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イチ従業員が考える「書店員が疎かにしてはいけないこと」

先週↓が発売されました。

責任編集は翻訳家の柴田元幸さん。年3回の発行で(2・6・10月の15日頃)古今東西の海外文学を紹介してくれる文芸誌です。

ここ最近は、村上春樹さんが訳したトルーマン・カポーティの短編が掲載されています。今号は「夜の樹」。社会の片隅に潜む悪意の闇に、そしてそれと出会ってしまった不条理に戦慄を覚える名作です。

自分の分の品出しを終え、文芸誌コーナーへ向かうとどこにもない(しかも前の号が1冊残っている)。仕入れ室にストックされた梱包のなかにも見当たらない。もしやと文芸書が積まれた(担当は午後からの出社)ブックトラックをチェックすると、、、あった。

すぐ棚へ出しました。

たしかに「MONKEY」は雑誌ではありません。ISBNだけで雑誌コードは付いていないから書籍扱いです。しかし内容を見れば明らかに文芸誌。だったらこれだけ開店前に出さないのはおかしい。そもそも、あのサイズを積める場所が文芸書の棚にあるはずもない。

ルールや基本はもちろん大事。でもそれらを守るのは大前提で、なおかつプラスアルファを加味できてこそのプロの仕事ではないでしょうか?

書籍の新刊&補充分を開けていたのは社員ひとりとバイト数名(私はコミックを手伝っていました)。文芸書担当が不在とはいえ、せめて社員には気づいてほしかった。

午前中に「MONKEY」に関するお問い合わせは受けませんでした。ただ、すべてのお客さんの心情を把握することは誰にもできない。忙しそうだから訊くのは申し訳ない、と静かに帰られた方がゼロだと断言できるほど楽観的にもなれません。

ある意味、売り切れは仕方ない。しかしお店にあるのに棚に出ていなくてお客さんが買えないのは話がべつです。ここを疎かにしたら何も始まらない。

しっかりやっていきます。

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