お題:僕の妻

先日、8話におよぶエッセイを書き終えたので、
本日はお休みしたいと思います。
かわりに、私がだしたお題「僕の妻」で旦那が書いてくれました。


お題:僕の妻


僕の妻はマシュマロとアップルパイが嫌いだ。

理由をきいたが、たしかに理に適っていて、

ああ、そういう理由があるなら仕方ないね、と思う。

ちなみに僕はマシュマロもアップルパイもそれなりに好きだ。

だからといって無性に食べたくなる代物でもなく、

妻がこのふたつを嫌いだからといって衝突がおきたりはしない。

なにが言いたいかというと、好みは人それぞれだ、という

至極当たり前で真っ当なことだ。

ただ、これが実に忘れてしまいがちなことで、

長く一緒にいればいるほどに、

「なんで嫌いなの?」

と、相手の好みに対して強く当たってしまうこともある。

自分と同じ価値観をもっていると勘違いしてしまうのだ。

山崎まさよしの「セロリ」の歌詞にも、あるが、

育ってきた環境が違うから好き嫌いはしょうがない、

のだ。

たぶんだけど、

「性格の不一致」や「なんかわかってくれない」といった

別れる原因は、すべてこの価値観の相違が絡んでくるんだと思う。

僕の家では、あまり布団を外で干す習慣がないが、

妻の家では、晴れの日には布団を干すものだったらしい。

僕の家では、自分の誕生日は母にお礼を言う日だが、

妻の家では、そうではなかった。

僕の家では、

妻の家では、

このようにあげていけばきりがなく、

相手にとっての当然は相手の不思議となるのだ。

よく「どうしたらそんなに長く一緒にいられるの?」と尋ねられる。

僕と妻は9年ほどの交際期間(同棲期間)があったのだ。

だから若いときには本当によくきかれた。

僕の答えはいつも単純だった。

「許すことだよ」

勘違いしてほしくないのだが、これは決して妻が悪い人間ということでは、

当然なくて、ここで言う許すというのは、自分の価値観と違ったことが起きても、

受け入れる寛容性を持つということなのだ。

結婚してからこの寛容性がなくて、お互いに傷つけあう夫婦は多い。

だから

「あいつは、オレのことわかってねぇ」

「あの人は、わたしのことわかってくれない」

という愚痴を、公共の場で公然と言ってしまうのだ。

違う違う違う!

「あいつは、オレのことわからないのは当然だ。
 だから一緒にいるんだ」

が、正解なのだ。

価値観が一緒の人間と人生をともにしてなにが楽しい?

違うからこそ、不思議でわからないからこそ楽しいのではないか!

どうして、人は男女でなければ子孫を残せない?

それは子孫に多様性を持たせるためだ! それは遺伝的なことだけか?

僕は違うと思う。価値観が違う2人の人間に育てられるからこそ、

その子は新しい価値観を得るのだ! そして強く生きられるのだ。

明言する。僕と妻の価値観は正反対だ。

真向から意見がぶつかることも間々ある。

その摩擦から生まれるのが、新しいもので、二人だけの価値観となっていくのだろう。

僕の妻はマシュマロとアップルパイが嫌いだ。

僕はどっちも好きだけど、それを嫌いな妻のことは大好きだ。


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