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史実の深層を求めて

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さまざまな歴史事象の背景を多様な視点から考察することで,歴史観や歴史認識を再考してみたい。
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井戸替え

来月には年に一度の町内会総出の溝浚いがある。朝早くから各家の周囲を囲む溝掃除を行った後,…

藤田孝志
1か月前
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西の丸騒動

HDDを整理していたら、昔の駄文が出てきた。20年ほど前、私に対して執拗に日々、一面識も…

藤田孝志
1か月前
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身分用語について(3) 「百姓」

網野善彦氏の『歴史を考えるヒント』をもとに、案外と知らない身分用語についてまとめている。…

藤田孝志
1年前
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身分用語について(2) 「平民」「土民」「百姓」

網野善彦氏の『歴史を考えるヒント』をもとに、案外と知らない身分用語についてまとめている。…

藤田孝志
1年前
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身分用語について(1) 「人民」「国民」「常民」

いわゆる歴史用語はその使用方法が曖昧なままに使われ、さらにはその用語から漠然としたイメー…

藤田孝志
1年前

刑罰制度と治外法権

ダニエル・V・ボツマンの『血塗られた慈悲,笞打つ帝国』によって教えられたことは,治外法権…

藤田孝志
2年前
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岡山藩の財政窮乏

歴史の教科書において、大名(藩)の財政逼迫(窮乏)について描かれることが多々あるが、実際にどれほどの財政難であったのかが具体例で記述されることはない。(資料集で簡単に書かれてはいるが…) また、時代小説や時代劇でも描かれるが、どれほどの実情であったかはわかりにくい。(現代においても「国債や地方債の発行額」で国や地方の借金を数字で知るだけで、実感としては理解しにくいが…) しかし、幕末の尊王攘夷や倒幕に揺れ動く幕府や各藩の経済的背景を知っておくことは歴史の流れを理解する上で重

「生類憐みの令」と作州津山藩(2)

昔、津山藩についてネットで検索していて,中野書店『古本倶楽部』「18.お大名の借金」を見…

藤田孝志
2年前

「知らないこと」のこわさ

教科書会社から送られてくる情報誌の中に「教科書活用」というページがあり、教科書記述に関す…

藤田孝志
2年前

江戸社会(4):リサイクル社会

江戸時代が高度なリサイクル社会であったことは周知の事実である。消費された物品の9割が再利…

藤田孝志
2年前
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江戸社会(3):江戸時代の物価

『お江戸の素朴な大疑問』『お江戸の意外な「モノ」の値段』(中江克己)PHP文庫,『江戸の…

藤田孝志
2年前
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江戸社会(2):武士の給料

一両とか二分という貨幣換算,200石から30俵2人扶持といった給料や役料,与力-同心とい…

藤田孝志
2年前
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江戸社会(1):江戸時代の見方

「長い間,江戸時代の史料を読んでいると,その時代の雰囲気に染まってしまう。江戸時代の武士…

藤田孝志
2年前

『江戸空間』

TVやマンガ、映画で描かれる時代劇からイメージされる江戸社会は実態だったのだろうか。たとえば、『鬼平犯科帳』では毎回「押し込み強盗」などの犯罪が起こっている。(TVでは毎週) 現代人の我々がイメージする江戸あるいは明治・大正の社会は、ほとんどがTVなどメディアによって創出された映像からである。はたしてどのような社会と思っているのだろうか。生徒に歴史の授業を教えながら、常に不安がよぎっている。 ………………………………………………………………………………………………………… 『