きん出ている能力のことを指す。しかしそれを、自分の全てを才能として見ることによって、自分には才能がないと考えている人たちの“救済”になりうると考える。

          【詩】孤独にくつろぐ

           人付き合いが苦手で  逃げて 逃げて 逃げ続けて  そうして 孤独に出会った  孤独は言った 怖くはないよ  僕は言った それは分かってるよ  だって僕は 孤独だったから  僕のこれが 孤独だと知ったのは  君と出会ってからだけど  今までも ずっと ずっと 孤独だったんだ  そうか ならば と孤独が言う  孤独に くつろいだら いいかもね  孤独に くつろぐ? 僕が聞く  そうさ 孤独に と孤独が言う  人との繋がりを 絶ってしまって  ひとりの 時間を 作る

          【詩】孤独にくつろぐ

          万年手元不如意はシンプル生活を始めたい!【二日目】

           焼き棄てて日記の灰のこれだけか  どうも万年手元不如意でシンプル生活を目指しているゆるひすです。上記は種田山頭火の句なんですけれども、私が物に対して思うことは感謝の念もありますが、やはりこの句で締めくくられます。あれだけ思い出の、思いの丈の詰まった日記帳も燃やせば僅かな灰しか残らないという呆気なさ。百年以上も使える家具などもありますが、やはり物はいずれ壊れて無くなってしまう無常さがあるんです。  だからこそ、“元から断って”しまうんです。こういう「0 or 100」の考

          万年手元不如意はシンプル生活を始めたい!【二日目】

          【詩】密かに咲く

           黄昏時に  出会った桜の木。  ここに人は滅多に来ない。  たとえ来たとしても  誰も見向きもしないだろう。  細く、淑やかな桜が一本  雑木林の中で咲っていた。  僕はそれを見て  密かに咲いていると思った。  僕はそれを見て  密かに咲くことを覚えた。  人がいる、  人がごった返している、SNSの中で  ただ、ぽつりと、佇む僕は  その桜のようだと、ふと思った。  桜は、人目につくところに咲くから  人から愛されるのだ。  しかし、人目につかない桜は  一体

          【詩】密かに咲く

          感謝の人生

           今は全てに感謝をしたい。  ここで私に不安が訪れる。「どうせ偽善だろ?」「全てに感謝とか、嫌いな人にも感謝するのかよ」「宗教か何かだろ?」という声が聞こえてくる。私を止めてくるそれらの言葉を、私は足蹴にせず「ご忠告ありがとう」と感謝をする。今の私は何があろうと感謝せずにはいられないのだ。  これは“心からの”感謝をした人にしか分からないことだが、感謝をすると世界が美しく見えてくるのだ。今の自分がどれほど環境に恵まれているのかを知ることも出来る。人生や環境に不満がある人は、

          感謝の人生

          『世界を渡る羽』断章弐 切り取り痕

           四月三十日。厚い雲が所々に散らばり、太陽が見え隠れしている朝。青年は起きて、洗面と朝食を軽く済ますと、宿を出て一目散に貸本屋へ向かった。そこには去年この村を訪れた際に置いてきた、自作の本があるはずだ。それが今どんな状態になっているのかを知るために調べに来たのだ。  貸本屋の店主が言うには状態はかなり悪くなっているそうだ。「それも歴史の一頁、と思ってまだ置いてるんだが……」と店主の声。それだけ多くの人が読んだのだろうか。あるいは扱いの悪い人がいたのだろうかと思い思いしながら、

          『世界を渡る羽』断章弐 切り取り痕

          風と旅を

           僕の詩が届きますように  君の胸に花開きますように  風が誘うは蒲公英の綿毛  彼の地を旅立ち何処へゆく  果ても無き空を飛ぶ鳥たちは  自由を羽に乗せて  旅人は悟るだろう  これが地を行く者の道  ならば僕はその手を取って  共に旅をしよう  さぁ 高く 舞い上がれ  足は地を離れ 宙に浮かび  さぁ 風に 祝唄え  古き詩は 蘇らん

          風と旅を

          2024/03/13 noteにアカペラによる自作曲の初投稿。 曲の始めは四拍子で、次に三拍子で表現される。 音楽イメージはケルティックな民族音楽。 旅人よ、祝唄え。

          短編小説『予祝』第二章

           初夏。立夏。竹笋生の侯。今日が一粒万倍日であることに願掛けて、稲の種を蒔く。木々に若葉が茂り、風景に涼しげな彩りを添える。田園の奥、農道を歩いている子どもが三人。小さなカゴを持っているところを見るに、おそらく野いちご狩りに行くところだろう。寄り道に田圃に張られた水の中を覗いているようだ。  ベーシック・インカムが始まって数ヶ月が経った。彼の住む町の様子も変わってきたようだ。第一に都会から人が訪れるようになった。こんな何も無い田舎に何の用があるのかと思うたが、案外移住したいと

          短編小説『予祝』第二章

          短編小説『予祝』第一章

           ベーシック・インカムという制度が始まったのはつい最近のことであった。政府から一定額のお金を毎月国民に無条件に給付するという制度だが、賛否両論、いろんな渦がある中で始まったのである。当然、仕事を辞める者も出てきたが、その反対に仕事を続ける者もいた。  仲春。春分。雀始巣の侯。山奥の豊かな湧き水が農業用水路をさらさらと通り抜け、田圃の中へと流れていく。既に水で満たされた田圃には、頭上に広々と横たわる青い空が写し出されていた。畦を通り抜けた先、小さな草原に津々浦聖は仰向けになっ

          短編小説『予祝』第一章

          万年手元不如意はシンプル生活を始めたい!【初日】

           どうも、ゆるひすです。  ひとまず最近の私の自己紹介をば。  物欲に追われ疲れ果て、そのストレス発散のために生活費を削ってまた物を買い、借金返済が滞り、周りの人からお金の使い方を忠告されている始末。仕事にもやる気が出ず、それ故にうまくいかず、今年の二月末で辞めるかもしれない状況。また人生に対してもやる気ゼロで生きる気力が無い(できることなら安楽死がしたい)。  そんな私がずっと前から思い思いしていたことは「身辺整理がしたい」でした。やり方が分からないという理由で先延ばし

          万年手元不如意はシンプル生活を始めたい!【初日】

          身一つの軽さ

           何やってもうまくいかない。  最近の思考がこれだ。  言葉をどれだけ知っていても、  どれだけ深い考えを持っていても、  仕事をしていなければダメ人間。 「もう仕事は辞めました」  最近の気持ちがこれだ。  何をする訳でもなく、  何かがしたい訳でもなく、  ただ布団に寝転ぶだけの人生に祝福あれ。  やりたいこと、あった。  読書。積読。それに古琴。  逆に言えばそれくらいしかない。  シンプルは正義。シンプリストになりたい。  じゃあ、今から、  シンプリスト生活、

          身一つの軽さ