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「売り上げ至上主義」の本屋なんて

2回目の延期ですね。

最後に書かれた「セブン&アイの株主でもある元従業員が原告となり、売却によって会社側に1300億円以上の損害がでるとして、セブン&アイの取締役の責任を問う訴訟を準備している」という一文が重要な気がします。

「文化の喪失」に留まらず、売り上げにおいても大きな損失を免れない。いかなる試算を経て「1300億円以上」という結果が導き出されたのかはわかりません。しかしこれが事実であれば、売却そのものが見直される可能性も出てきます。

もし「西武池袋本店」が事実上「ヨドバシカメラ」に取って代わられたら、少なくとも私は行かなくなります。儲かっているコンビニ事業に集中しろという「物言う株主」のご意向に羊の如く従うのであれば、売却後は「三省堂書店・池袋本店」が閉店を余儀なくされる可能性が高いからです。

閉店しなくても、もしくは他の書店が入っても、おそらく徹底的に上から管理された「売り上げ至上主義」の品ぞろえになるでしょう。そんな本屋は本屋じゃない。フェア台や新刊台から、そういう反骨の気概を感じさせる書店チェーンとして真っ先に頭に浮かぶのはリブロです。そして「三省堂書店・池袋本店」は「リブロ池袋本店」の跡地に生まれた店なのです。

だから続けてほしい。続かないのなら行かない。

セレブでも有名人でもない非正規書店員がひとり買い物をしなくなっても、売り上げにはまったく影響しないでしょう。しかし同じような考えを抱く人が他にもいたら。あるいは私が「三省堂書店・池袋本店」に対して抱くのと同じ思いを、売却後になくなるか大幅に縮小されるであろう別のテナントに抱く人がいるとしたら。

そういったひとりひとりの「もう行かない」が積もり積もった結果が「1300億円」だと考えれば、必ずしも非現実的な数字ではない気がしました。

引き続き動向に注目します。

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