見出し画像

イチ末端書店員が「経済産業省」に伝えたいこと

書店の減少を食い止めるために、国が考えてくれている。感謝します。

ただ申し訳ないけどちょっと違うような。何度も書いてきましたが、よろしければ↓をぜひ。

イベントやカフェ、ギャラリー。そういう取り組みも大事でしょう。でもマクロな視点でまず着目すべきは「本を売った際の書店側の利益率が約2割しかない」こと。ここを改善しないと減少傾向に歯止めは掛かりません。

もうひとつ。仮に併設したカフェやギャラリーが流行り、本を買いに来るお客さんが急激に増えたとします。現状のお店が対応できるとでも?

いま多くの書店は人手不足です。

レジを出られるのはわずかな時間。そこでもお問い合わせや電話に追われたら選書も注文もできません。返品の箱詰めと荷造り、雑貨等の検品、棚への品出しすら終わらない。必然的に休憩が削られ、サービス早出&残業が横行する。この実態を考慮に入れぬ「売れる本屋のコツ」では机上の空論としか思えません。

ではどうするか?

無駄な入荷&不毛な返品をなくす(新刊や定番、売れ筋の発注はAIに委ねる)。代わりに本屋の利益率を30%強まで上げ、お客さんを増やすのではなくいまの売り上げでより高い儲けを得られるようにする。多様な決済手段に対応できるセルフレジを導入し、他の業務へ割く時間を確保する。

政府に後押ししていただけると幸いです。

あと大半の書店員は私も含めて非正規雇用。一部のお店を除けば、キャリアや実力に関係なく最低時給で働いています。ここが改善され、各店舗がもっと知的好奇心に訴える棚を作っていけば、お客さんだけではなく本屋で働きたいという人も増えるはず。

経済産業省の方々は書店の現場をあまりわかっていないのでしょうか? それならまだ救いがあります。わかっていても何らかの事情でタッチできない方が問題なので。

末端からは以上です。

この記事が参加している募集

習慣にしていること

仕事について話そう

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!