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映画「マイ・エレメント」感想

こんばんわ!ハイエナのねいねいです。
遂に日本でも公開されたピクサー映画の「マイ・エレメント」。

アメリカではオープニングの興行収入は悪かったものの、その後の口コミで挽回し、中国や韓国では大ヒット中の作品です。

ちなみにねいねいは字幕と吹替の両方を見てます。


🌈✨「マイ・エレメント」とは

2023年8月4日、日本公開。
「アーロと少年」ピーター・ソーン監督作品。

"思いやりや共感力を持って、他者と繋がって生きる"というテーマが描かれており、「火」と「水」の正反対の性質を持ち、決して触れ合うことの出来ない2人が恋に落ちていくお話。

《あらすじ》
火・水・土・風のエレメントが共に暮らす都市エレメント・シティを舞台に、イマジネーションあふれる色鮮やかな世界で驚きと感動の物語が始まる。火エレメントのエンバー、水エレメントのウェイド、 ふたりの距離は近くて、遠い。 正反対のふたりの出会いは“エレメントの世界“にどんな化学反応を起こすのか?

🌈✨感想

ピクサー過去イチと言っても過言ではないほど素晴らしい作品。全体的にクオリティ高すぎる。(※好きすぎるがゆえにカーズは別枠です)

映像技術、表現、アイディア、音楽、ストーリー、キャラクターデザイン、どこを抜き出しても素晴らしい。化学反応どころか、神の所業。

コンセプトアート🎨

ピクサーのよくある、監督自身の体験がそのままストーリーに落とし込まれてるのでエレメントが生きてるファンタジーな世界でも、リアリティを感じられるストーリーになっていましたね!

「カーズ」を筆頭とする製作陣の個人的な映画、次世代のピクサーのこういうところが大好きです。

https://twitter.com/disneystudioj_a/status/1687750289430831104?s=46&t=vlgviwkGABQGwgQqYISQTg

何故、人間ではなくエレメントにしたのか?こちらの記事は内容がとても良かったです。

🌈✨ストーリーや世界観、キャラクターたち

エンバーの両親が、エレメンタルシティへ引っ越すところから物語は始まる。ご両親の表情からは、大都会に見る希望と不安、他のエレメンタルの態度への怒り。

移民の方々が新しい土地で生活する苦労が描かれており、多様性を求められる今だからこそ、いろんな人にとって移民のことを知る大切なシーンになっていると思う。

電車の中で水がお母さんにかかり、顔の火が半分消されちゃって、お父さんは水を恨んでるのが強く印象に残りがちだけど、その直前に、お父さんは雲にぶつかっているので、お互い様のような描写になってた。

※災害で全てを失ったとは言えど「何故、他の土地へ引っ越す必要があったのか?」が、劇中では理解できなかったんだけど、監督のインタビューに「アメリカで私を育てるため」と言っていたので、エンバーのご両親も"娘のため"を想って都会へ出ているのかもしれない。

《補足》
2回目に鑑賞して気が付いたのは、災害で全てを失ったときに、一からやり直すなら"より良い暮らしを求めて"と説明がありました。

水が乗る船は水槽みたい、風が乗る飛行船は、風船の部分が乗ると膨らんで降りると縮む、エレメンタルシティはどこか見たことあるような風景だけど、そこもしっかりとエレメントたちの特徴をとらえたデザインになっていて、街の隅々まで見ていてすごく楽しかった。

赤ちゃんのエンバーかわいいね。
お父さんの夢だからお店を継ぐ。小さいころからそう育ってきて、そして親の弱っていく姿、早く引退させてゆっくりさせてあげたいって気持ちが、エンバーの気持ちを本人が気が付かないところで押し付けちゃってて、体はそれに耐えられずに癇癪を起す。

ウェイドがすごくいいキャラクター。寄り添い方や行動がとても誠実。「癇癪も起こしたっていい」、今にも火が消えそうでボロボロなエンバーも「そんな君も綺麗だ」って言える。ウェイドの目からそれが本気なのも伝わるし、どんなエンバーもありのままを愛してる。

試合のシーンはとってもお気に入り。スタジアムに入場する時の演出は体に響く音や歓声、一気に惹きこまれるようになっていてワクワクした。

※正しくは「WE LOVE U LUTZ」 でした。

ラッツっていう黄色い雲の子可愛かったね。元気がないラッツを周りを巻き込んで応援、能力を発揮させる。ウェイドから始まる水のウェーブは心が躍ったし、その起点を作ることが出来る勇気、ここでもウェイドのすごさを感じた。☆ワ-(ノ。・ω・)八(。・ω・。)八(・ω・。)ノ-ィ!!!

ふたりで水漏れの原因を調べに行くシーンで徐々に距離が近づくのも、背景込みで雰囲気がとてもよかった。気球を膨らますシーンのワクワク感。ここでもヴィヴィステリアの曲「バブルデート」が流れていたの好きです。

泣きゲームで、ウェイドは気持ちを伝えた時「君に触れたい」その言葉に、エンバーもウェイドに触れたくてたまらないのに、触れられない辛い気持ちで泣いていて切ない…。

火と水は絶対に結ばれないとエンバーの母親に言われ占いをするシーン、ピクサーあるある要素の虫眼鏡と光で火を起こすのは、ピクサーファンにとっては、めちゃくちゃ嬉しい!笑

エンバーの火を利用してってのがまたいいよね。ここのアイデアは本当素敵だったし大好きだ!

エンバーが見たがってたヴィヴィステリアの花を見に行くシーンも、エンバーにとっては水の中に入るのはめちゃくちゃ怖いし、こちらもドキドキしたけど、リスクを賭けて見ることが出来た景色は最高。とても感動した。+゚(゚´Д`゚)゚+。

火だけでは不可能だったことが、水と風の協力のおかげで、火だって水の中を移動することができた!エンバーのひとつの夢が叶ったので嬉しい。

※余談、密封な空間だと酸素も無くなるので火も消える可能性があるんだけど、あの空間の中はどういう状態だったのだろう?深く考えちゃだめかな?

正反対の性質をもつエレメントで、触れ合えばお互いを消しかねない。でも相手を知って理解して、加減も調整できたのか、手と手が触れることが出来た。これは泣く( ;∀;)この時の背景がピクサーお得意の、背景の色味や見え方を変えてて、さらに素晴らしかった。

強化ガラスで堰き止めていたものの、水が溜まりすぎて崩壊。からのエンバーの行動も身の危険も顧みず一直線に青い炎を守ろうとする。その姿にお父さんやお母さんが大切にしてきた過去や教えを尊重していて、絶対守らないといけない、それもやっぱり捨てきれない本心なんだろうなと思った。

最後の座礼にもこの想いが込められていて、お父さんのお店は継げなかったけど、その想いは本物で忘れないことをお父さんへ示せたのはとても良かった。

お父さんに自分の気持ちを打ち明けるシーンは涙が止まらない。

監督さんのご両親が本作品の制作中に亡くなられているからか「伝えられるチャンスは多くない」ってウェイドが言っていたのも、何かひっかかって言い出せないってことはあるだろうけど、伝えたり、ちゃんと話す大切さを忘れないようにしたいね。

ウェイドどうせ生きてるんだろうって思ってたけど、まあ泣くよね。ウェイド生きてて本当によかったわ!!

夢に向かって出発するシーン、あの座礼のシーンも泣きました。お父さんのお父さんに座礼を返してもらえなかった悔いも気持ちが楽になれたんじゃないかなって思った。

全体的にとても良かったんだけど、細かいところ見ていくとさらに良い。衣装デザインやキャラクターのデザイン。それぞれ個性もエレメンタルの特徴をよく研究されてるなぁってのが伝わる。

可愛く描けたあぁぁぁあああああ!!!!でしょ

🌈✨伏線の仕込みと回収がうまい!!だからピクサーって面白い。

最高潮に感情揺さぶられるところで、さりげなく仕込まれてた伏線を回収してくるので、感動するシーンもさらにグッと来るものになってるので大好きです。

相手を泣かせるゲームをしている時の台詞を、ウェイドを泣かせて復活、生き返えらせるために回収。

ゲームをしていたときはエンバーを泣かせるターンで、最後はウェイドを泣かせるターンと、対象になっているのも上手い。

ピクサーは伏線が観客にバレないように仕込むのが得意なのだけど、台詞だけでなく、泣き虫だったのも、このための性格だった。

劇中にもこれほどかってほど、ウェイドの泣き虫を描いているので、ここぞとばかりに回収され、こちとら嬉しいわけです。お見事でした!!

🌈✨素晴らしすぎる映像クオリティ

やっぱり何よりすごいのは映像クオリティ。ピクサーは3Dアニメーション業界の中でも最先端を走る企業なので、新作が公開されるたびにすごいものを魅せてくれるんですが、「マイ・エレメント」はその"いつもの"より遥かにレベルアップしている!!

★エフェクトの表現

そもそも水の表現はアニメーション業界的にも1番難しいとされていて、それをメインキャラクターにするという挑戦に挑んでること自体すごいなと思うのですが、見事に水の動きや反射、色、水ができる最大限の表現をあれやこれや盛り込んでいて、とにかく素晴らしい。

火の表現もリアルにしすぎると怖いので優しく感じられるようにトゥーンレンダリングぽくして炎の特徴や力強さも残しつつ温かみのある表現になっていて、そこも大変良かったです。

そして、火と水のエレメントが合わさる化学反応も映像表現として観ていて楽しいものになっていました。ピクサーは台詞ではなく、表情で心を語る作り方をするのですが、人間ではないため全身で表現をしているところもエレメントというキャラクターの個性が輝いていましたね!!

エンバーが感情を抑えられないキャラクターのためか、エンバーは怒るときは、悲しんでるときは消えそうなぐらい透明になり、嬉しいときは発光😂してます。笑(※悲しんでいるときもちょっと発光している)

火とは?
物質と酸素が結びつく酸化反応が起こるときに熱と光を発します。この正体が火です。火は固定の質量を持った物質ではなく、可燃性の物質と酸素が反応して熱と光を出している”現象”なのです。

エンバーが火というより光のように見えるときがありますが、火は元々熱と光の現象なので、それが見えているのだと思います。

カーズでも「泥の表現すごいわー」とか、トイ4でも「雨のシーンすごいわー」とか、飛び抜けてすごいシーンはあるものの、マイエレメントについては、キャラクター自体がエフェクトで常に画面の中で登場し、さらにその2つのエフェクトが合わさった時にさらに素晴らしく、さらにさらに背景に2人のエフェクトが反映されるのだから。

★背景との化学反応

今までのピクサーって、キャラクターの心情に合わせて背景の色味とか変えたりして、背景も生きてるように表情があります。

でも、キャラクターと背景は別々の個体で成り立っている、マイエレメントももちろんその手法も使っているけど、さらにキャラクター自身のエフェクトが背景に影響を与えて別々の個体だったものが一体感を増して、より視覚効果的に心にグッとくる演出になっているので素晴らしい。

ヴィヴィステリアの花を見に行くシーンは、駅の中、水の中であまり光があたらない場所で真っ暗な世界。そこにエンバーを連れていくことで花を綺麗に見ることが出来たのも、エンバーのエフェクトが背景に色を付けることができたから。

エンバーというキャラクターが火のエフェクトだったことは、心情がそのまま背景の色味を変えることに自然にマッチしていたと思う。あそこの嬉しそうで楽しそうで感動しているエンバーはより一層"発光"しており、綺麗で忘れられないシーン。

《ビビステリアについて素敵な考察を見つけました》
ビビステリアの花は土と水から出来ており、そこへエンバーの光(太陽)と風が作り出した空気、この4つのエレメントが集まって花が咲いた。とても素敵な考察なので、詳細は引用元もご参照ください。

https://fusetter.com/tw/Q4CmxiK4#all

鉱石を踏むとエンバーの色が変わるシーンは、今度は逆に、背景がキャラクターに色を与えているシーンで、キャラクターがエフェクトだからそういうことも出来るんだなと。背景との化学反応も埋め込まれていて本当に見て楽しい。

★ウェイドの顔や目に注目!

ピクサーは表情で心情を魅せることは多いけど、面白い工夫がされていたのは、ウェイドが周りを映す鏡のように反射しているので、ウェイドが画面いっぱいに映るとき、もちろんウェイドの表情が見えるようにしているけど、

そのウェイドの顔に反射してエンバーの表情が見えるようになっていました。なので1画面に1キャラクターしか映ってないように見えて、2人の感情を見ることが出来るようになってます。

ピクサーの好きなところ、キャラクターが何を見つめているか?目だけで感情や物語を読み取ることができるとねいねいは思っているのですが、今回のウェイドがそこに特化しているキャラクターで、完全に液体の水の中では、目だけで表現していていましたね!

エンバーを愛していることが伝わる、ウェイドがエンバーを見つめる"目"が大好きなのですが、

冒頭でウェイドが違反を書いた報告書を上司へ送るシーンで、ガラスの扉越しに会話している時、エンバーが営業停止になると悲しんでいると、エンバーが発光していて壁にキラキラした模様を映し出していました。

その模様を見たウェイドは言葉では表してませんでしたが、美しいものを見たという表情をしています。

ファイアタウンで洪水が起き、エンバーとウェイドはお店に閉じ込められてしまいます。暑すぎる密閉空間で蒸発しそうなウェイドは、エンバーに愛を伝える台詞の前に、壁に映るあの模様(エンバーの発光)を見ています

ウェイドが見つめる先に、エンバー自体を見ていると同時に、エンバーを初めて意識するキッカケになった壁のキラキラ模様も同時に見ていてて、ちゃんと原点を見つめているのが大好きなポイントです。

★ピクサーの集大成

本当にどのシーンも1フレームごとにこだわりがすごいし、主人公がエレメントというエフェクト(視覚効果)なので、ピクサーのいつもやってる手法と相性抜群。ピクサーの良さを最大限に生かすことが出来た作品、集大成になってると思う。

コンセプトの段階から時間をかけたとされてますが、アイディア含め、納得のクオリティです。開発手法も今までの方法が通用しなかったみたいで、とても苦労したみたいですが、その頑張りと凄さが映像から伝わってきます。

🌈✨移民問題について

★違法建築をしているのに行政が見て見ぬふりをしている。

相手の事情を聞いてあげて、それを理解して、臨機応変に対応してあげることは、ルールとかに縛られずに出来たらいいなぁとは思うんだけど、でもルールはルールだろう、守れ!っていうのは永遠の葛藤だよね。

ここらへんは映画「ワース命の値段」でも語られていた(9.11の実話です)。ルールの強制執行は時に失敗に繋がることもある、人の気持ちに寄り添うことも大事。

この映画のテーマでもある、"思いやり""他者への理解"はそういう意味で優しい映画になってるのかなと思う。

そして、何故エンバーたちのご両親は違法建築をしているのか?ってところまで踏み込むと、移民は就職も困難貧困差別、また行政の手続きも正式に受けられない等の社会的な問題が垣間見えます。

これは移民を受け入れている国でかなり問題視されていて、移民問題に対して、行政の手が回っていないのが現状です。SDGsの半分の項目が移民に関係があると言われてるほど、解決しないといけない問題は山積みなのです。

移民ゆえに、何かしらの問題にぶち当たってる可能性がある。本人たちは移民をするそれぞれの理由があり、生きるためにやっているんだけど、その良ろしくない現状を生み出してるのも行政私たちかもしれません。そこの理解と改善、協力が必要だとねいねいは思います。

🌈✨音楽

予告の時点で良い曲がながれていたので期待していたのですが、本編も素晴らしく、おもしろい音や楽しいBGMが流れていましたね。

「ウォーリー」や「ファインディングニモシリーズ」を担当したトーマス ・ニューマンです。劇中歌「Steal The Show」もめちゃくちゃ良かったです。

ラウヴ「Steal The Show」

ラウヴ:誰かを自分の人生に迎え入れて、その人に人生を変えられることを恐れないでほしいということですね。少なくとも僕自身がそうであるように、僕らは自分自身のやり方に捉われがちです。けれど、最高の愛というのは時に、自分のすべてを揺るがすものだと思います。

https://front-row.jp/_ct/17640860/p2

この映画で1番伝えたいメッセージは「エンバーとウェイドのように違っていても一緒になれる」。この映画を作ろうと思ったのも「愛を祝福したい」から。

そんな監督の想いで、数々の恋愛ヒットソングを出しているラウヴを起用したのかもしれません。エンバーとウェイドの距離が縮まるシーンで流れるこの曲は、ラウヴだから世界中に響く曲なんだろうな~

歌詞もめちゃくちゃいいです。恋愛っていいなああああああああ!!笑

ちなみに、母方がラトビア系のようなので、ラウヴのご家族さんも移民のご経験がありそうです。ここも繋がっているのか!

🌈✨吹替について

ピクサーは先に音声を収録してからアニメーションを付ける開発手法で、声優がキャラクターに息を吹き込むため字幕派なんですが、エンバー役の川口春奈さん、ウェイド役の玉森裕太さん、自然な演技力でとても素晴らしかったです。

エンディングテーマは、字幕だと「Steal The Show」なので恋愛の曲ですが、Superfly「やさしい気持ちで」は、恋愛+新しい出発とも受け取れる歌詞がピッタリでびっくりしました。

エンディングは後日談の映像が流れているので、Superflyの新しい出発に向かうエンバーの気持ちを、歌詞は同じでもオリジナル曲より力強く歌っていて、アレンジも良いし、字幕と吹替で感じ方が違っていて比べる楽しさもありました。

台詞や翻訳、解釈が違ってたり、細かい部分はありますが、吹替でも十分楽しめる内容になっています。

🌈✨最後に

ねいねいはピクサー大好きマンなのですが「マイ・エレメント」はピクサーの中でも上位に来るほど、大好きな作品になりました。

他者に優しくなれるような作品、人との繋がりを描く作品は大好きです。この世界が思いやりのある優しい世界になってほしい。

とても良かったので、行けるだけ映画館へ足を運ぼうかと思ってます!!

感想第②弾としてX(旧Twitter)のスペースでマイエレメントを語る会をしました。ご興味ある方はコチラ🔻もよろしくお願いします!

その他、ディズニーとピクサーのnoteはマガジンでまとめてます\\\\٩( 'ω' )و ////🔻

オモチャもかわいい。

🌈✨その他、面白かった記事ら

https://www.crank-in.net/news/131333


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