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【追記あり】シンポジウム「改めて問う!アイヌはなぜ先住民族にこだわるのか!?」の開催に抗議します

(タイトル画像:「日本会議の正体」より)

こんにちは、烏丸百九です。

今回は、私の住む北海道札幌市にて、有名な極右団体「日本会議北海道本部が、改めて問う!アイヌはなぜ先住民族にこだわるのか!?などという、アイヌ民族の存在否定を目的としたシンポジウムを開催する予定であることから、会場である北海道立道民活動センター通称「かでる2・7」に対し、抗議を申し入れるFAXとメールをいたしましたので、その内容を掲載しておきたいと思います。

日本会議北海道のブログに掲載されている、詳細のフライヤー。

FAX及びメールに際しては、日本会議のブログに掲載されている上の開催フライヤーを施設に対し、同時送信しております。(担当者が内容について把握していないと困るため)

はっきり申し上げて、このような催しが開催されるのは、札幌市民として大変に恥ずかしいので、何とかして中止に追い込みたいと考えてはいますが、施設側がFAXを受けてどのようなレスポンスを返してくるか、現在のところ未知数であるため、ひとまずはいち市民としてこのnoteで抗議表明をしておきたいと思います。

今後の進捗があった場合には、このnoteやTwitterなどで随時ご報告したいと思っておりますので、よろしければ随時ご確認を下さい。
以下が本文になります。

抗議文本文

北海道立道民活動センター
「かでる2・7」
イベントご担当者様

シンポジウム「改めて問う!アイヌはなぜ先住民族にこだわるのか!?」開催に対する抗議

私は札幌市民の烏丸と申します。いつも、札幌市民の貴重な文化的交流の場である「北海道立道民活動センター」を維持管理してくださり、誠にありがとうございます。

さて、今回、貴施設の1階大ホールにて、来月3月10日日曜日13時より、「改めて問う!アイヌはなぜ先住民族にこだわるのか!?」というシンポジウムが開催される予定だとお聞きしましたので、一市民として厳重に抗議させていただくとともに、貴施設に対して、強く同シンポジウムの開催の中止を求めます。

当該シンポジウムにつきましては、以下のような理由から、「北海道立道民活動センター」での開催は相応しくないイベントであると考えております。

主催者について:
主催者である「日本会議北海道支部」は、多くの報道や書籍などで指摘されるように、憲法改正や歴史修正を団体の目的として掲げる、日本有数の極右的ナショナリズム団体です。彼らは、外国人の地方参政権や、各種人権機関設置法に強く反対しており、今回のシンポジウムについても、アイヌ民族の文化や、アイヌの人々の人権を否定する狙いがあることは、団体の主張に照らして明白であると考えられます。

シンポジストについて:
元北海道議会議員である小野寺まさる氏は、2015年に東京都民への誹謗中傷で訴えられ、議員を辞職した経歴を持つ人物であり、現在はSNSやYouTubeなどでアイヌ民族への差別発言を繰り返している(*1)ことでも悪名高いです。

的場光昭氏は、以前よりいわゆる「アイヌ民族否定論」を展開している旭川の医師であり、アイヌ研究家で「アイヌ通史」の著者であるマーク・ウィンチェスター氏の論文などでも、「アイヌ否定論者」として名指しで批判された経歴があります(*2)。

中村恵子氏は、極右的な見解のメディアである「チャンネル桜北海道」のキャスターとして著名であり、江戸時代の北海道はアイヌ民族のものであるという見解は”誤った歴史”であり、反日勢力のプロパガンダであるなどと主張しています(*3)。

最後に、コーディネーターの川田ただひさ氏は、現役の札幌市議会議員ではありますが、10年以上前から「札幌を舞台にアイヌによる税金搾取が繰り広げられている」などと根拠のない主張を行っている人物(*4)であり、前述の小野寺まさる氏と懇意でもあります。

このように、シンポジウムの具体的な内容は不明な点が多いものの、主催者の主張が、アイヌ民族の文化や存在そのものを歴史的に否定するものであることは、ほぼ間違いが無いと思われます。

貴施設には、北海道立アイヌ総合センターが入居しており、アイヌ民族の文化的な活動の促進および、道民が行う学習研修交流等の機会を充実を図ることを目的とした施設でもあるはずです。
そのような施設が、アイヌ民族の存在そのものを否定しているような、極端な主張の団体のシンポジウムの開催を認めることは、一種の自己矛盾ではないでしょうか?

このシンポジウムが実施されることにより、貴施設、ひいては北海道及び札幌市の名誉が損なわれるとともに、北海道の公的施設が、差別主義的なアイヌ民族否定論者に集会の場を与えたという実績作りに利用されることを強く懸念します。

私はアイヌ民族にルーツを持つ人間ではなく、またいかなる政党や政治団体や組合等にも所属しておりませんが、今後の貴施設の社会的評価等を勘案すれば、本シンポジウムの開催には強い懸念があると言わざるを得ないと考えます。

勝手ながら、こちらのFAX/メールの内容は、私の個人ブログに記載させていただきます。
また、貴施設から誠実な回答がない場合は、札幌市民による直接抗議行動や、各種人権団体等への抗議の呼びかけなどを行うことも検討しております。

どうか、アイヌ民族の方々の人権擁護と、その活動へのご理解を深めることを考え、開催を今一度再考いただきたく存じます。

2024年2月26日 烏丸百九
メール:crowclaw109@gmail.com
ブログ:https://note.com/crowclaw109

*1:https://twitter.com/onoderamasaru

*2:https://kuis.repo.nii.ac.jp/record/1491/files/BRJS_10_59_89.pdf

*3:https://apa-appletown.com/2023/10/26/

*4:http://koushinminzoku.blog117.fc2.com/blog-entry-266.html

追記:なんと、当日中に「北海道立道民活動センター」支配人の方から返信がありました。以下に掲載いたします。(一部改行などを調整しました)

いつも当センターの管理運営にご理解ご協力を頂きありがとうございます。
さて、2024年2月26日付けで頂戴しました「改めて問う!アイヌはなぜ先住民族にこだわるのか!?」に開催に対する抗議について、次のとおりご回答いたします。

 まず、シンポジウムの開催の中止を求める件についてですが、ご承知のとおり、当センターは北海道が設置した公の施設であり、広く道民の利用に供する施設でありますので、施設の利用承認に当たっては、北海道立道民活動センター条例及び同施行規則に基づき利用を認めたものであり、利用承認を取消す事由にも該当しないものと考えております。

 次に、登壇者がこれまで行った発言内容などが不適切であること及びアイヌ民族の文化的な活動の促進を図る当施設の設置目的に照らし矛盾しているのでないかとのご指摘ですが、言論の自由を保障しなければならないこと及びこの催物が開催されることをもって、アイヌ文化活動の組織的な活動の促進が、積極的な意味で阻害するとまでは言えないと考えております。

 以上のことから、烏丸様のご意向に沿うことは困難でありますが、頂戴した貴重なご意見、ご指摘は内部でも情報共有し、より適正な管理運営に資することといたしますので、ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

道民活動センター支配人

要するに「既に規約に基づき開催を予約され」「言論の自由を保障しなければならない」「アイヌ文化活動を積極的な意味で阻害するとまでは言えない」ので、中止措置には当たらないという返答でした。まさかの全ツッパです。

多忙であろう中、すぐにご返信を頂いた事自体は有難いことですが、「支配人」名義で送信されている一方、内部で慎重に検討を重ねた結果の返答には見えないことに加えて、なぜ具体的なアイヌ民族ヘイト言説の内容を示されながら、「アイヌ文化活動を積極的な意味で阻害するとまでは言えない」と断言出来るのか、センター管理者の主観以外の合理的な解が示されたとは思えず、残念な返答であると言わざるを得ません。

無論これで「そうですか仕方ないですね」とはならないので、次のアクションを検討していますが、正直ここまで「取り付く島もない」返答が即座にくるとは思っておらず、困惑しております。

note読者の皆様の中で、具体的な再度の抗議手段について、「こうすれば良いのでは?」などの御意見をお持ちの方は、是非とも当記事のコメント欄や烏丸のTwitter(リプライorDM)に意見をお寄せください。よろしくお願いいたします。

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