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お母さん、愛ってなに?

失恋し、傷ついた娘が母に尋ねた。

母は答えた。

そうね。愛には人それぞれの解釈があると思うけれど。
自分の幸せよりも、相手の幸せを自然と願うこと。
相手の幸せが、自分の幸せになるとき、
それは誰かを愛しているというのかもしれないわ。

でもね。

誰かを愛する代わりに同じだけの愛を返してもらいたいと
見返りを求めて、自分の想いや欲求を無視して
相手のためだけに尽くす愛は、つらいものよ。

本当の愛は、あなたを傷つけたり、苦しめたり
小さな世界に閉じ込めることはしないの。

本当は、ただ相手に恐れを植え付けて
その人を自分に繋ぎ止めようとする人もいる。
そして、その恐怖の鎖を愛と呼ぶ人もいるわ。

でもね。
本当の愛は、優しい恵みの雨のようなもの。
あなたを鎖で縛りつけるようなことは、しないものよ。

花が好きな人は、その花を手折って家に持って帰るでしょう。
でも、いずれその花は枯れてしまうわ。
花を愛している人は、その花のもとに足繁く通い
水を与え、四季の移ろいの中でのその花の成長のすべてを
やさしく見守り続けるでしょう。

恋は、ちょっとした嫉妬や束縛や喧嘩なんかの
スパイスがあって、刺激的かもしれないわね。

でも、愛はおだやかなものなの。
そのおだやかさ、スパイスが足りていないことを
愛がないとか好きじゃないと捉えてしまうのは
少しもったいないことね。

でも、そのすべてはきっと、
時間があなたに少しずつ教えてくれること。

だから、たくさんの恋をしなさい。
優しい恋も、刺激的な恋も、ちょっぴり切ない恋も。
いろんな恋をする中で、きっとあなたは
あなたなりの「愛」を見つけていくことができる。

もし、あなたの幸せがその人にとっての幸せであって、
その人自身の幸せよりも、あなた自身の幸せを
心の底から自然に望む人が現れたら。

そのときは、あなたを心の底から愛して
大切にしてくれているその人の手を
離してしまうことのないようね。

あなたが優しい「愛」にたくさん包まれますように。
お母さんは、あなたの幸せを願っているわ。
心の底から。

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