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西岡常一「木に学べ~法隆寺・薬師寺の美~」

こんにちは、もはです。
ワイドナショーが見たくて起きたのですがやってなかったので、美味しいパンとサンジャポを片手に優雅な休日を過ごしました。

今はくるりを聴きながらのんびり書いています。
厨二病で残念な耳を持っているので、こういうオシャレな音楽はあんまり聞いてこなかったんですが、家でのんびりしているときには凄いいいですね。
こういう音楽を学生の頃から好きだった人は、やっぱり大人な感性を持っていたんだなと思います。ようやく自分も年齢を重ねて、徐々にそうなっていくといいんですが。


昨日はいくつか記事を書きましたが、文章を書くのって疲れるもんなんですね。
喋るのと同じように、脳みそにある程度の疲労感が感じられるようになってきました。
こういうことも発見の一つですね。
そりゃサラリーマン時代にあんだけメールのやりとりしてれば疲れますわ。

さて、それではそろそろいきましょう。

木工職人の講師にお借りした本

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本日の本はこちら、西岡常一「木に学べ」

本書は1988年に刊行された本の文庫版。
著者は、法隆寺の金堂や五重塔の修復を行なった伝説的な宮大工の西岡常一さんです。

こちらは、今通っている木工の学校で、先生としてきている職人さんにお借りしてた本です。木の勉強も兼ねて読む本書からわかったことは、木の奥深さです。

日本は木の国と言われるぐらい木と距離が近い国ですが、学べば学ぶほど、生き物としての木の奥深さに触れることができました。
私は学校での前提知識があった上で本書を読むことができたので、本書をより楽しむことができた気がします。

私も西岡さんについては詳しくないのですが、今読んでいるビートたけし「弔辞」でも西岡さんのエピソードが出されていて、ものすごい有名な宮大工なんだと知りました。

現代よりも飛鳥時代の方が優れているという事実

本書で興味深かったのは、1,000年以上前に建てられた法隆寺・薬師寺の構造物的な凄さです。
飛鳥時代に建築されたものは全ての建造物の形や作り方に意味があり、一切無駄の無い作りは現代の建築技術よりも優れているということです。

そうした優れた建築物が、時代を経てそもそもの構造の意味が分からなくなってしまい、誤った修復が繰り返されてしまうとのこと。
こうした現状に、著者は先人の知恵が失われていると嘆きます。

時代が進み、技術も海外から取り入れ進歩しているように見えます、西岡さんから見れば釘ひとつ取ってみても、飛鳥時代に作られた釘の方が鉄の精度が高く、先人の方かはるかに優れているということでした。

そして、何故人々は数千年前から伝えられてきた先人の教えよりも、100年弱の歴史しかないテクノロジーや学者の意見を鵜呑みにしてしまうのかと、問題提起もしていました。

本書を読んで、僕らが学ばなければいけないのは、最近のハイテク技術でも、海外から伝わってきたものでもなく、過去にこの日本に生きていた先人からの教えなのではないでしょうか。

そしてまず僕らは、技術が進歩している現代が優れているという誤った認識を正し、過去から学ぶという謙虚な姿勢を手に入れることが必要だと思います。

木は生きてるんだ

ちょっと話は逸れますが、よく動物愛護団体の人とかが、動物を守れ!とかいうじゃないですか。それ自体はまぁ個人の自由だからいいんですけどね。
ただ木のことを学んでいくうちに思い始めたんですけど、なんで彼らは植物には同じことを言わないんだろうと思って。だって、木も生きてるんですよ。

なんなら他の生物と違って、彼らは太陽光だけで生きられる独立栄養生物です。僕らみたいに、他の生物の命を絶やすことはしません。
しかも生み出すのは僕ら動物に必要な酸素で、僕らよりもずっと長く、それこそ何千年も生きているんです。

私は特に自然愛好家でもないし、そうした過激団体に一員になるつもりもさらさらありません。
でも、僕ら人間には知性があります。知性があるからこそ、最も大切にしなければならない木や植物について学び、考えていく必要はあるんじゃないかなと思いました。


こんなところですかね。
とても学びが多くて、素晴らしい本でした。

ではまた。

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