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肩こりが辛いあなたに向けて

今回は,現場でよく耳にする「肩こりが酷くて…」という声にお応えしたいと思います。

◆ 何が悪くて肩こりになるの?

ざっくりと言ってしまえば「姿勢」が影響していることは大きいと思います。
皆さんご存知の通り,猫背は肩こりを引き起こしやすい姿勢の一つです。
あとは,ピシッとし過ぎな姿勢も肩こりの原因になりやすいですね。

とはいえ,丁度良い姿勢を探すというのも難しい話なので,とりあえず「この辛い状態をどうにかしたい…」という方に向けて今回は書きたいと思います。


◆ どんなマッサージをするの?

前提として,「張ってる感じがする」という方に向いている内容です。
「痛い…」というところまで症状が進んでいる方には当てはまらないかもしれませんので,ご理解ください。

○ 「揉む」のではなく「つまむ」

硬い筋肉をほぐすために揉んでいるという方は結構多いと思います。
今では,マッサージガン?筋膜リリースガン?というものもあるみたいで,患者さんの中でも「使っている」という方は一定数います。

今回紹介する内容は,ざっくり言えば筋膜に対する方法になります。
筋膜リリースガンや,筋膜リリースローラーなどを使用しても肩こりが楽にならないという方はお試しいただく価値はあるかもしれません。

筋膜は筋肉の周りを覆うようにあるので,筋肉そのものを揉むというより,筋肉の周りをどうほぐすかが鍵になります。

さて,筋肉の周りをほぐすにはどうすれば良いか。
「皮膚」をつまんでください。

以下の画像はイメージですが,1枚目のように広い範囲でつまもうとすると,筋肉そのものもつまんでいる可能性が高いです。
なので,2枚目のように狭い範囲でつまむようにしてもらえると,うまく皮膚がつまめると思います。

肩をマッサージしている画像
1枚目: 筋肉も一緒につまんでいる可能性がある方法
肩をマッサージしている画像
2枚目: 皮膚をうまくつまめている方法

◆ なぜ,「つまむ」と良いのか?

これが肩こりの全て!と言い切れるものではありませんが,なぜ「張っている」という感覚に悩まされるのかの話をしたいと思います。
ここからは,肩こり改善の方法から話が逸れるのでお時間がある方はご覧ください。

筋膜は筋肉の表面を覆うようにあると紹介しました。
ただ,より詳しくいうといくつかの層に分かれるということが知られています。

皮膚から筋肉までの構造を示した画像
痛みを感じる神経が豊富に存在しているLAFS

よく分からない単語は無視してもらって全く問題ないです。
皆さんに紹介したいのは中央に白文字で示されている「LAFS」という部分です。


○ 様々な症状を引き起こす「LAFS」とは?

あらかじめ言うと「LAFS」は全く悪者ではありません。
LAFS は脂肪の層なのですが,非常に柔らかく体を動かしたときに神経や血管を刺激から守ってくれる役割を果たしています。

しかし,この LAFS は同じ姿勢を取り続けたり激しい運動を続けると硬くなることがあります。
硬くなると,LAFS に包まれていた神経や血管が圧迫されてしまい,痺れや痛み,肩こりのような症状を引き起こすことがあります。


○ 筋肉と LAFS は別物

LAFS について簡単に紹介しました。
筋肉とは別物であることはお分かりいただけたかと思います。

「揉めば」筋肉はほぐれます。
でも,筋肉の表面にある LAFS は十分にほぐれません。
だから,「つまむ」ことで筋肉の表面がよく動きますから,LAFS が本来の柔らかさを取り戻し,症状の緩和につながるケースはよくあります。

◆ 私はつまむことで良くなりやすいタイプか?

ここまで,読み進めてくださった方々に悲報があります。
つまんでも良くならない方もやはりいます…
そこで,「私はつまむことで良くなりやすいタイプか?」の判断をする方法を紹介します。

○ 肩こりの場所と,他の場所の皮膚を比べる

実際に肩こりを感じている場所と,そうでない場所の皮膚をつまみ比べてみてください。
片方の肩こりが酷い方は反対の方の皮膚をつまんでください。
両方こっている方は,腕の皮膚をつまんでみてください。

肩こりを感じている部分の皮膚の方が明らかに「つまみにくい」と感じた方は,つまむことで症状の改善が得られやすいタイプです。
案外簡単につまめてしまった場合は,筋肉そのものが原因の可能性が考えられます。

◆ 最後に

「つまみにくかった」と感じた方は,隙間時間などにやってみてください。
より上手くほぐすポイントは,つまんだまま色んな方向に動かしてみてください。
多分に動かしにくい方向が見つかると思います。

それが見つかったら,入念に動かしにくい方向へ何度も動かしてください。
ほぐれてくると,段々動かしやすくなってきて,皮膚もつまみやすくなってくると思います。

肩こり以外でもつまんでほぐす方法は色んな場所のコリや痛みなどに通用する可能性はあります。
「つまみにくいなぁ」と感じる部分があったら試しにやっても良いかもしれません。

注意点ですが,傷の治りかけや,つまむだけで我慢しがたいくらいの痛みがある場合はやらない方が良いです。

この「つまんでほぐす」というのを書籍で紹介している土屋先生という方がいらっしゃいます。
興味のある方は手にとってご覧いただいても良いかと思います。
私の拙劣な文章より分かりやすく紹介されています。

次回は,「硬すぎてつまむこと自体できないんだけど…」という方向けに紹介しようと思います。
それでは♪

2022.04.18
つまむことができない方向けの記事を更新しました♪
10分くらいで見終わると思いますので,お暇なときに覗いてください。

Bye bye

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