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「大谷翔平の愛読書」から派生した名著

「大谷翔平選手の愛読書、ありますか?」

WBCの優勝以降、そんなお問い合わせが増えています。何冊かあるみたいですが、よくメディアで取り上げられているのは↓でしょう。

書店員の皆さんには、一時的にでもスポーツ書のコーナーに積むことをオススメします。その方がお客さんは見つけやすい。かつて中日ドラゴンズの根尾昴投手が甲子園を春夏連覇して大人気だった頃、彼の愛読書である↓を野球本の棚に置きました。ビジネス書の元棚よりも減りが速かったです。

もし「運命を拓く」が売り切れていたら、代わりに↓をどうぞ。過去や未来ではなくいまにフォーカスし、素直な心で「囚われない」ことを推奨する考え方に禅を感じました。

こういった形で「時の人」をそうたらしめることに貢献したであろう名著が紹介され、多くの人が関心を寄せてくださるのはありがたいことです。ぜひ中村天風から頭山満、西郷隆盛と「陽明学」の系譜を遡り、彼らの生涯を支えた「知行合一」「致良知」の熱に触れてほしい。大塩平八郎や吉田松陰も同じラインです。

松陰の本だと、昨年読んだ↓が良かったです。

過激な尊王攘夷を扇動したイメージだけで語られがちな人物です。でも本書を読むことで「いずれは開国だが、黒船に脅されて条約を結ぶのは国の尊厳を損なうゆえ当面は攘夷。と同時に、外国から学ばねば勝てない」が基本スタンスだと確信できました。

あくまでも対等外交を実現するための攘夷であり、欧米に蹂躙されない国を作るための討幕。外国の文化や技術を学ばないと攘夷が不可能であることも松陰は理解していました。有為の人材を多数輩出した松下村塾の運営方針も興味深いです。

最後にもう1冊。そもそもそれを読まなかったら、上記の名著たちにも出会えなかった。決して大袈裟ではなく、人生を変えるチャンスをくれた本です。

ただ残念ながらいまは在庫切れ。

「書店で買えない本を勧められても」と首を捻る方もいらっしゃるでしょう。申し訳ございません。それでも復刊希望の気持ちを込め、あえて紹介させていただきます。篠崎にある「読書のすすめ」の店主・清水克衛さんの著書「魂の読書」です。

大谷選手にもオススメしたい。「運命を拓く」に触発されたのであれば、絶対にこの熱い本も好きになってくれるはず。

いまはどういう時代なのか? どういう心構えで生きるべきか? どんな仕事に就くべきか? どういう本を選ぶといいか? それらをあくまでも自分の頭で考える、そのためのヒントが満載です。巻末の「世の中に流されないためのブックガイド60」も背中を押してくれました。

世界を席巻する大谷選手の姿に胸を躍らせつつ、彼の愛読書及びそこから派生した名著たちもぜひ。

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