マガジンのカバー画像

コラム「ちゅうざんの車窓から」

16
八重山日報・沖縄本島版にて2018年4月〜2019年3月まで隔週土曜日連載担当していたコラムです。過去記事のいくつか掲載しています。
運営しているクリエイター

記事一覧

コラム16「さよならだけが人生ならば。」

**2018年6月2日(土) 八重山日報・沖縄本島版 ※※コラム『ちゅうざんの車窓から』※※ NO.16「さよならだけが人生ならば。」** **「花に嵐のたとえもあるさ さよならだけが人生だ」。という言葉をご存知でしょうか。昔、唐の詩人・于武陵(うぶりょう)という人物が書いた五言絶句の「勧酒」という唐詩を、日本の作家・井伏鱒二(いぶせますじ)が訳した一節です。寺山修司をはじめ、多くの作家やアーティストたちにも愛されたこの言葉は、もはや元の詩を離れて一人歩きしているほ

コラム15「復帰46年目のオキナワ。」

**2018年5月19日(土) 八重山日報・沖縄本島版 ※※コラム『ちゅうざんの車窓から』※※ NO.15「復帰46年目のオキナワ」** ** 去る5月15日は沖縄返還から46年目の記念日でした。沖縄県民にとっては忘れられない日ですが、近年は、敗戦直後の1945年(昭和20年)から1972年(昭和47年)5月15日の沖縄返還までの27年間、この島がアメリカ合衆国の統治下にあった事実を知らない世代も増えているようです。沖縄の日本復帰に伴い、通貨はドルから日本円に切替えられ

コラム①ちゅうざんの車窓から「名前へのこだわり」

沖縄県八重山諸島を中心に購読されている新聞「八重山日報」が、今年の4月に沖縄本島版として本格的に沖縄県全域に進出しました。 そこで、今月より沖縄本島版にて私のコラムを掲載いただけることになりました!!! しばらくは、月二回の隔週土曜日掲載の予定です。掲載後は、こちらでも紹介させていただきますので、よろしくお願いします。 初回は、こちらです。 2017年10月7日(土) 八重山日報沖縄本島版 コラム ちゅうざんの車窓から 第一回『名前のこだわり。』  俳

コラム②「タイムマシンがあれば。」

2017年10月21日(土) 八重山日報・沖縄本島版 ちゅうざんの車窓から No.2 「タイムマシンがあれば。」  「タイムマシンにお願い」という楽曲が世に出たのは1974年。国内外で注目を集めていたサディスティック・ミカ・バンドよりリリースされました。1986年生まれの私がこの曲を初めて耳にしたのは中学生の頃。夜な夜な片想いの女の子について考えたり、将来について思いふける多感な14歳の私は、深夜のラジオから流れてきた「タイムマシンにお願い!」と叫ぶ印象的なフレー

コラム③「ポケットの中に。」

2017年11月4日(土) 八重山日報・沖縄本島版。 ちゅうざんの車窓から。 No.3『ポケットの中に。』  「こんなこといいかな できたらいいな♩」の歌い出しで始まる名作アニメ「ドラえもん」には、さまざまなキャラクターと秘密道具が登場します。四次元ポケットから出てくる秘密道具はどれも魅力的ですが、同時にどんなに便利な道具や発明があったとしても、それを使う人々が互いに協力し合わなければ困難は乗り越えられないということも描かれているように思います。  「漫画・アニメ版ドラ

コラム④「女神のヘアスタイル。」

2017年12月2日(土) 八重山日報・沖縄本島版 **コラム『ちゅうざんの車窓から』 **NO.4「女神のヘアスタイル」  中国には古くから「貴人との出会い」という思想があるそうです。どの世界でもそうですが、何かを成し遂げようとするとき、一人の力でできることは限られていて、必ず誰かの力を必要とします。明治維新の立役者・坂本龍馬は勝海舟と出会い、知見を広げたことで薩長同盟を結び、亀山社中を設立しました。リバプールの人気バンドだったザ・ビートルズの四人はプロデューサーの

コラム⑤「靴を磨けば。」

2017年12月16日(土) 八重山日報・沖縄本島版 ※※コラム『ちゅうざんの車窓から』※※ NO.5「靴を磨けば。」  「お洒落は足下から」と言われるように、靴がピカピカに磨かれている人は、それだけで「身だしなみに気を使っている人」という印象を受けます。 「 人は見た目が9割」「人は見た目が100パーセント」といった書籍やドラマも話題になりましたが、第一印象で好感を持たれ、魅力的と思われる人にはどんな特徴があるのでしょうか? 以前、私が記者として働いていた頃、

コラム⑥「人生はキネマのように。」

2018年 1月5日(金) 八重山日報・沖縄本島版 ※※コラム『ちゅうざんの車窓から』※※ NO.6「人生はキネマのように。」  「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」と語ったのは、世界の三大喜劇王のひとり、チャーリー・チャップリン。俳優、映画監督、コメディアン、脚本家、映画プロデューサー、作曲家などの活動を通じてハリウッドのみならず、世界中に影響を与えた彼の作品は、何度見ても色褪せない感動と発見に満ちています。孤児院で育ち、極貧生活を送っていた子ども

コラム⑦「世間の声とは誰の声?」

2018年1月27日(土) 八重山日報・沖縄本島版 ※※コラム『ちゅうざんの車窓から』※※ NO.7「世間の声とは誰の声?」 「不倫報道」最近、多いですよね。特に一昨年あたりから、政治家や芸能人 の不貞行為や男女の密会に関するスクープがかなり増えています。そもそも、 いつの世にも不倫はありますし、古今東西の文学の題材にもなっているくらい ですから、不倫自体が増えたのではなく、不倫報道の過熱ぶりが異常だという べきかもしれません。特に「文春砲」とい

コラム⑧「選挙は結果がすべて。」

2018年2月10日(土) 八重山日報・沖縄本島版 ※※コラム『ちゅうざんの車窓から』※※ NO.8「選挙は結果がすべて。」  去る2月4日の沖縄県名護市長選挙において、新人の渡具知(とぐち)武豊氏が前二期市長を務めた稲嶺進氏を破り初当選を果たしました。選挙は結果論ですから、名護市民は米軍普天間飛行場の辺野古移設反対を主張し続けて来た稲嶺氏ではなく、事実上容認している渡具知氏を市長に選んだということになります。さまざまな反応がある中、選挙結果に対する県内主要

コラム⑨「桜の季節、なに想う」

2018年2月24日(土) 八重山日報・沖縄本島版 ※※コラム『ちゅうざんの車窓から』※※ NO.9「桜の季節、なに想う」 「さまざまの事おもひ出す桜かな」(松尾芭蕉)。古来から多くの俳句や和歌のテーマにもなり、現代でもアーティストたちが桜にまつわる楽曲や作品で描いているように、我々日本人にとって桜の花は特別な存在ともいえます。東京ではまだまだ寒い日が続いていますが、沖縄では桜も散り始める頃でしょうか。 本土で見る桜の8割は「ソメイヨシノ」ですが、沖縄の桜といえば正

コラム⑩「ラブレターを贈ろう。」

2018年3月10日(土) 八重山日報・沖縄本島版 ※※コラム『ちゅうざんの車窓から』※※ NO.10「ラブレターを贈ろう」  三月。学生は卒業シーズン、お勤めの皆さんは転職や人事異動などが多い時季ですね。新たな出会いに心弾むものの、慣れ親しんだ環境や仲間たちとの別れはやっぱり寂しいものです。本音を言えば、期待よりも不安の方が大きい。卒業ってそういうものだったりします。いつの時代も「卒業」という言葉にはどこか寂しさや切なさが含まれていて、大切なものが抜け落ちたような気持

コラム11「日曜の夜は、ちゅうざんラジオ。」

**2018年3月24日(土) 八重山日報・沖縄本島版 ** **※※コラム『ちゅうざんの車窓から』※※ ** NO.11「日曜の夜は、ちゅうざんラジオ。」 ** 新年度を迎える 4 月より、私の以前から念願だった自身のラジオ番組がスタートすることになりました。沖縄県浦添市にある FM21さまにご縁をいただき、浦添市・宜野湾市・西原町・那覇市エリアを中心に配信します。西原町出身で那覇市で大学生活を送っていた私としては、地元でラジオ番組をスタートできることをとても

コラム12「ちゅうラジ 始まります!」

2018年4月7日(土) 八重山日報・沖縄本島版 ※※コラム『ちゅうざんの車窓から』※※ NO.12「ちゅうラジ 始まります!」  新年度、ついに始まりました。就職や進学、部署移動や学級編成で新しい生活がスタートしたこの4月。慣れない環境の中、期待もありつつ、まだまだ不安もありますよね。本日は新年度のスタートからちょうど一週間。最初の週末とあって、この一週間の振り返りや来週から本格的に始まる新生活について考える方も多いのではないでしょうか。慌ただしい時期だからこそ、自分