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事実婚契約って実際何したの?手順とか費用まとめ

結婚しました。事実婚です。


令和2年3月4日、1年半ほどお付き合いをした年上の男性パートナーと、事実婚契約を結んできました。

事実婚という言葉について、ここでは「当事者間の主体的・意図的な選択によって、婚姻届を出さないまま同居し共同生活を営むこと」(wiki調べ)を指します。

要は、婚姻届を出していないけれど、事実上婚姻関係にある夫婦のことです。

国に婚姻届を提出する「法律婚」と、反対にある"結婚の概念"として用いられます。

他人と結婚する意思がなく、長いこと同棲しているカップルなんかは"事実婚状態"にあると言えるでしょう。

私たちの場合、出会って1ヶ月でお付き合い → 3ヶ月で同棲、というスピード感で、付き合ってる期間 = 同棲期間、みたいな間柄でした。

"事実婚契約"を選んだ理由としては、「2人の関係性に法的な保護はほしいけど、苗字は変えたくなかった」というのが1番シンプルな理由です。

婚姻届にサインして役所に出せばええやん、すぐ済むやん、と私も思うのですが、どうしても「夫婦同姓」の制度に納得がいかず。

たしかに話し合いで苗字をどちらにするか選べるけれど、なんかそれって「対等じゃない」気がする。だってどちらかに必ず「苗字を変える」コストが発生して、その負担を片方だけが背負うって、全然対等じゃなくないですか?(※個人の感想です)この違和感がど〜〜〜〜しても拭えなかった。

私たちは本気で対等だと思える関係を目指したい、そう思った結果、苗字を変えなくても法律婚と同等の効果を持つ「事実婚契約」に至りました。

(なぜ私がここまで苗字にこだわるのか、については、前回の記事夫婦別姓をえらばせてほしい女のはなしをお読みいただければと思います。お時間のある時にでも。)


事実婚がやりやすかった私たち。

私たちの場合、「事実婚がやりやすい」以下の環境が揃っていたので、特にストレスなく契約を進めることが出来た、という点は、先に書いておきたいと思います。

①双方の価値観に深く触れている
→例えば日々のニュース、生活で起こるトラブルに対する双方の「言動」に対し、信頼を置けているかどうかは、事実婚契約を進めるにあたって重要な要素となります。ハラスメント的言動が無いか、リベラルな思考をしているか。お互いの価値観を共有し、信用・共感しあえているかどうかは、法律婚をする時にも大切なところですが、事実婚の相談中には後ろ向きな話や、暗い話も出てくるので、話し合いがつらくなることもあると思います。そこを避けずに向き合える信頼関係はありますか?
つまり「事実婚にしたい」と言って、相手が理解し、心から賛同してくれるかどうかについては、最も重要なポイントだと思います。

②2人の関係に口を出す第三者がいない
→私たちは、2人とも両親が離婚済みで、距離的にも心理的にも離れて暮らしています。2人の意志決定に対して、双方の親きょうだい・親戚など、口出ししてくる人が近く(精神的な近さも含む)にいたり、その人たちが反対の価値観を持っていたりすると、事実婚は大変進めにくいと思います。入籍してこそ1人前、同じ苗字じゃないと夫婦とは言えない、なんて本気で言ってくる人はざらにいます。当事者が周囲の人の言葉に惑わされていると、決まるもんも決まりません。
もちろん、戸惑われる家族の方が大半だと思います。私たちの場合、契約書が完成してから、二人でその契約書を持って、私の父親へ事後報告しにいきました。一応、父には契約書のコピーを預けてあります。

③事実婚契約以外でお金を使う予定がない
→私たちは、血縁者を招いた披露宴や、パーティー的なものをする予定については、今のところありません(お互い親が離婚済みで色々面倒なのと、衣装を着て見られることに抵抗があるため)。大きな挙式等を考えている方は、結婚の証明としてはそれで十分です。事実婚契約は、婚姻届提出と違って、結構そこそこにお金がかかります。

④税金の控除について損をしたと思わない
→法律婚じゃないので、確定申告の際に「配偶者控除」は受けられません。これについてはまぁ若干損だな、とは思っていますが、苗字を人質にして身銭を浮かすのも癪なので、考えないようにしています。

⑤子どもをうむ予定がない
→今の日本で子供をうみ育てたい、と考えるのであれば、法制上は圧倒的に法律婚がBetterです(詳しくはググってください)。事実婚状態で子どもを生み育ている方もいらっしゃいますし、全くの無理という訳ではないですが、私は自分で調べた結果「事実婚状態で子どもを育てるのはいろいろ大変だな」という結論に至りました。例えば子どもの戸籍は母親に追随するため、父親は自分が父親であることを「認知」する手続きの必要が生じたり、ただでさえ大変な子育ての中に、更にたいへんなステップを増やすことになります。実際、事実婚の方の中でも、子どもの誕生をきっかけに法律婚へ移行する方もいるそうです。私たちはしばらく子どもを予定しないため、事実婚を選びました。子どもを考えていた場合、また変わっていたのかなと思います。

基本的には、よっぽどの意志がない限り、法律婚にしておくのをお勧めします。税金の控除もうけられるし、なにより一般的でスムーズな方法です。

事実婚に向いてる人とは?

じゃあ、事実婚契約がどんな人に向いているのかというと、主には「苗字を変えることで不利益を被る人」です。苗字を変えることで、生活や仕事、アイデンティティに影響が出て、その影響が大きいと捉える人。名を手放すということに、強いストレスを感じてしまうであろう人。どっちかが苗字変えなきゃいけないとかマジで面倒くせえ、ダサい仕組みだし遅れてる、と感じる人は、変えない方法を検討してみていいかもしれません。

あと、契約書を隅々まで読まないと気が済まない人にもオススメです。ちなみに法律婚の場合でも「結婚契約書」は簡易的なものであれ作ってもいいと思います。

超余談ですが、ずっと思ってたんですけど、「婚姻届」ってすごいぼんやりとしてませんか?「結婚」って「パートナーシップを結ぶこと」であって、ある種の「契約行為」だと思うんですけど、婚姻届には署名とか事務的なことしか書いてない(届出だから当たり前なのか?) 。婚姻届を出す前に、それぞれ夫婦間で色々話し合ってるとは思うんですけど、3割の夫婦が離婚する昨今、「婚姻届」ってあんまりにも軽すぎやしないかと思うんですよね。
いざ「契約」してみたら、そんなん聞いてないよ!という事態が増えてくる。それで「離婚」をするといろ〜んな問題がのしかかってくる。
ケータイのキャリア契約に似てるな〜と思います。名義変更めんどくさい。気付いたらいろんなサービスに登録しちゃってる。早期解約したらめっちゃ金取られる、みたいな。

私みたいに、「結婚」という契約行為自体に不安を感じる人は、きちんと契約書を作って、双方合意して、安心するといいと思います。

「結婚契約書」というのも世の中にはあるので、話し合いに使ってみてもいいかもしれません。


ここまで読んで、「具体的に事実婚、事実婚契約について検討したい」と思った方へ向けて、実際に私たちが事実婚契約書に盛り込んだ内容や、かかった時間、金額など、「事実婚契約」の流れをくわしく書いていきます。


ここから、実際の契約内容や私たちの話し合いについて、仔細に触れていきます。

なるべく興味のある方へ向けてお届けしたいので、まことにきょうしゅくですが、コーヒー1杯分のお祝い金をいただきます。

事実婚を検討してみたい方はもちろん、これから結婚を控えている方も、こんな話し合いがあるんだな〜と参考になるかと思います。もう結婚されてる方も、ぜひ改めて夫婦間の話題にしてみてください。

特に予定のない方も、ご祝儀だと思って!結婚式しないんで嬉しいです!ありがとうございます!

実際の事実婚契約の流れ


ありがとうございます。とても嬉しいです!
ものすごい量ですが、課金頂いた方にきちんと「読了感」を味わっていただけるよう、頑張りたいと思います。

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