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クセになるパンの食べ方

某ホテルベーカリーで出しているというパンをもらう機会があった。
小ぶりのカンパーニュで、レーズンとクルミが入っている。

焼きたてだというので、もらったその日に3切れ食べた。
温めるだけのつもりでごく軽くトーストして、バターをひと切れ乗せて食べたら、たまらなく美味しかった。
ガリガリに硬い外側と、しっとりした内側の生地のコントラストだけで、ハードパン食べてる…という喜びに満たされる。
ライ麦を使ったパン特有のほんのりした酸味もとてもいい。
そしてレーズンがすごかった。固形のハチミツみたいに甘く、ねっちりしていて、飲みこんだあとしばし言葉を失った。

「人生の最期に食べたいのはこのレーズンです」と言い出しそうになるくらい美味しかった。

3切れ食べた後は、食べすぎないうちにスライスして冷凍した。
冷凍したパン同士がくっつく心配はないので、切ったのをそのままジップロックに重ねて詰めておけて便利だ。

冷凍したカンパーニュをちまちまと1切れだけ2切れだけ…と、楽しんでいたが、ついに今日最後の2切れとなった。
せっかくなので、最後の2切れは普段しないようなゴージャスな食べ方をすることにした。

【ハチミツとチーズのカンパーニュ】
レーズンとナッツのカンパーニュ
バター
ハチミツ
チーズ
塩 ほんの数粒くらい

*分量は好きなだけ
*塩は食卓塩とかアジシオじゃないやつがおすすめ

カンパーニュは6枚切り食パンくらいの厚さに切ってトーストする。
焼けたらバターを塗って、チーズを乗せる。
トースターの余熱でチーズを溶かす。
パンは絶対焦がさないこと。
チーズが溶けたら取り出してハチミツをかける。
塩をほんのちょびっとだけかける。
火傷しないように食べる。

ハチミツにちょびっとだけの塩が混じって甘じょっぱくなり、チーズがトロっとなって、バターがじゅわっとして、カリふわのパンがすべての旨味を受け止めている。
そしてまた、ナッツとレーズンにチーズが合うのだ。

ひたすら甘いハチミツとチーズのしょっぱさがこんなに合うなんて、一体誰が発見したのだろう?
ちなみにわたしはネットで発見した。集合知ってすごい。

塩は絶対に絶対にほんのちょっぴりを死守せねばならない。かけすぎて塩辛くなったら台無しだ。数えられるくらいの数粒がベストである。
わたしはマックグリドルも塩したスイカも好みじゃないけど、甘じょっぱい味というのはなにかこう、人間の味覚を惹きつけてやまないなにかがあるのだなとしみじみ実感した。

まさしく、麻薬的な美味しさというやつ。

今、これを書きながら思い出してニヤニヤしている。
食べてる最中ももちろんニヤニヤしていた。

せっかくの美味しいパンを最後の最後まで美味しく食べ尽くそうと、普段ならまずやらないであろうゴージャス(カロリー的な意味で)な食べ方をしたわけだけど、クセになったら困る。
クセになる要素しかない味だった。

ああ、明日うっかりパンを買いに出かけませんように。


では、また。

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