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最も効率の良い運動とは?

はじめに

せっかく運動するなら効率的にしたい!それはみなさん考えますよね。
痩せるなら筋トレしたらいいの?走ったらいいの??
今回はそんな目標に対してどんな運動が最も効率が良いのか。そんなテーマに対して答えとなりそうな論文がありましたのでそちらをご紹介。
今回ご紹介する論文は、運動が心肺機能、筋力、持久力、体脂肪量にどう影響するかについて、これまでのいくつかのランダム比較試験の結果をまとめた論文となります。
今回の研究では、有酸素運動と筋力トレーニングを運動と定義して調査をしているようです。

調査されたランダム化比較試験について

今回行われるようなランダム化比較試験とは、運動プログラムを行うグループと行わないグループに無作為に参加者を分け、結果を比較するといった試験です。

研究の参加者は、体重指数 (BMI) が 25 kg/m2 以上である過体重または肥満の成人でした。
定期的な運動プログラムを行なってもらい、 VO2max、筋力、持久力、体脂肪量 の変化量が測定された。
合計 81 件の ランダム比較試験を調査し、研究対象者の平均年齢は 43 歳、平均 BMI は 31 kg/m2 でした。
運動プログラムの期間は 8 週間から 52 週間まででした。
論文によると、運動をすることでVO2max(心肺機能を表す指標)、筋力、持久力、体脂肪量などの測定値をすべて改善することがわかりました。

運動の種類による効果の違い

有酸素運動のみ: 持久力を向上するのに最も効果的でした。
筋力トレーニングのみ:筋力を向上するのに最も効果的でした。
有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせ:体脂肪量とVO2max(心肺機能)を改善するのに最も効果的でした。またその他の測定値も有意に改善しました。

レビューをより詳しくまとめると、以下のようになります。
VO2maxの向上:有酸素運動と筋トレ > 筋トレのみ > 有酸素運動のみ
持久力の向上:有酸素運動のみ > 有酸素運動と筋トレ > 筋トレのみ
筋力の向上:筋トレのみ > 有酸素運動と筋トレ > 有酸素運動のみ
体脂肪量の減少:有酸素運動と筋トレ > 筋トレのみ > 有酸素運動

こちらの結果をもとに自身の目的にあった運動をチョイスするのが良さそうです。

運動量や強度による効果の違い

週 3 回以上の運動:が測定値全般を改善するのに最も効果的でした。
1 回の運動あたり 30 分以上の運動:が測定値全般を改善するのに最も効果的でした。
中程度の運動強度:が測定値全般を改善するのに最も効果的でした。

その他の影響について

運動は生活の質と精神的健康を改善することがわかりました。
運動による怪我のリスクは、比較的低いことがわかりました。

まとめ

研究では総合的に見て最も測定値の改善が大きかったのは、有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせを1回30分以上、週に3回以上行うことだったと結論づけていました。
研究は平均のBMIが31と、肥満と診断される方々を対象としたものでした。
そのため、BMIが標準に近い人々に同じことが言えるかは怪しいですが、参考にはできそうですね!
有酸素運動の例にはサイクリングやウォーキングなどもあるため、普段の通勤を自転車や歩きにすることで有酸素運動の機会を増やし、週末などはジムへ行って筋力トレーニングを行うことが、これから運動を始められる方には最良かと思います!

目標に合わせてぜひできることから始めていきましょう!

参考文献

van Baak MA, Pramono A, Battista F, Beaulieu K, Blundell JE, Busetto L, Carraça EV, Dicker D, Encantado J, Ermolao A, Farpour-Lambert N, Woodward E, Bellicha A, Oppert JM. Effect of different types of regular exercise on physical fitness in adults with overweight or obesity: Systematic review and meta-analyses. Obes Rev. 2021 Jul;22 Suppl 4(Suppl 4):e13239. doi: 10.1111/obr.13239. Epub 2021 May 3. PMID: 33939229; PMCID: PMC8365680.

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