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【芦原妃名子さん追悼】マンガ・小説の原作物を守るための提言。


先生が亡くなられて10日あまり経ちました。まずは先生の御冥福をお祈り致します。

私は普段セラピー関係や自己啓発系の記事を書いておりますむくむくと申します。
私は昨年セクシー田中さんのドラマをずっといち視聴者として拝見していました。なので今年すぐこういう事が起きて、初めスマホでニュースを見た時ネットニュースの誤報かと思ったくらい信じられませんでした。

今回の事が起こり、ある分野で創作家の活動もしてまして、漫画等の出版に近い分野なのでこの一件が決して他人事とは思えず、緊急ではありますが以前から思っていたある提言をさせて頂くため記事にしました。

私は物語を読むのも、自分で制作するのも大好きです。
なのでこの一件を知る前から漫画や小説の原作が何故か実際の現場ではあまり大事にされてなく、映像化の契約料も少なくてDVD化や配信等に関してもほぼ収入は入らないということも知っていました。
ただ流石に原作の方がこんなにテレビ局や制作の方から軽んじられているとは夢にも思いませんでした。そこには必ずゼロから話を生み出す原作者へリスペクトがあるだろうと思っていたからです。
不思議なのは、原作者の方は商業の中で出来うる作品を純粋に生んだのに、映像化になると他の人間の様々なエゴが入り込んで別物になり、本来は協力関係を築いていくべき組織や人間と何故か敵対する流れになったりしていることです。
これは権力が集まる大きい組織程、昔ながらの重たい思想や在り方が今も色濃く残っていることを表していると思います。

さてこういった今の現状が改善されずにこの令和まで続いているのですが、これからどういった事ができるでしょうか。

●労働組合を作る

これまで作家の方は基本的には個人で仕事をしていると思いますが、これには限界があると感じます。やはり出版社が大きな組織であるのに対して個人の作家がどれだけ声を上げられるかと言う話になって来ると思います。

まず前提としてお話しなければならないのは、出版社側は必ずしも作家さんの味方ではないということです。
編集者は基本的に会社の利益のために動いています。もちろん熱意のある編集者もいると思いますが、もし組織として会社で決定されたことであれば、一会社員の編集者は例え理不尽な事にせよそれに従わざるを得ないのです。

それに残念ながら新人や実績の無い人に対しては全く言葉を選ばない偉そうな編集さんを私は何人も見てきました。
持ち込みでは作品否定、人格否定、才能否定、これまでの人生否定を言う方も割と多くいらっしゃいます。

編集と作家は芸能人と芸能事務所やプロデューサーの関係に似ているかもしれません。
プロデューサーはこの番組に出す、という決定権を持っているので基本的に芸能人は彼らに最大限気を使い逆らいません。
編集者も同じです。雑誌に連載させてもらう、本を出版する決定権は彼らが持っているのですから、作家さんは彼らに対して特に新人の頃にはとにかく素直に従うしかないのです。
ただ、もちろん例外はあります。

生意気でも圧倒的な才能と売れる作品が書ける場合。
昔ジャンプの編集の方に直接話を聞いたことがあるのですが、面白い漫画を書いてくれれば作家の性格は問わないし関係ないと言っていました。

ただこれは雑誌や出版社によっても全く方針が違いますし、逆を言えば圧倒的な売れる作品を書ける才能がない場合は、「大人しく従うスタイル」の人しか受け入れられないということですね。

なのでよほどの売上を誇る大物作家さんか、よほどのコミュ力を持っている方でもない限り、一人で出版社やテレビ局側と対等に話を持っていくのは現時点では無理だと思います。

なので作家さん達の間で労働組合を作り、法的な事を任せる専門家の方も入れて契約や取り決めに関して改善していくのが現実的なやり方だと感じます。

ただ現時点では作家さんの間からそういった話は出てきてないですよね。今回の一件からまたそんなに日数が経ってないことなので無理もないと思いますが、先日ハリウッドではAIに関しての脚本家や俳優による大規模なデモやストライキが起きました。
待遇の改善や動画配信の収益分配の引き上げ等を求めて行われたもので、数ヶ月のストライキの末に制作側との交渉で合意に達し、両者の間での条件を取るに至ったという事ですが、日本ではこういった話は滅多に聞きませんね。
このまま黙っているだけでは搾取されるだけですので、何か動くことも必要ではないでしょうか。今回吉報なのは一般の方が原作者の味方になってくれているということです。今の世論の波に乗り、将来的にこういった話が出て来ることを願っております。

そしてもう一つ、提案というか対抗策があります。
「映像化に関して許可をする原作者を極端に減らす」というものです。

今までテレビ局側は企画が通りやすいからという理由で既に人気のある作品や出来上がってる作品を使いたがってきました。
それが今回の一件で映像化に不安や不信感を覚える作家さんも増えたと思います。
映像化の話が来たとしても、相当の条件の良い話でない場合は断る、という事をそれなりの数の作家さんがやれば、
映像化できる原作の数が今までの半分(出来れば三分の一)以上減れば、映像を依頼する側も今の搾取的な条件を見直すなり改善しようとするのではないでしょうか。
そうでなければ、オリジナル脚本のみで勝負するしかなくなっていき、困るのはテレビ局側です。
(脚本家の方は逆にそちらの方が嬉しいのかもしれませんが…)

これは変に出版社とも波風を立てずにできる、映像化に関してテレビ局や出版社に出来る個人レベルでの間接的なボイコットにもなるかと思います。
作家さん側もこの機会に、どういった条件なら本当に自分は納得するのか吟味し、実際に映像化の話が来たらその条件を付けるのです。
そして、それが守られない場合や話が通じない、納得できない時は、ためらわずNOを突きつけてほしいと思っております。

●それでも改善しなかった場合は…

  

それでも一向に改善しなかった場合。
または、作家の方にとって満足のいく改善ではなかった場合。
これまで過去に自分の了承も得ずに勝手に出版社に映像化された、グッズ化されたという事を告白している方がいました。
また条件付きで映像化のOKをしたのに、局側が守らず誠意のない対応をするといった事が今後も繰り返される場合ですが、「こういった事があった」と理不尽な待遇をネットで声を上げる原作者の方はこの先も一定数ずっといらっしゃると思います。

そうなるといずれかのタイミングで、海外の方でニュースになると思います。
既に芦屋先生の件については海外でも報じられていますが、今度は「原作の軽視」。
ひいては大きい企業側のみ儲けて、実際に制作する人へは還元されないという日本特有の問題が可視化されていくのではないかと思います。

日本の漫画アニメは海外でも人気なのに、契約があまりにも脆弱で著作権という法律があるにも関わらず守られていない。
そして原作者には映像化に100、200万円程の契約金しか支払われない。欧米や欧州の感覚では一般会社員の月収にも満たない額でしょう。

多分相当驚かれると思います。
ジャニーズの時と同様に人権問題に発展し、海外から非難され、それでようやく変わろうとなると思います。
ここまでの社会的な騒動になり、一連の制作の在り方が既に変わるフェーズに入っているので、大きな時間はかからないのではないかと思います。

以上が私が今回提言したい内容になりました。
 
この数日どう言えば伝わりやすいか、ああでもないこうでもないと考えながら書いて直してを繰り返しました。

今言えるのは、この記事が大げさだったね。見当違いだったね。と言われる位、映像化や著作物への在り方が良い方へ。
クリエイティブな仕事をしている人が二度とこういった思いをしなくて済むような、安心して創作ができる開かれた世界になるよう改善されることを切に願っております。

※この記事は一定期間後に有料にさせてもらう予定です。

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