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考察「書店の完全無人営業&完全キャッシュレス」

完全無人書店「ほんたすためいけ」が、東京メトロ溜池山王駅の構内に今秋オープンします。営業時間は7時~22時。

いよいよこの流れが来ましたね。

3月にも山下書店・世田谷店が「夜間無人営業」(19時~翌朝10時)を始めて話題になりました。7月末までの実証実験と聞きましたが、いまも継続しているのでしょうか? ご存知の方がいらっしゃったら教えていただけると助かります。

ところで↑の中では「ほんたすためいけ」で利用可能な支払い方法について言及していません。おそらく完全キャッシュレスでしょう。ちなみに4月に蔵前にオープンした「透明書店」も完全キャッシュレスを検討しているようです。

ほぼワンオペの小さなお店はレジ締めやお釣り準備の負担が大きいし、完全無人であれば防犯上の観点から現金を扱うのが難しい(山下書店・世田谷店も無人営業の時間は完全キャッシュレス)。「ほんたすためいけ」が軌道に乗れば、全国にチェーン展開している大手も「完全無人&完全キャッシュレス」のスモールビジネスを展開する別ブランドに着手するかもしれません。

とはいえ、開梱や品出し、返品などは現時点で人にしかできない。つまり営業時間内に店にいないだけで、依然として人手は不可欠です。選書と注文も同じ。AIに頼った「完全無人」だと棚がマーケティングにデオドラントされ、好奇心を刺激するいい意味での臭みが消えかねない。

紀伊國屋とCCC(蔦屋書店の母体)、日販が書店の利益率改善に乗り出し、一方で人件費を最大限に抑え込める完全無人営業が始まる。とりあえず不満はありません。ただ、現在進行形で踏ん張っている書店員への配慮も忘れないでほしい。給与面だけではなく、日々の業務に忙殺され、せっかくの選書センスや商品知識を活かせぬ同業者が少なくないから。

すべてを良い方向へ進めたいです。

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