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[小説] 天使と悪魔とサボテンの花
天使と悪魔とサボテンの花
目黒楓
第一章
空を描く天使
3ヶ月ぶりだ。私は成田の空港の地に降り立った。
今回目指していた旅は夢及ばず、一時実家へと帰路へ着くこととなった。
一人の昔ながらの友人と東京駅で会う事になった。この再会が一つの別れである事も知らないまま。
遡る事一月前、私はロンドンに居た。
NEW第3片 コーヒーを一杯飲めますか?
急いで荷物をまとめベースメントから去ったXは大きなスーツケースを2つ持って、近所のロンドンの街をふらついていた。
「コーヒーを一杯を飲めますか?」
この質問に店主は快く答えてくれた。
「どうぞ、寒いね、旅行かい?ミルクは入れる?」
Xは寒さに震えつつまごまごと答えた。
「しばらく近所に住んでたんですけどね…これからパリにでも行こうかと。ミルクは…ラテにできますか?」
店主は笑いながら言った。
もしもしもしも③〜余談
いやー😅
だいぶ放置してました😵
Google alpha 碁 シリーズに関することは後からまた記事にするとして、囲碁における不思議なバグみたいな無限ループの状態があります。
サンコウ(三コウ)と呼ばれるものです。
そもそもコウ(一コウ)はお互いに交互に取り合うことで無限ループが発生する現象なのですが、これは頻繁に発生するためルールで無限ループしては駄目なことになっています。
もしもしもしも②〜信長がもし
日常会話で頻繁に登場する箸休め的なフレーズとして
「日本は単一民族の島国国家だから、ガラパゴス化するのもしかたないねぇ。」
>>>>思考停止<<<<
色々と突っ込みどころが満載な気もしますが、少なくとも鎖国は長かったですね。
200年くらい鎖国していましたから、閉鎖的な根本思想が根付くのは仕方がないと思います。
ただ似たような地理関係にあるグレートブリテン及び北ア
もしもしもしも〜歴史のIF
たまたま🍒学生時代の同級生とメッセージをやり取りしていたら、
よくある、文字ぽちぽちするより通話で話したほうが早いという勢いで
>>>>突然の通話<<<<
>>>>しかし電波が悪い<<<<
「もしもし?もしもし?もしもしもしも?」
という謎のノリで応答してしまったMisaさんですが…
このかつて死語になりつつあったものの、携帯電話の普及や、個人情報保護の
生まれた事は罪になりえるのか?
「生れた事は罪になりえるのか〜真の悪は存在するか〜」
死刑制度の是非は現代社会において、多く議論されつつも先進諸国の間ですら制度がバラついています。
経済的な力や、それを担保する産業といったものさしで比べようとしても相関性はあまり見受けられません。
この画像は死刑制度の認否を色分けした国別配置の地図です。
(Wikipediaより引用)
https://ja.wikipedia.org/
NEW 第4片 ユーロスターの味がする
第4片
共通の友人Mから同居人Nが釈放されたとの報を受けた。どういうカラクリになっていたのかは定かではない。
何分と辛い思いをしたそうで誰とも会わずにホテルに籠もっているという。
Mから私はパスポートを正しく持っていたのだから上手く話をまとめて居座ればホテルに泊まらなくても良かったのにと言われたが、警察に囲まれて同居人Nが逮捕されている中で下手に言い逃れを試みる方が怖く思えた。
そもそも部
第2片 警察だ!パスポートを出せ!
三晩明けただろうか、私は£1500という大金を手にした。そして私の心持ちは少し変わっていた。
£1500という大金を手にした、Xは思い描いていたニューヨークからパリへと進路を変更することを考えていた。
パリに行くのは初めてではない、二度目のパリ、そもそもロンドンに来るのも三度目だ。
アメリカには10年以上前に行ったことがある。
しかし、新しいアメリカをXは知らない。ロサンゼルスとシアトル、
第1片 はぁ…疲れた
はぁ…疲れた。同じ事の繰り返しに。空に浮かんで根のない葉になりたい。
人生は退屈だ。毎日同じ事の繰り返し、求めているものはいつ手に入るのかわからない。むしろ手に入らないのではないか、それにもし本当に望むものを手に入れたとしても、それは真に求めているものなのだろうか。答えを探して今日も夜が更ける。
ここはベースメント、地下だ。私はいまロンドンの少し中心から外れたところにいる。少し古い音楽を聴いている
業の秘剣 第十五片 婚約者
「はは、その質問はたまに聞かれる。だが、そうではない。
生粋の機の大都の生まれ…と言いたいところだが、大都の生まれですらない。
西の果の帝国の海外領の生まれだ。」
俺は驚きを隠しきれないまま質問をぶつける。
「帝国の海外領?西の果の帝国が手中に収めた、新大陸のことか?」
通訳は微笑を加えつつ答えた。
「ふふ、お前は少しばかり教養があると見だぞ。
いまでは新大陸と言われてるが、元々住ん
業の秘剣 第十四片 ヘナ
(この完璧な話しざまは教育を受けているに違いない。
どの家の生まれだろうか?もっとも俺は家の名前なんてよくわからねえがな。
さて、この三人の関係に深入りする気はない。)
――目先の獲物を確実に狩ろう――
三人の結論は出た。芸人を招くそうだ。
給仕人が本題を切り出す。
「それでは、酒瓶とグラスを持ってきます。飴玉を添えて。」
しばしして、給仕人が酒瓶とグラス、加えて皿に乗った山盛りの角
業の秘剣 第十三片 忌々しい
はっはっ、このときは俺も芸人になった気分だったぜ!
俺はすかさず前の男に耳打ちした。
「酒盛りには肴が大事ですって…お忍びなのはわかりますが、見てくださいこの部屋の作り!表からは寂れた酒場にしか見えないですが、中のそのまた中にやっと素晴らしく小奇麗な部屋!こんな隠れ家は初めて見ました。」
さらに給仕人に流れを委ねてみた。
「ここの部屋の戸締まりは万全かね?ほら…例えば…酒に溺れたヘル君のよ
業の秘剣 第十二片 ッッ
暗い…
洞窟のようだ。はは、これは驚いた。
まさか穴が掘ってあるとはねえ。
とはいってもたかだか数歩の距離で先にさらに扉がある。
扉からは光がこぼれていたので足元は辛うじてみえた。
前の一人が先のドアにたどり着いたとき、真ん中の一人がつまずいた。
「ッッ」
これは驚いた。
この微かに漏れた声は女の声だ。
まさかこんな下町の夜中に異邦の…おそらく機の大都の…女が出歩いているとは。
業の秘剣 第十一片 チャリ
俺は天を掴んだ心持ちだった。
これは一隅の機会だと直感でわかったんだ。
奴らがあえて全身を隠す必要はないと思ったがね。
前の男は店主に近づくと、こう言ったんだ。
「ヘル君を探していてね、探ったところどうも此処に居そうと踏んだのだが。」
店主はまたもや淡々としてやがる。
「誰から聞いたのかね?」
前の男はやたら高圧的だった。
「覚えているわけなかろう。さきほどの言葉では足りないのか?