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【論文読了】営業組織を強化する

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビューの2023年1月号の特集は営業組織を強化するでした。私は営業のことは解らないので、この機に勉強ですね。

それでは振り返ってみましょう。

営業組織のデジタライゼーションを成功に導く方法

あらゆる業務でデジタル化が行われていると考えられる昨今ですが、営業も同様だろうなと思います。

ただツールを導入すればいいのではなく、業務プロセスを設計し直す必要があります。

この論文にはチェックリストが登場します。組織としての体制、実行、継続の3つの観点をチェックできます。この3つがないと上手くはいかないでしょうね。

また昨今よく言われることですが、ウォーターフォールではなくアジャイルでやるという話も出てきます。小さく繰り返して学習していけばいいのです。いきなり大きくデジタル化を実行しようなんてする必要はありません。というか大々的な計画を立ててズッコケてはいけません。

ミスミの事業は顧客とともに進化し続ける

製造業は日本の主力産業であり、GDPは2割です。効率性が高いというイメージがあります。

しかし調達業務においては、アナログな部分が残っているそうです。そこをミスミはmeviyというサービスによって解消しようとしています。

非効率な業務は探せば意外と残っているものですね。でも見つけた途端にレッドオーシャンになりそうな気もしますし、見つけるのは中々難しいと感じます。日頃からアンテナを立てておくしかないのでしょう。

meviyを作ってみたミスミは、meviyを売ろうとして自分たちの営業・マーケティングの非効率に気付いてしまったそうです。なんてこったですが、気付いただけよしです。やってみて気付くことはありますからね。

そして製造業のやり方を営業・マーケティングに応用したら効率化できたそうです。こういうノウハウの応用は大事ですね。適用してみればいいのです。

またmeviyはコミュニティ機能を備えていて、ユーザーである設計者たちとmeviyの開発者たちが情報交換しているようです。サービスやプラットフォームを作るなら、このようにコミュニティ機能も意識した方がよさそうです。

コミュニティ機能については先月号で特集が組まれていました。

営業プロセスへのAi導入が収益向上につながる

購買プロセスは営業プロセスよりも早く進化しているとのことです。なぜなら今は製品の評価に役立つ情報をネットで得られる時代だからです。ネットで調べてから買う、就職・転職先企業をネットで調べてから応募するなどは普通です。事前に調べようがある時代なのです。

だから買い手の方が早く情報を得てしまうわけですね。

この論文にはセールス・サクセス・マトリックスというものが出てきます。顧客との関係性と営業プロセスの2軸のマトリックスです。ちなみにネット上でこのマトリックスは紹介されていません。論文を読んでくださいということですね。

関係性が低い顧客すなわちECみたいに物の販売だけでいい顧客なら、AIボットやリコメンドサービスなどで労力を減らすことで、割く人員を減らしてコストダウンするということです。

関係性が高くなれば、ソリューションやコラボに発展していきます。するとプロセスも顧客ごとにカスタマイズされたものになっていきます。

理想を言えば関係性を上げていけばコラボによって発展性が出たり、高収益化が望めたりするのでしょうけど、全ての顧客がそういう関係とは限りません。顧客ごとにどのあたりなのか判断して、今後関係性を高めていくのか、維持なのか考える必要性もあるのかなと。

とはいえ顧客との関係性の高低で対応が変わるのはもちろんですし、関係性の高低に応じてコストのかけ具合が変わるのもごもっともです。顧客対応が可視化されるわけですね。

顧客との価値創造から長期的な利益を生むフレームワーク

製品やサービスを売り込むことを優先させている会社は少なくないでしょう。しかし理想を言えば、顧客の課題やニーズに合わせた対応をすることがいいですし、一緒に価値創造ができたらそれこそ理想でしょう。

顧客とのコラボという観点を踏まえた上で、トリプルフィットキャンバスというフレームワークが紹介されています。

計画、実行、リソースの3つの観点から合計9つの観点について顧客との関係性を評価するというフレームワークです。これで顧客との現時点での関係性を測るわけですね。このフレームワークはネット上で紹介されている記事がないので、詳細は論文を読んでくださいということになります。

9つの観点があるので、それぞれを評価し、その結果から対策を考えるということになります。評価観点って大事ですよね。実績のあるフレームワークを使えると、堅実な評価と施策検討ができそうです。

コラボに関する戦略や方針がよくないのか、プロセスやシステムがよくないのか、人や体制の問題なのかがこのトリプルフィットキャンバスで解るわけです。そしてより良い関係構築やコラボにつなげていきます。

終わりに

売り切り、ソリューション、コラボなど顧客との関係性は色々あります。しかし売り込むことを意識してしまいがちなのを抑えて、関係性に応じた対応が必要なのですね。

ソリューションビジネスは最近は一般的になってきましたが、もう一段上であるコラボまで持っていけると楽しいんだろうなと思うことはあります。政治的事情で難しいこともありますけど。

顧客との関係構築は私にとって比較的得意ですので、この観点を大切にしつつ、一緒にできることも模索できたらいいのかなと思いました。

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