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「この家康、どうする?」と考えさせてもらった一冊

この映画は見たいです。

「スターだけを集めたドリームチーム」はかつての長嶋巨人みたいに必ずしも有効に機能しません。本書における「偉人ジャーズ」がどういう成果を挙げたのか気になる。

「もしも徳川家康が総理大臣になったら」は職場でかなり売れました。ジャンルはビジネス小説。しかし日本史のコーナーへ積んだときが最もよく動きました。

この辺が書店業務の難しいところであり、また面白さでもある。どこへ置くかによって売れ行きが大きく変わってくるのです。プロ野球界における期待のルーキーが、入った球団によって伸びたり伸びなかったりするように。

私はこういう際「予備知識をほぼ持たないお客さん」を想定します。何か知らないけど家康が総理大臣になる本が出たらしいみたいな人を。彼や彼女がまず足を運ぶのはどこの棚かと考える。

最初は条件反射的にビジネス書のコーナーへ積みました。それで売れる書店もあるでしょう。しかし私の職場はそうではなかった。一方で返品したくないと感じさせる何かがこの本にはありました。

まさに「この家康、どうする?」の心境です。

文芸書という選択肢もある。しかし最終的には日本史の棚へ動かしました。すると平積みがごっそりなくなったわけです。

あるいは衝動買いの誘い易さがポイントだったかもしれません。「ビジネス書を買いに来た人のなかの家康に関心がある人の割合」と「日本史の本を見に来た人のなかの家康に関心がある人の割合」のどちらが高いか? 答えは明白です。

フロアが複数ある大規模店なら「文芸書」「ビジネス書」「日本史」の各棚に置くのが親切でしょう。しかしワンフロアだとそうもいかない。少しずつあちこちに展開すると管理が難しいし、売り上げが誰の功績かみたいな問題も出てくるのです(私は気にしませんが)。

いろいろ考えさせてもらった一冊。これを機に読みます。皆さまもぜひ。

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