chikako shimada

座右の銘は「夢を叶える一番の近道は言葉にすること」 物心ついた時から大の映画好き、ジ…

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座右の銘は「夢を叶える一番の近道は言葉にすること」 物心ついた時から大の映画好き、ジャンルを問わず今は年間200本程度観ています。完璧な鑑賞者になるため日々精進中。2023年時点で2つの映画祭の審査をお手伝いしています。文章で映画と人を繋ぐお仕事をするのが夢です!

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    映画には学びがいっぱい! 教育・家族・哲学・科学・テクノロジー・人権・歴史・お金・社会…。 本や講義と同じように、アカデミックに楽しむこともできるはず。 映画で得た知識や感動、情報、気づきを掲載した記事を集めたマガジンです。 映画を通じて得られる学びをお届けします!! ※共同運営者の皆さまへ。 映画の感想及び、そこで得た学びが少しでもあれば、構いません。 過度な宗教・思想・社会・個人の批判と、過度な性的描写やグロ描写はNGですが、それ以外はある程度なんでもOKです。 遠慮なくどんどん記事を追加していただければ幸いです!

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最近の記事

映画「沈黙ーサイレンス」にみる「沈黙」って誰の何のための沈黙なんだろう

予告 https://youtu.be/0cUtOR-DL1A あらすじ 「沈黙」を観終わりました。まずは今思っていることを書かせて頂きます。 知識が浅いので歴史的観点からの感想は書けません。そして原作も読んでいないので「アメリカの監督が撮った日本を舞台にした映画」というフィルターが自分にかかっていることも否定しません。日本人に「獣のような存在」という表現を使い宣教師たちより劣った存在のように描かれていると思えてしまいました。そして日本を「キリスト教が根付くことのでき

    • 壊れかけた人生の回復を描いたロードムービー「マイ・ブロークン・マリコ」

      永野芽郁目当て寝落ち前提で観ましたが、ワタシ的には観て良かった「マイ・ブロークン・マリコ」 友情ものでお涙頂戴かと思いきやこれがなかなかハードボイルドな一本でした。 あらすじ 共依存だって友情だったんだ 共依存関係とも言える唯一の友人マリコ(奈緒)に自死という裏切りで関係を突然一方的に断ち切られた主人公シイノ(永野芽郁)。お互いに最も必要としていたはずの人に必要とされなかった孤独、とり残された辛さ、救えなかった罪悪感、そして怒り。 彼女はマリコが昔言ったひと言を思い出し

      • ただのSFとは思えなくなった映画「デイ・アフター・トゥモロー」(2004年)

        今年(2023年)の夏は本当に世界中が異常気象。去年までとは明らかに何かが違うと感じている方は多いと思います。 そんな中、今日は嫌になるくらい現実味を帯びてきた「デイ・アフター・トゥモロー」(2004年)をDisney+で観ることにしました。 この作品では主人公の気象学者(デニス・クエイド)が地球温暖化による南極の氷の融解、その影響を受けて大西洋の温度が激しく低下がすることで氷河期が到来するという異常気象発生の危険性を訴え続けます。 そしてそれが現実になった世界の様子を息

        • 濱口監督と是枝監督とエドワード・ヤン監督の「クーリンチェ少年殺人事件」

          「ドライブ・マイ・カー」の濱口監督もやはり台湾の監督エドワード・ヤンに大きな影響を受けたことが分かる記事です。 https://japan.focustaiwan.tw/entertainmen.../202307200006... このインタビューでの濱口監督の 「何重もの作りになっていて一度観ただけでは分からない」 「一つ一つの画面が充実している」という言葉、ものすごく分かります。 私も3回見てようやく少し作品に触れた気がしました。 是枝監督も「クーリンチェ少

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          一生に一度は観ておきたい「薔薇の名前」

          「薔薇の名前」は大袈裟でなく一生のうちに観ることができて良かったと思っている一本です。 今ならU-NEXTで観られます。皆さんに機会を逃してほしくないのでこれを書いています。 あらすじ 予告 https://www.youtube.com/watch?v=GyaDwdiJaZM ジャン=ジャック・アノーという監督 「愛人/ラマン」「セブンイヤーズ・イン・チベット」「小熊物語」のジャン=ジャック・アノー監督の1986年の作品です。 この監督は作品の振れ幅の大きさと切な

          一生に一度は観ておきたい「薔薇の名前」

          ハリウッドに見る敗者復活を讃える文化

          私はアジア映画が好きです。特にここ数年は台湾映画の良さに気づき、台湾の現代史も含め色々と勉強しています。 それでもアカデミー賞やハリウッド映画の在り方には時々心からの拍手を送ってしまいます。それはアメリカが敗者復活を許す文化だからです。 敗者復活を讃えるアメリカの文化 アルコールやドラッグに溺れ、敗者となった経験のある役者といえば私はロバート・ダウニーJr.とミッキー・ロークを思い浮かべます。どちらも映画好きなら必ず知っている人ですよね。 ロバート・ダウニーJr.

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          大人にこそ観てほしい「スミス 都へ行く」と「紳士協定」

          日常を頑張って生きていると時々無性に「正しい」映画が観たくなります。そういう時私は「スミス 都へ行く」や「紳士協定」を観ます。(両方ともアマプラで観られます) この2本はいつだって、善い人間としての生き方を問いかけてくれる気がするのです。 「スミス 都へ行く」(原題:Mr Smith goes to Washington) フランク・キャプラ監督、1939年の作品です。何十年経っても民主主義のあるべき姿を私たちに教えてくれます。 あらすじ: 主人公を演ずるジャームズ

          大人にこそ観てほしい「スミス 都へ行く」と「紳士協定」

          原題を知ると良さがより伝わってくる一本「チョコレートドーナツ」

          「チョコレートドーナツ」の原題は「Any Day Now」です。 観た方は分かると思うのですが「チョコレートドーナツ」というタイトルからは失ったもの(チョコレートドーナツが好きだった男の子)への悲しみを強く想起しますよね。 原題「Any Day Now」は「きっと良いことが訪れるだろうなあ」「もう直ぐ良いことが起こるはずなんだけどなあ」というニュアンスの言葉です。 ここには失った悲しみより、それを超えて「きっと良い事態になるはず」だという「希望」が表されています。主人公が

          原題を知ると良さがより伝わってくる一本「チョコレートドーナツ」

          誰のための愛なのか 観客に答えが委ねられる映画「エゴイスト」

          2023年上半期もほぼ終わり、今年前半のmy bestを決めようとしていたら素晴らしい映画に出会ってしまいました。 監督・脚本:松永大司✖️キャスト・鈴木亮平、宮沢氷男の「エゴイスト」久々に邦画にやられました。 心を持っていかれた映画でした 初めて観た時は途中で色んな感情が生まれ、観終わった後はしばし呆けました。心を鷲掴みにされ持っていかれた、その表現がぴったりでした。 数日経っても折に触れこの作品のことを考えてしまう。そうとしか言えない状態からまだ抜け出せません。 ただ

          誰のための愛なのか 観客に答えが委ねられる映画「エゴイスト」

          生き写しバトル/ショートショートに挑戦

          私には厄介な持病がある。時々辛さに負けそうになるが人間とはうまくしたもので、私は自分なりの対策を編み出した。 今日はダメだという時は鏡を用意し、その中の自分の頑張りを思い切り褒めてやる。これはかなり効く。人間は誰かの支えがあると踏ん張れる生きものなのだ。 今朝も辛い状態で1日が始まった。鏡を用意し紅茶を飲みながら自分を応援してみたが今日は何かが変だ。辛くて声を出すのがやっと、笑顔になんかなっていない筈なのに鏡の中の私はニコニコしている。頭痛のあまりちゃんと見えていないのか

          生き写しバトル/ショートショートに挑戦

          「スーパーマン リターンズ」とシャマラン監督の「サイン」ー2つとも「希望」を見出そうとする人のための映画です。

          全然テイストが違う作品なのに同じものを与えてくれる映画たちっていますよね。私にとっては「サイン」と「スーパーマン・リターンズ」がまさにそういう作品なんです。 M・N・シャマラン監督の「サイン」 映画好きな人ならM・N・シャマラン監督は絶対知っていますよね。そう、あの「シックス・センス」の監督です。 非現実的なストーリーを現実的に着地させてくれる作品は毎回すごいと思うのですが、特に最近の「OLD」や「Mr.ガラス」はこの原点回帰の感が強くて嬉しい限りです。 さてメル・ギ

          「スーパーマン リターンズ」とシャマラン監督の「サイン」ー2つとも「希望」を見出そうとする人のための映画です。

          映画「アフター・ヤン」心が満たされる美しい一本です。

          映像も感情表現も坂本龍一のオリジナルスコアも隅から隅までとにかく美しく静謐な一本。監督が小津安二郎を敬愛していることに納得。 予告 https://www.youtube.com/watch?v=Ejcbx2fO_Os 近未来を舞台に、テクノ(この作品ではロボットをこう表現する)のヤンが動かなくなったため修理先を探すうちに、持ち主のコリン・ファレルが彼のメモリに辿り着き、ヤンの密かな思いを知るというストーリー。 「人間を人間たらしめるものとは」と考えさせてくれるのはロビ

          映画「アフター・ヤン」心が満たされる美しい一本です。

          良質なドキュメンタリーを配信するサブスク「アジアンドキュメンタリーズ」を知ってますか?

          アジアンドキュメンタリーズって? アジアの良質なドキュメンタリーに特化したサブスクが「アジアンドキュメンタリーズ」です。 会員登録(無料)すれば観たい作品のみレンタルして観られます。 なかなか知ることのできないアジアに出会える貴重な場です😀 https://asiandocs.co.jp/?gclid=CjwKCAiAy_CcBhBeEiwAcoMRHG883D83Ls4RFsvJgiTwNbbd1TkPZs-JjnCwHde4W1zQ-g4iF6LqihoCpvkQA

          良質なドキュメンタリーを配信するサブスク「アジアンドキュメンタリーズ」を知ってますか?

          映画の役割ってなんだろう。

          雑感 noteに書いているおかげで映画についてじっくり考える機会が増えました。 私は映画というものが本来持つ役割は「作品を通して人間の本質を語ること」だと思っています。それが人間の善き本質なのか悪しき本質なのかはどちらでも良いのです(そもそも善悪の二項対立で人間を語ることはできないですもんね) 学生の時に本で読んだのですが、演劇は宗教儀式の一環として発生したので、それ故カタルシスが不可欠なんだそうです。おそらく宗教儀式としてのカタルシスは神に帰依させることを目的とした心

          映画の役割ってなんだろう。

          フィルムアート社「映画が映画にさようならを告げている」

          読むべきか読まざるべきか  「映画が映画にさようならを告げている」――なんて悲しいフレーズなんでしょう。 読んだらあまりに同感して泣いちゃうかも。フィルムアート社の新刊『映画よさようなら』 現代における映画という存在の変容と本質の再考なんだろうなあ。目を逸らしてはいけないことだし、映画の変質はヒシヒシと感じてますよ、分かってますよ。 変化の先にあるものを考えたくて買いました。 どんなことでもただ諦めるっていうのは性分に合わないのです。

          フィルムアート社「映画が映画にさようならを告げている」

          役所広司ありきの一本「すばらしき世界」〜世界は完璧ではなくても優しくはなれると私は信じたい。

          人でも物事でも、些細なきっかけで狭間に落ちてしまうことがあります。いつでも誰にでも起こりうることです。 そしてそれがどんな結果になるか誰にも予想ができないのも真実なのです。 「すばらしき世界」はそんな映画でした。 役所広司ありきの「すばらしき世界」 観た方は皆さん思うでしょうが、役所広司ありきの一本です。面目躍如ってきっとこういう時に使う言葉なんでしょう。 もちろん、泣き顔を一切撮らずにミカミの涙を強烈に感じさせてくれるなどの西川監督のマイナスの演出の手腕によるところが

          役所広司ありきの一本「すばらしき世界」〜世界は完璧ではなくても優しくはなれると私は信じたい。