「羨ましいと思う相手が
持っているものは何か」
という言葉を見かけた

私の心に浮かんだ言葉は「文才」
そして
かつてはそう思っていなかったことを
思い出した

かつての私はこう言っていた
「私の心は
普通の人とは違う部品でできているんだよ
それはもはや
変質する前の本来のものに戻ることも
新しいものと交換することもできないんだ」
と……

普通でないことを嘆き
普通でないことが苦しみを招いている
と思っていた

長年の生育環境で
変質してしまった感じ方や考え方が
見えない鎖となって
がんじがらめに私を縛り上げていた
もろく傷つきやすい心は
上手く行かないことがある度に
ネガティブなループに入り込み
苦しみもがいていた
普通でない異質な者だという思いが
世界との間に壁を作り
自らを孤立に追い込んでいた

普通である人が羨ましかった

かつての私なら
「羨ましいと思う相手が
持っているものは何か」という言葉に
「苦しまずに済む普通の心」と答えただろう

苦しまなければ幸せになれる
普通であれば幸せになれる
そう思っていた

でもそれは
半分正しく半分誤りだ
今ならそう思う

ありのままの自分を認めてくれる人
との出会いが
私自身が存在することを許し
世界との間に作っていた壁を壊すに至った
虚しさに溺れていた自分を
ポジティブに甘やかし
意識して無理矢理にでも
気分を切り替えることで
ネガティブなループから抜け出す術を
身に付けた
苦しみながらも立ち向かい
考え抜き決断して行動した結果は
私に強さと充実感と幸福感をもたらした

今も私は普通ではない
でも、それでもいい
そんな私だから書けるものもある

苦しんでも幸せになれる
普通でなくても幸せになれる
20数年前のかつての私に
生き抜いて来た私だからこそ
今そう言ってやりたい

　最後まで読んでいただきありがとうございました。
　よかったら「スキ」→「フォロー」していただけると嬉しいです。
　コメントにて感想をいただけたらとても喜びます。