山桜のある景色
今日の朝、玄関を開けて外に出て、何の気なしに向かいにある山を眺めると、山桜が咲いていた。
もうほぼ白と言っていいくらいのほんのりピンク色で、みどりがこんもりした山の中で、そこだけ明るい白ピンクが浮かび上がっている。
あー、なんでこんな満開になるまで気付かなかったのかなぁ。
と思ったけれど、すぐ理由がわかった。
この1・2ヶ月、なんとなく不調が続いていた。
なんとなく体がだるくて、肩が痛かったり、腰が痛かったり、良くなったと思ったらぶり返すを繰り返している体の痛みが戻ってきたり、
「なんとなく、ゆううつだ……」
と、ずーんと落ち込むわけでもなく、もう起き上がれないほど痛いわけでもない、
「なんかちょっと、やな感じだなぁ」
という微妙な状態がずっと続いていた。
そういうときって、自分のことばかり考えて、自分の身の回りのことしか見えなくなってしまっていることが多い。
自分ごとにフォーカスしすぎて、視野が狭く、足元ばっかりみてしまっているのだ。
そんな時に考えても良い答えなんか出ないのに「今私はどこに立ってどこに向かっているんだろう」などという答えの出ない問いをもんもんと考えてしまったりも……
その日々を経ての、今日。
ふと「ちょっと一回表に出よう」と思って外の空気を吸った時に目に入ってきた光景。
枝にたくさんの花をつけている山桜を見て、
「あー、私はぜんぜん前を見てなかったなぁ」
と染み入るように感じた。
あの山桜に今日気づけたから、今日からは少し元気を出してやっていけそうな気がする。
自分が「どうしても抜け出せないぐるぐるに巻き込まれてしまっているな」と感じるときは、あえてその場を離れて、少し表に出てみると良い。
自分がどんな状態だろうと春は静かに近寄ってくるし、自然は決して逆行したりしない。
顔を上げさえすれば当たり前の日常はすぐそこにあって、ちゃんと前に進んでいる、時間は進んでいる、と教えてくれる。
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