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読書人間📚『銀の匙』中 勘助

『銀の匙』 中 勘助 著  (新潮社版)


中勘助の自伝的小説。
前編、後編からなります。

前編が1910年(明治43年)
後編が1913年(大正2年)とwikiには書かれていますが本書には1912年に執筆と書かれています。


むずむずしい古典で読みにくいだろうと覚悟して挑んだものの、句読点が少ないかな?と思うくらいで、嗚呼、なんて綺麗な瑞々しい描写なんだあと、うっとり。

その部分を繰り返し読み直しながら淡々と美しさは流れ、流れ. . . . . . 


流れ . . . . . . . . . . . . . . .



もしや、
この美しいままに終わりを迎えるのでは. . . . ハッ!。
(後編の十四章はとりわけ好きです。)



中勘助は高校時代、英語教師だった夏目漱石と出会い、この処女作に評価を得ます。
本書の解説に夏目漱石からの評価が書かれている『夏目先生と私』の内容を記されていますが、そっくりそのまま大抵の人が感じる事ではないか?と私も思います。(ここでは割愛)


私は歪な方が読み物としては好きなのでちょっとばかり足りなさを感じますが、読み込む程に身に入って欲しいと思う文章であり、身につく程に何度も読み返したいと思う読み物です。
そう感じると確かに、感性も脳も柔らかい学生に課題図書として与えるには絶好品ですね。


読んでよかった。
美しい言葉、芳醇な言葉の流れを欲した時、手引書になりそうです。
逆にドロっとしているそうな『犬』『提婆達多』と言う小説も興味がわきます。読んでみたいですね。




解説 濱田純一
カバー印刷 錦明印刷
新潮文庫


カバーがシルバーで、印刷が渋くって素敵です。
しかも!天アンカット!!拘りあり!!燻し銀っ!!とテンションが上がり、美術本に勝手に決定!一生本棚入りです。
と言いますか、中勘助が読みたいと手に取ったのではなくカバーが素敵でお迎えしました。ジャケ買いです。
文庫の小ささとデザインが手のひらで品よくまとまっている様子はとても好ましいです。

もし、単行本サイズだったとしてもハードカバー、天アンカットで燻し銀デザイン、200Pちょいの薄さならゴツさが無く逆にお洒落かもしれませんね。

あ、欲しい。
それって素敵だわ!!!
新潮文庫さん、欲しいです!!

このデザインで皆さんにお薦めしたいところですが、ごめんなさい!同じ新潮文庫さんですが、同じカバーがAmazonには見当たりません!私は本屋さんで購入しました。
でも、こちらの装丁も可愛らしくて惹かれます。☺️

#本の記録 #読書記録  

🔫声、発声、機能を考える
ボイス・ボーカルレッスン/東京都 
音楽療法(医療行為は行わない)の観点からオーラルフレイル、口腔機能、老化防止を意識した呼吸法、発声のレッスンも行います。

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