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長生きの秘訣は太ももにあり!?足腰を鍛えて健康長寿に!

あなたは、「人間の体には寿命の大体の長さを測ることができる物差しがある」と言ったらびっくりするでしょうか?デンマークの研究者グループが2009年に、中高年男女の太ももの太さと死亡リスクには因果関係があると発表しました。

太ももは太い方がいい?

調査結果によると男女ともに一番死亡リスクが少ないとされたのは、太ももの周囲が62センチの人でした。それより太い場合にはどれだけ太くなっても死亡リスクは変わりませんが、細い場合、細くなればなるほど血管系の疾患のリスクが高まり、それにつれて死亡リスクが高まるのだそうです。

デンマーク人と日本人では基本的な骨格体型が違うので、この62センチという数字がそのまま日本人に当てはまるわけではないでしょう。しかし飲酒や喫煙、ストレスなど他の要因に関係なく、太ももの太さと寿命に相関関係があるというのはどういうことなのでしょうか?

長寿のカギは筋肉

人間の太ももの太さを決めるのは筋肉です。太ももには、前側に大腿四頭筋、後ろ側に大腿二頭筋という人体の中でも大きな筋肉があり、この筋肉がしっかりとついた人は血管系等が強いということになります。

つまり、太ももに筋肉をつけて太くすることによって死亡リスクを減らすことができるかもしれない、と研究者は述べているのです。

太ももの筋肉が減少することのリスクは、血管系の疾患だけではありません。脚を支えるこの部分の筋肉が細く弱くなってしまうと、膝や腰に痛みが出てきたり、歩いたり立ち上がったりという日常の動作も難しくなってきます。そうなると運動不足でメタボになったり、外出が億劫になって社会とのつながりが希薄になり、認知症の引き金にもなりかねません。

足腰の弱りが骨折リスクにつながる

足腰が弱ってくると当然転倒などによる骨折のリスクも高まります。太ももにある骨、大腿骨の付け根に近い部分、大腿骨頚部は高齢者が転倒やちょっとしたはずみで骨折しやすい場所です。大腿骨頚部には股関節の中で折れる内側骨折と、外側で折れる外側骨折があり、高齢者に多い内側骨折は血流が悪いため治りも悪く、その後の生活に甚大な影響を及ぼすことが多いのです。ついこの前まで元気で何でも一人でやっていたのに、骨折したとたんに一気に弱ってしまったという話はよく聞きますよね。

実際に大腿骨頚部骨折をした人は寿命そのものが短くなるというデータもあります。健康な80歳の方の一年後の死亡率は約10%ですから、10人に1人は1年後には亡くなっている計算です。これが大腿骨頚部骨折をした方だけに絞ると、死亡率は2倍の20%になり、5人に1人は1年以内に亡くなってしまいます。これが10年後になると、10人のうち8人は亡くなってしまうのです。

筋肉を減らさないためにできること

ある程度の年齢になったら、痩せることより筋肉を減らさないことを心がけましょう。メタボを気にして体重が減ったわ、と喜んでいたら、それは筋肉が落ちただけかもしれません。ズボンの脚の部分が緩くなったという人は、要注意です。ここでは筋肉量を落とさないために、簡単にできる足の筋トレを紹介します。

テレビを見ながら片足立ち

必ず何かに掴まって、片足を上げて1分。バランス感覚も同時に鍛えることができます。脚を高く上げる必要はありません。

【簡単スクワット1】基本のスクワット

両足を肩幅に開いて膝が前に出ないように、深く椅子に腰掛けるつもりで腰を落としていきます。なるべくゆっくりやったほうが筋肉の運動になります。膝に痛みを感じるなら、感じる手前までで構いません。

【簡単スクワット2】相撲スクワット

基本のスクワットより足を広めに開き、つま先を45度外側に向け、腰を落としていきます。このとき、膝を必ずつま先の方向に曲げるようにしてください。これはそれほど深くしゃがまなくても大丈夫です。

【簡単スクワット3】椅子を使ったスクワット

膝に痛みがあってしゃがむのが怖いという方は、椅子を用意し、椅子にお尻がつく直前まで腰を落とし、また立ち上がる運動をしてください。いずれもゆっくり行うのがコツです。

筋肉は何もしなければどんどんやせ細っていきます。しかし、何歳であっても適切に使い、トレーニングをすれば筋肉を落とさないだけでなく、増やすことも可能です。健康寿命のカギを握る筋肉をなるべくキープするために、できることからはじめましょう。

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