Chikarum

音楽と読書とラム酒。 @Verny_duo と@Mr_Elephantsのドラム担当。…

Chikarum

音楽と読書とラム酒。 @Verny_duo と@Mr_Elephantsのドラム担当。読書会「象ゼミ」主宰。ゆとり世代男子2人による音楽雑談ポッドキャスト『Sunday Night Music』@Chikaipeをやってます。

マガジン

  • 愛すべきおバカ曲

    • 10本

    世の中には、人の心を虜にする「愛すべきおバカな曲」というものがある。 ひとたびそんな曲に出会うと、我々はその曲について考えることを止められなくなってしまう。きっと、そんな人間らしいおバカさこそが、我々が音楽を愛する一つの理由だからだ。 珠玉のおバカ曲たちに、我々は心から敬意を表したい。 Chikarum & onakaippei

  • ひとりごと

  • 音楽についての彼是

最近の記事

創業した音楽教育系スタートアップを脱退した話

共同創業したスタートアップを正式に脱退しました 先日、withTone(ウィズトーン)という自分で立ち上げた音楽系スタートアップから、身を引くことを決めた。共同創業したメンバーとじっくりと話し合った結果であり、今後は彼女がwithToneを全面的に引っ張っていく予定である。こんな風に書いてしまうと大袈裟に聞こえるかもしれないが、共同創業といってもそもそも何の投資も取れていないし、法人化にも至っていない。マネタイズもできていないし、もっと言えば2022年に入ってからはスタート

    • 大人の読書会「象ゼミ」を2年半継続して思うこと

      「象ゼミ」とは何か2020年の春、Covid-19の自粛期間中に色々な人と連絡を取り合う中で、大学時代の友人2人と懐かしい話で妙に盛り上がってしまい、その場が名残惜しいやら盛り上がりのノリも相まってやらで、なんとなく読書会を始めることになった。せっかくだから名前もつけよう、ということになり「象ゼミ」と名付けた上でステートメントまで書いてしまった。もっともゼミとは名ばかりで、一緒の本を読んだ上で好き勝手にいろんなことを話すだけなのだが、なんであんなに盛り上がったのかはもはや自分

      • I Don't Feel Like Dancin'/Scissor Sisters

        お気づきの方もいるかもしれないが、時折、「曲名/アーティスト名」のタイトルで記事を書いている。この記事がまさにそうだ。しかしこのタイトルには理由がある。我々は、「愛すべきおバカ曲」というテーマの下にこの記事を書いている。そこには、愛情とおバカさの両方が等しく揃っていなければならない。どちらに肩入れすることもできない。だから、客観的なタイトルを付けざるを得ない。ということにしておこう。 誰しも、時折とんでもなく恥ずかしい勘違いや思い違いをすることはあると思う。自分は、中学生の

        • アントレを学ぶことは自身を深く知ることだ

          バルセロナに来てから丁度2ヶ月が経過し、先週第2モジュールが無事に終わった。前回の記事ではHarbour.Spaceという大学院の特徴や、少人数かつインターナショナルな環境、そして英語の日常会話にやや苦戦しているという悲しい現実について書いた。ありがたいことに知らない方からご質問やご連絡をいただいたりしたので、今回はもう少し授業の中身について書いていきたい。ご参考までに前回の記事も載せておく。 授業の名前は「Limitless Human Becoming」モジュール2の授

        創業した音楽教育系スタートアップを脱退した話

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        • 愛すべきおバカ曲
          10本
        • ひとりごと
          6本
        • 音楽についての彼是
          2本

        記事

          バルセロナで学ぶアントレ教育について

          2020年の9月からスペインのバルセロナにあるHarbour.Spaceという一風変わった大学院で、High-Tech Entrepreneurship(直訳:ハイテク起業精神)を学んでいる。「Harbour.Space大学ってどこ?」とか「なんでわざわざそんなマニアックな大学院に行ったの?」等の興味を持っていただいた方は、下記の記事で少しだけ経緯や理由などを書いているので、ご笑覧いただければ嬉しい。 尚、ありがたいことにこの記事を書いてから、大学院で行われる授業やMBAと

          バルセロナで学ぶアントレ教育について

          柏手/クラムボン

          お気づきの方もいるかもしれないが、時折、「曲名/アーティスト名」のタイトルで記事を書いている。この記事がまさにそうだ。しかしこのタイトルには理由がある。我々は、「愛すべきおバカ曲」というテーマの下にこの記事を書いている。そこには、愛情とおバカさの両方が等しく揃っていなければならない。どちらに肩入れすることもできない。だから、客観的なタイトルを付けざるを得ない。ということにしておこう。 もう3年ぐらい前の話だが、新宿の末廣亭という寄席で聞いた枕(噺家さんが、落語の本編に入る前

          柏手/クラムボン

          バルセロナの「Harbour.Space」という謎の大学院に飛び込んだ理由

          はじめに全く何の自慢にもならないのだが、僕は「目的にフォーカスして勉強をやる」ということが苦手だ。細かいところが気になってしまうことが多く、本来の目的からすると枝葉末節にすぎない部分にいつまでも捉われてしまいがちである。そのため、壮大かつ緻密な夏休みの勉強計画を立てた2日後に計画が頓挫したこともあるし、自分が掲げた厳しすぎる目標によって自らの首を締めてしまったことも枚挙に遑がない。大学受験もごく簡単に言えば、そういうような調子で浪人してしまった。 それでも流石に30歳を超え

          バルセロナの「Harbour.Space」という謎の大学院に飛び込んだ理由

          貧乏性の街歩き

          最近、靴箱の整理をしていたら、去年1週間バルセロナに行く直前に買った黒いadidasのスニーカーの踵部分に小さな穴が空いていたことに気づいた。迷ったけれど、比較的気に入っていたのでもう少し履けるだろうと思い、まだ処分しないことにした。 学生時代は電車賃をケチって、よく新宿から渋谷まで歩いたりしていた。特に、代々木から原宿にかけての道のりは、いかにも賑やかな駅に挟まれているにも関わらず絶妙に殺風景で、なんとも心に堪えたことを覚えている。 この貧乏性というものは、なかなかどう

          貧乏性の街歩き

          ジャスパーモリソンとホワイトボード

          最近、うまく眠ることができない。ちゃんとベッドに入るのだが、どうにもなかなか寝付けない。日中はほぼずっとPCの前にいるし、寝る直前もスマホを眺めているので、脳が興奮していて寝付けないのだろうとは思うのだが、だからといってその習慣を簡単にやめられたら誰も苦労はしない。人間は意思の弱い生き物であり、僕もご多分にもれず意思薄弱である。仕方がないので寝ることを諦めてベッドを抜け出し、PCの前に戻り、何か書いてみようと思う。 PCやスマホを悪者扱いするわけではないけれど、最近、脳が落

          ジャスパーモリソンとホワイトボード

          Free For All / Art Blakey & the Jazz Messengers

          お気づきの方もいるかもしれないが、時折、「曲名/アーティスト名」のタイトルで記事を書いている。この記事がまさにそうだ。しかしこのタイトルには理由がある。我々は、「愛すべきおバカ曲」というテーマの下にこの記事を書いている。そこには、愛情とおバカさの両方が等しく揃っていなければならない。どちらに肩入れすることもできない。だから、客観的なタイトルを付けざるを得ない。ということにしておこう。 1964年は、音楽における大英帝国の復権と言える年だった。UKチャートを制覇したThe B

          Free For All / Art Blakey & the Jazz Messengers

          One Note Show/The White Stripes

          お気づきの方もいるかもしれないが、時折、「曲名/アーティスト名」のタイトルで記事を書いている。この記事がまさにそうだ。しかしこのタイトルには理由がある。我々は、「愛すべきおバカ曲」というテーマの下にこの記事を書いている。そこには、愛情とおバカさの両方が等しく揃っていなければならない。どちらに肩入れすることもできない。だから、客観的なタイトルを付けざるを得ない。ということにしておこう。 大学時代に、キャンパスで友人と高校生の思い出について語らっていたら、当時流行っていた音楽の

          One Note Show/The White Stripes

          Don't go back to Dalston/Razorlight

          お気づきの方もいるかもしれないが、時折、「曲名/アーティスト名」のタイトルで記事を書いている。この記事がまさにそうだ。しかしこのタイトルには理由がある。我々は、「愛すべきおバカ曲」というテーマの下にこの記事を書いている。そこには、愛情とおバカさの両方が等しく揃っていなければならない。どちらに肩入れすることもできない。だから、客観的なタイトルを付けざるを得ない。ということにしておこう。 ピラミッドは「金」の字に似ていることから、金字塔と呼ばれるようになったそうだ。転じて後世に

          Don't go back to Dalston/Razorlight

          「象ゼミ」という名の読書会

          Covid-19の自粛期間中に、大学時代に同じゼミで切磋琢磨した友人にふと連絡をとってみたところ、非常に会話が盛り上がってしまい、改めてZoomで飲むことになった。ただその友人は全くお酒が飲めないので、もう一人共通の友人(かつ僕にとってはバンドメンバーでもある)に声をかけて、3人で開催することになった。 他愛もない話やら近況報告をしていたら、あっという間に3時間くらい経ってしまったので、次回の開催日程をその場で決めることにした。その際に、「せっかくなので何かテーマを決めよう

          「象ゼミ」という名の読書会

          バンドっぽいピアノトリオ(後編)

          ※本記事は「バンドっぽいピアノトリオ(前編)」の続きです 自分の好きなピアノトリオの推し曲を集めたプレイリストを、初めて作ってみた。プレイリストの名前は、”Bandish piano trios”、つまり「バンドっぽいピアノトリオ」である(全20曲/約2時間)。 この記事では、自分の作ったプレイリスト「”Bandish piano trios"」の曲を1曲ずつ紹介している。是非プレイリストを聞きながら、読んでもらえたら嬉しい。プレイリストは下記。 それでは後編、スタート。

          バンドっぽいピアノトリオ(後編)

          バンドっぽいピアノトリオ(前編)

          先日、自分の好きなピアノトリオの推し曲を集めたプレイリストを、初めて作ってみた。プレイリストの名前は、”Bandish piano trios”、つまり「バンドっぽいピアノトリオ」である。ジャズを聞き始めた大学生の頃から、ピアノトリオ(ピアノ、ベース、ドラムで構成される演奏形態)が大変に好きなのだが、残念ながら根がロック少年だったこともあり、どうしてもリフがいい音楽に弱い。また固定のメンバーで一緒にやっていることで形成される独特のバンドサウンドに弱い。結局のところ、人間はそう

          バンドっぽいピアノトリオ(前編)

          忘れられた男

          その男は静かに息を引き取った。まるで娘の到着を待っていたかのようだった。独力で立ち上がれなくなった時期から、娘以外に関する記憶がほとんど朧げであったからかもしれない。彼女の呼びかけに目を見開いた後、ほどなくして旅立った。 娘は、ひとしきりの涙を流したのち、あらかじめ決めていた手筈通りに、実にテキパキと手続きを行った。その男の最期を見届けた医師は「今日はもう一人亡くなりそうだ。」と呟きながら慌ただしく部屋を出ていった。そして、入れ替わるように葬儀屋がやってきた。そんな具合に、

          忘れられた男