「見えなくてもいい、いまそこにいる。信じて感じるのだ!」をスローガンに活動するこびと部が運営する図書館です。 こびと部はゆっくりのんびり各自のびのびをモットーに活動しております。
穂音(ほのん)
取り上げてくださってありがとう、心にグッときましたありがとう、のおと
長夜の長兵衛 二十四節気シリーズに続き、七十二候のシリーズです。 短編の連作です。読み切りですので、どこからでも、お読みいただけます。全部地の文で出来ているこの世界は、一体いつ、どこなのか、どうぞお好きなところへトリップしていただけましたら。
2023年・春ピリカグランプリ応募作品マガジンです。
うちのお犬についての親バカ的なアレです。 ヘッダー画像は橘鶫さんが描いてくださった白いお犬です。
ぽぽぽー。 磁力線はその一点を指していた。くたびれた商店街から枯枝をつたうように路地…
本日はお家におります。 ベランダでは、秋に蒔いた撫子が満開です。 こちらのナデシコ…
袋角 一行は地蔵さんの辻を越えて峠へ向かい、山の深いところまで分け入った。金兵衛は夏…
春時雨 菓子屋の店先、右手に置かれた鉢に金兵衛は顔を寄せた。やさしい香りであるこ…
ついに5月がやってまいりました。 すでにTシャツの季節です。もう一年の半分は夏ですから…
御玉杓子 苗代田に水が張られた。 畦道に草どもがゆらぐ。水面に映された雲が、流れたり…
目刺 細く尖った芽が水面を穿つように、あちこち姿をあらわしている。 葦の角に出会うと…
躑躅の衣 丁寧に衣を広げ衣紋掛けに吊るすと、蘇芳の色目が金兵衛の心の奥を掴んでくる。や…
花筏 吉野の山桜は、夢かうつつかわからぬほどの見事さと聞きおよびます。行者さんの御神木…
駘蕩 辻にて長兵衛は一旦立ち止まる。左へ行けばお社さん、右なら畑へ至る道、まっすぐ進め…
海猫渡る 鳥居をくぐると、すぐのところに宮司さんが待っておられた。 金兵衛さん。初雷…
花時 久兵衛の手にある黒塗りの横笛を、お天道様が撫でていく。うららかな日和に、川べりを…
白木蓮 ときに木肌に触れながら、源兵衛はその周りをぐるり、と一周する。身を屈め、大きな…
彼岸西風 橋の真ん中で、婆さまがじっと川を見つめておられる。どうなされたのであろう…