大 生地胴倶楽部Ⓡ管理人

Facebookで生地胴倶楽部を運営するアマチュア剣道愛好家です。 「これをやらなきゃ…

大 生地胴倶楽部Ⓡ管理人

Facebookで生地胴倶楽部を運営するアマチュア剣道愛好家です。 「これをやらなきゃ受からない。あれをやったら不合格!?」初〜七段まで20回以上挑戦し「昇段審査の都市伝説」があることに気づきました。一人でも多くの人がプレッシャーから解放されるよう、紹介していきます。

マガジン

  • 昇段審査の都市伝説

    「初太刀を外したら不合格」「色胴はNG」「相手に打たれたら不合格」「手拭いは白」などなど、色々な情報に振り回されていませんか? 昇段審査で不合格のトンネルに入ってしまった方におすすめしたい内容について、初段〜七段まで、合計22回受審した自身の経験をもとに書いています。

  • 継続から拡がった世界 母校での授業「天夢塾」より

    継続ってどんなものでしょう? コツコツ積み重ねるもの・ときに苦しいもの・そして地味なものだというイメージがあるかもしれません。しかし私は、剣道を継続することでスポーツや人体、精神面だけではなく、教育、福祉、歴史、工芸、美術、文化、産業…とあらゆるものへの興味関心が深まり、人脈もまた拡がってきています。 「継続って楽しいことなんだ」というテーマのもと、筆者の母校である千葉県立長生高等学校で毎年開催されている「天夢塾」に講師として参加した際の記録です。

  • 生地胴=ジーンズ論

    「生地胴とジーンズは似ている」 誕生から今日に至るまでの変遷、両者の魅力などなど、共通点が多くある生地胴とジーンズの話です。

最近の記事

  • 固定された記事

#12 剣道だから身につく「究めて認め合う力」 ~一道万藝の先にあるもの 

■20年以上経っても繰り返されていたもの SNSの隆盛は言うまでもありませんが、このnoteだけでなく、いまはどんな立ち位置にいる愛好家でも自分を表現できるツールがあります。 20年位前まで遡ると掲示板、ブログなどがあったくらいで、まだまだ限られた世界だったことを知っている人は私と同世代かそれ以上、でしょうか。 私自身もブログを運営し、稽古日誌や子どもの成長記録を書いていたことがあります。 ネットで知り合った仲間同士の稽古会も全然珍しくなくなり、もはや「オフ会」なんて言葉

    • #56 アマチュア剣道愛好家にとって一番重要なのは地稽古だと思う訳 後編

      前回は概ねこんな内容のことを書きました。 ◆なんだかんだといっても私たちは地稽古ばかりしているし、今後もそれはおそらく変わらない ◆アマチュアの剣道愛好家には時間がない。カレンダー通りに働けない人はなおさらなので、あとは人が働いている時間に稽古するしかない ◆限られた貴重な時間に稽古をするなら、効率的に稽古することを考えたい ◆基本稽古はインプット。アウトプットの地稽古をどうしていけば上達できるのかを考える ↓前半です 私は、この考えをもとに平日の昼間に「自分がやりたいこ

      • #55 アマチュア剣道愛好家にとって一番大事なのは地稽古だと思う訳 前編

        ◎はじめに。はじめにおことわりです。私は、特定の道場に籍を置きながら、先生方に剣道を教えていただいている最中のアマチュア剣道愛好家にすぎません。これに限らず、noteに書き連ねている稽古法、考え方などはあくまでも私見であって「指南」ではありません。もちろん、読んでもらいたいと思いながら書いていますし、参考になるものがあれば嬉しく思いますが、上意下達的なものとは異なることをご承知おきください。 ■大切な稽古「大切にすべき稽古ってどんな稽古ですか?」 多くの愛好家の皆さんは「基

        • #54 「その胴、いいでしょう!」 ~形見の胴

          「先生が倒れました。いま救急隊が来て心肺蘇生などをしています」 いつもなら連絡はLINE、という相手から直接電話が入るのは怖いものです。 東京都では、毎年4月の第一週の日曜日に「東京剣道祭」が開催されています。私は毎年この時期に大きな仕事が入る関係もあり、この大会に出場したことがありません。昨年のこの大会の開催時間中、勤務中の私に仲間から電話が入りました。 剣道が大好きだと常々口にされていた先生は、毎朝座禅を組み、俳句を嗜み、囲碁を指し、読書を重ね、定期的に断食をし、全国を

        • 固定された記事

        #12 剣道だから身につく「究めて認め合う力」 ~一道万藝の先にあるもの 

        マガジン

        • 昇段審査の都市伝説
          12本
        • 継続から拡がった世界 母校での授業「天夢塾」より
          4本
        • 生地胴=ジーンズ論
          14本

        記事

          #53 剣道とは地味なものである

          前回は、合格した四段審査の立ち合いの内容について細かく書きました。 この合格したときの2回の立ち合いは、明らかに私の剣道観を変えました。 とはいってももう30年近く前の出来事ですので、その後また色々と上書きされた剣道観もあります。 そんななか、変わっていないのは「剣道は誰にでも可能性がある武道だ」ということです。「可能性がある」といっても人間ですから、もちろん得手不得手はあるでしょう。 器用に試合で勝ち続ける人もいれば、私のように不器用で、いつまでも思うように勝ちきれない人も

          #53 剣道とは地味なものである

          #52私の四段審査 ~合格した日、受動から能動へ

          前回「四段審査は受動なら能動への進化の第一歩だと思う」という記事を書きました。 三段までは、基本をしっかりとならうことで合格できますが、四段には「攻め」「崩す」そして打つという理合いが問われます。 問われる部分ももちろん先人にならうことにはなりますが、その先は自分で考え、体現する必要があります。そこを理解しないと、次のステップには進めません。 これは、さらに突き詰めたものが六段審査のときにまた出てきます。 そこでまた私も含む多くの愛好家が壁にぶちあたることになるのですが、この

          #52私の四段審査 ~合格した日、受動から能動へ

          #51 受動から能動へ〜私の四段審査

          初段から七段までに計22回受審した昇段審査において、特に大きな印象を残しているのが、4回受審した四段審査と11回挑戦した六段審査です。 中級として都道府県で開催される四段、上級として全国審査となる六段。どちらも私にとっては次の段階への入口となる審査でした。 ■能動的な剣道へ 高校3年間での剣道は、とても有意義なものでしたが、部活動という学校生活の一部である以上、いつも自分の意志で剣道をしているとは言えない、受動的な一面は多分にあります。 ちなみに、小・中・高・大学と卒業の

          #51 受動から能動へ〜私の四段審査

          #50 剣道するということは道具を使うこと 〜生地胴のススメ

          ◼️生地胴とともに30年 私は「生地胴」という剣道具のオーナーズ倶楽部である「生地胴倶楽部®️」の管理人を務めています。 当倶楽部は2015年に立ち上げ、8年が経ちました。 そして私自身、10代でまだ三段だった頃から今日まで30年近く生地胴を使い続けてきました。 生地胴は、もともと「稽古で使い倒すこと」を前提に、コストがかからないように表面を漆で塗ることをせず、天然の素材そのままに作り上げられたものです。 しかし、手軽な化学製品の胴が出回ったことをひとつの機会にわざわざ

          #50 剣道するということは道具を使うこと 〜生地胴のススメ

          #49 剣道における「スピード感」~昇段審査の都市伝説

          ■剣道における強さを身に着けるために 剣道における「強さ」とは何を指すのでしょうか。 試合で勝てることなのか、はたまた真っすぐに正しい剣道をするのか。 いや、そんな線引きは存在しない、ということもあるでしょう。 私は、剣道における強さとは、その人の「総合力」の高さであり、地力の高さだと思っています。 このことに関して、いろいろ考えるところがありますが、地力の高い人の剣道を見て、自らのそれを強くするために何が必要なのかを考え始めたころに書いた文章があります。 これは2010年

          #49 剣道における「スピード感」~昇段審査の都市伝説

          #48 なぜ剣道が生涯修行でありうるか

          ■勝敗にこだわるなとは言うけれど 剣道を続けていると「打たれてもいいから、大きく真っ直ぐに打っていきなさい。」そう声をかけられた経験がある人がたくさんいると思います。 一方で「何が何でも相手に負けないぞ!」という勝負にこだわることも大切だとも言われたことも…ありますよね。 子どもの頃からずっと勝負に弱いまま剣道を続けています。 試合に負ければ泣いて家に帰ってくるなんてことはたくさんありました。 私に剣道を始めさせたのは親ですが、剣道では素人である親に何か言われれば子どもな

          #48 なぜ剣道が生涯修行でありうるか

          #47 温故知新〜2023年 ありがとうございました

          noteへの登録自体は数年前に済ませていたのですが、実際に書き始めたのは2023年3月のことでした。 この1年間、「昇段審査の都市伝説」「生地胴=ジーンズ論」を中心に、剣道具に関して感じていることや剣道を通じて感じ得た出来事を私なりの視点で書いてきました。 私はたいした実績もない、普通のアマチュア剣道愛好家です。 自分の剣道はクセだらけという自覚があり、それを正すためには何が必要か?ということを日々試行錯誤しています。 失敗の方が多く、たくさんの課題はひとつしか覚えられず

          #47 温故知新〜2023年 ありがとうございました

          #46 『古き良き剣道具を復興させたい』

          ハッシュタグ『#古き良き剣道具を復興させたい』 SNSなどでこのキーワードを耳に(目に)したことがある方がいるかもしれません。 このキーワードは3年ほど前に、私自身がインスタグラム上でハッシュタグのひとつとして作ったものです。 そして何人かの仲間や職人さん、剣道具店に「よかったら使ってください!」と紹介しました。いまも使い続けてくださっている方、あらたに使い始めた方もいて、嬉しく思っています。 幅広く解釈できるキーワードでもあるので、できたらもっと広まってほしいなと実は思案し

          #46 『古き良き剣道具を復興させたい』

          #45 生地胴倶楽部®稽古会のレポート

          筆者が管理運営する「生地胴倶楽部」では、年に1~2回の稽古会を開催しています。「生地胴倶楽部 on facebook」を開設したのが2015年。2016年10月には第1回の稽古会を開催しました。このときの参加者は12人、その後はコンスタントに20数人が集まり、2019年に開催した第5回稽古会は、専門誌『剣道日本』の取材もあり、50人近い参加がありました。 この記事を書いている数日前、2023年11月25日には第7回の稽古会を開催し、約30人の生地胴愛好家が集まりました。 ■

          #45 生地胴倶楽部®稽古会のレポート

          #44 これだけは言っておきたい「発声こそが一番大事」 ~昇段審査の都市伝説より

          私は「これができれば審査は大丈夫!」 みたいなセオリーを語るのは好きではありません。 剣道は十人十色、自分の色を濃く魅せられる人が合格するものだと思うからです。審査に王道はありません。 人様の剣道を型にはめるようなことは望まない、というのもあります。 しかしながら、何人かの仲間に伝えたことで「これは明らかにメリットだ」と確信できるものがあります。これはセオリーでも型にはめるでもなく、剣道自体の底上げのために、ほぼ100%の剣道人が習うことでもあるので、書いてみます。 ■それ

          #44 これだけは言っておきたい「発声こそが一番大事」 ~昇段審査の都市伝説より

          #43「ガッツポーズは相手に失礼」は絶対か

          2021年の東京五輪の頃に書いた文章のリライトです。 柔道や相撲の話題に触れていますが、私はどちらも全くの門外漢です。関係の方に失礼な物言いがあるかもしれませんが、何卒ご容赦いただければ幸いです。 ◼️東京五輪にて 2021年に行われた東京五輪、柔道の団体戦でフランスが優勝しました。 門外漢なので詳しいことは語れませんが、フランスの先鋒の確かな実力と勢いのある試合振りは見事で、その勢いを最後までひっくり返せなかったようです。 それぞれのポジションでの役割を活かす団体戦なら

          #43「ガッツポーズは相手に失礼」は絶対か

          #42 面(剣道具)について考えてみる①

          ■面布団の長短 短い面布団が主流になって久しいです。 しかしながらあまりにも短いとバランスが悪くてカッコ悪いし、肩までしっかり守られなくなってしまいます。 よって、2019年4月1日からは全日本剣道連盟剣道試合・審判規則において安全性の担保に関する規定が加えられたりもしています。 そもそも「面布団は昔ながらの長いほうが好きだ」という人もいます。 比較的高めの年代の人に多いと思います。私もそういう年代です。 スラっとなだらかに伸びている布団、カッコいいんですよね。 長い

          #42 面(剣道具)について考えてみる①